スタジオOXとは、漫画企画や変形ロボット玩具のデザインなどを行う多目的集団[1]。
1985年、雑誌『テレビマガジン』誌上で連載された『トランスフォーマー』のイラストを担当していた。
概要
元々はフリーライターの杉田篤彦がイラストおよびデザインを一つの組織で請け負えるようにという考えから設立した仮の組織名であり、当初のメンバーには野中剛[2]、谷崎あきら、福地仁といった面々が参加していた。
トランスフォーマーのイラストは編集者の金田益実へ杉田が「挿絵よりセル画の方が本物に見える」と提案したことがきっかけであったが、引き受けるアニメ会社は無く、杉田が自ら手掛けることとなった[2]。作業は、杉田と当時高校生であった野中の2人だけでほとんど行っていた[2]。『トランスフォーマーZ』では、商品カタログに掲載されたイラストストーリーも手掛けた[3]。
1987年に野中がバンダイに入社した為、新たに鈴木典孝が参加した。翌1988年に映画『ガンヘッド』に登場するエアロボットおよび同映画のスタッフの多くが参加していた『国際花と緑の博覧会』JT館用のデザインワークに参加したことから、映像関係の仕事を中心に受けるようになる。
1991年に法人組織となり、杉田が代表取締役に就任してテレビゲームやアニメーション制作を事業の中心に据えていくが、2000年の『人造人間キカイダー THE ANIMATION』を機に杉田が退社した[注釈 1]。当時、同社役員を務めていた松元文一[注釈 2]が後任として事業を引き継ぐが、2003年には事実上解体している。
参加作品
映画
TVアニメ
OVA
ゲーム
漫画
- 宇宙の騎士テッカマンブレード(1992年) - 鈴木典孝 著・月刊コミックコンプ⇒MEDIA COMIX DYNE連載・全1巻
- 雀偵物語3 セイバーエンジェル (1993年) - 鈴木典孝 著・MEDIA COMIX DYNE連載・未単行本化
- Jaja馬!カルテット(1995年) - 鈴木典孝 著・月刊OUT⇒月刊Magazine MEGU連載・未単行本化
- ヘキサムーン・ガーディアンズ(2000年) - 鈴木典孝 著・月刊電撃大王連載・全1巻
元メンバー
- 杉田篤彦(ライター/プロデューサー/創業代表者)
- 松本文一(プロデューサー/二代目代表者)
- 鈴木典孝(デザイナー/イラストレーター/漫画家)
- 野中剛(デザイナー)
- 谷崎あきら(企画/漫画家)
- 福地仁(メカニックデザイナー)
- 村田護朗(メカニックデザイナー)
- ぶるまほげろー(アシスタント)
- 有田浩一(ゲームディレクター)
- 岩畑剛一(制作進行/プロップデザイナー)
- 石平信司(制作進行)現・アニメーション監督・演出家
- 寺島清晃(制作進行)現・トムス・エンタテインメントプロデューサー
- 飯村正之(制作進行)AIC→現・スタジオコメット・演出
脚注
注釈
- ^ 退社後、2021年現在は建設業のアコス工業を代表取締役として営む[4]一方、ホビージャパンの『宇宙船』などでライターも続けている[5]。
- ^ スタジオOX法人化時に東京ムービー新社より移籍。
出典
- ^ a b c ゴジラ大百科 1990, pp. 12–13, 「『ゴジラ対ビオランテ』のデザイン世界」
- ^ a b c TFジェネレーションDX 2019, p. 134, 「スタジオOXの世界」
- ^ TFジェネレーションDX 2019, p. 139, 「カタログ」
- ^ “ご挨拶”. アコス工業. 2021年7月26日閲覧。
- ^ 杉田篤彦 (@atsuhiko0325) - X(旧Twitter)
- ^ TFジェネレーションDX 2019, p. 88, 「トランスフォーマーイラストギャラリー」
- ^ a b 平成ゴジラクロニクル 2009, p. 67, 「杉田篤彦」
- ^ 平成ゴジラクロニクル 2009, p. 49, 「ゴジラvsビオランテ特撮絵コンテ完全収録」
- ^ a b 平成ゴジラクロニクル 2009, pp. 26–27, 「part1 1989 デザインワークス」
- ^ ゴジラ大百科 1990, p. 19, 「『ゴジラ対ビオランテ』のデザイン世界」
- ^ 平成ゴジラクロニクル 2009, p. 31, 「part1 1989 デザインワークス」
- ^ 平成ゴジラクロニクル 2009, p. 82, 「ゴジラvsキングギドラ」
- ^ 平成ゴジラクロニクル 2009, p. 106, 「ゴジラvsモスラ」
- ^ 平成ゴジラクロニクル 2009, p. 130, 「ゴジラvsメカゴジラ」
- ^ キカイダー大全 2002, p. 210, 「人造人間キカイダー THE ANIMATION ON AIR LIST」
- ^ キカイダー大全 2002, p. 212, 「そして『キカイダー01 THE ANIMATION』へ!」
参考文献
外部リンク