ソニー・カーター

ソニー・カーター
NASA公式の肖像写真（1984年）
現地語名 Sonny Carter
生誕 Manley Lanier Carter Jr.
(1947-08-15) 1947年8月15日
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ジョージア州メイコン
死没 1991年4月5日(1991-04-05)（43歳没）
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ジョージア州ブランズウィック
階級 アメリカ海軍大佐
宇宙滞在期間 5日 0時間6分
選抜試験 NASA第10期宇宙飛行士（英語版）（1984年）
ミッション STS-33
記章
受賞 エア・メダル
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マンリー・ラニア・“ソニー”・カーター・ジュニア(Manley Lanier "Sonny" Carter Jr., M.D. 、1947年8月15日 - 1991年4月5日）は、アメリカ合衆国の医師、アメリカ海軍軍人、テストパイロット、宇宙飛行士である。STS-33ミッションで宇宙飛行を行った。

若年期と教育

カーターは1947年8月15日にジョージア州メイコンで生まれたが、カーター自身は出身地はワーナーロビンズであると考えていた[1]。メイコンのラニア高校を1965年に卒業した。高校在学中には地元のボーイスカウトアメリカ連盟第19団のシニア・パトロール・リーダーを務め、イーグル・スカウト（英語版）を獲得した[2]。

アトランタのエモリー大学に入学し、1969年に化学の学士号、1973年に医学博士号を取得した。大学卒業後はアトランタのグレイディ記念病院（英語版）の内科でインターンを経験した。

スポーツ選手としての経歴

エモリー大学在学中にはサッカーと陸上競技の選手でもあった。4年生のときに大学のサッカーチームのキャプテンを務め、最優秀選手賞を受賞した。また、学内のレスリング大会で優勝したこともある。大学院在学中の1970年には北米サッカーリーグのアトランタ・チーフス（英語版）とプロ契約し、3シーズンで13試合に出場した[3]。

1989年、エモリー大学はカーターを同学のスポーツ選手殿堂(Athletic Hall of Fame)に殿堂入りさせた[4]。

海軍での経歴

1974年、カーターはアメリカ海軍に入隊した。フロリダ州ペンサコーラの航空医官（英語版）学校を修了し、第1・第3海兵航空団で航空医師として勤務した。その後、テキサス州ビービル（英語版）で飛行訓練を行い、1978年4月28日に海軍飛行士に任命され、空母「フォレスタル」に上級医療士官として配属された。1979年3月にアリゾナ州のユマ海兵隊航空基地（英語版）で戦闘機F-4の操縦訓練を受け、戦闘機パイロットとしてサウスカロライナ州のビューフォート海兵隊航空基地（英語版）の第333戦闘攻撃飛行隊(VMFA-333)でF-4戦闘機を操縦した。1981年、VMFA-115の一員として「フォレスタル」に乗艦し、地中海までの9か月間の遠征を行った。1982年9月、海軍戦闘機兵器学校（通称「トップガン」）の課程を修了し、ノースカロライナ州のチェリー・ポイント海兵隊航空基地で第2海兵航空団の標準化担当官とF-4戦闘準備評価官を務めた。その後、海軍テストパイロット学校に入学し、1984年6月に卒業した。

海軍での飛行時間は3000時間で、空母への着艦回数は160回だった。

NASAでの経歴

1984年5月にNASAの第10期宇宙飛行士（英語版）選抜試験に合格し、1985年6月にスペースシャトル計画のミッションスペシャリストの資格を得た。

スペースシャトル計画

→詳細は「STS-33」を参照
STS-33の乗組員。後列左がカーター。

カーターは、STS-33のミッションスペシャリスト1にアサインされ、宇宙飛行士室のミッション開発部門の船外活動(EVA)代表に任命された。1989年11月22日の夜、STS-33の乗組員はフロリダ州ケネディ宇宙センターからスペースシャトル・ディスカバリーで打ち上げられた。このミッションでは、国防総省のUSA-48衛星が放出された。地球を79周した後、打ち上げの5日後の1989年11月27日にカリフォルニア州のエドワーズ空軍基地に着陸した。カーターの宇宙滞在は120時間だった。

その後、STS-42のミッション・スペシャリスト3にアサインされたが、訓練中だった打上げ7か月前の1991年4月に死亡したことによりデヴィッド・C・ヒルマーズ（英語版）が代わりを務めた。STS-42の徽章のデザインには、カーターを称える星が追加された。

死去

カーターは1991年4月5日のアトランティック・サウスイースト航空2311便墜落事故により死亡した。カーターはNASAへ向かうために商用機に搭乗していた[5]。妻と2人の娘は同乗していなかった[6]。この事故の犠牲者には元上院議員ジョン・タワーもおり、著名人2人が死亡した事故であることから大々的に報道された。

墜落事故の同日の午前中には、STS-37ミッションのスペースシャトル・アトランティスの打ち上げが行われていた。

表彰

死後

スペース・ミラー・メモリアルに刻まれたカーターの名前

カーターの死去に伴い、NASAはケネディ宇宙センターのスペース・ミラー・メモリアル（宇宙飛行士記念碑）にカーターの名前を刻んだ。カーターの名前は、1991年5月にこの記念碑が建立された後、初めて追加で刻まれた名前となった。

カーターが宇宙飛行士の水中訓練技術を開発したことにちなみ、NASAの宇宙飛行士水中訓練施設である無重量環境訓練施設（英語版）のある建物が「ソニー・カーター訓練施設」と命名された。

ジョージア州航空殿堂（英語版）のカーターの銘板

1992年、カーターはジョージア州航空殿堂（英語版）に殿堂入りした[7]。

1993年、出生地のジョージア州メイコンに、カーターの名を冠した「ソニー・カーター小学校」が開校した。校訓は「宇宙の果てに挑戦する」(To Challenge the Edge of the Universe.)である。

アメリカ海軍航空医師協会(SUSNFS)は、航空医学のコミュニティのコミュニケーションとチームワークを推進することで作戦部隊の健康、安全、福祉に最も貢献した人物に対し、毎年「ソニー・カーター記念賞」を授与している[8]。

脚注

  1. ^ “Sonny Carter's biography”. NASA (April 1991). November 17, 2020閲覧。
  2. ^ Sonny Carter at scouting.org Archived March 3, 2016, at the Wayback Machine.
  3. ^ Manley Carter career stats, North American Soccer League, NASLJerseys.com
  4. ^ Honoring the true student athlete, Emory Magazine, Emory University, Winter 1997.
  5. ^ National Transportation Safety Board Brief
  6. ^ “Sonny Carter's family”. December 23, 2018時点のオリジナルよりアーカイブ。October 9, 2015閲覧。
  7. ^ “Manley L. "Sonny" Carter Jr.”. Georgia Aviation Hall of Fame. June 2, 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。October 9, 2018閲覧。
  8. ^ “Sonny Carter Memorial Award SUSNFS”. 2023年11月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月20日閲覧。

外部リンク

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