スクラッチタイルスクラッチタイルは、多数の細い溝の模様があるタイル。外壁に張る外装用タイルが多い[1]。かつてはスダレ煉瓦(すだれれんが)とも呼ばれた。 特徴釉薬を使わない(無釉)タイルであり、原料に含まれる鉄分のために赤褐色や淡黄色となる[2][1]。湿式成形された表面には、突起物による多数の溝が刻まれている[2][1]。光に対する反射がほとんどないため、陰影を利用した重厚感があるとされる[3]。 歴史スクラッチタイルは煉瓦からタイルに変わる際の過渡期の建材である[2]。帝国ホテル旧本館(ライト館)には煉瓦ではなく「スクラッチ煉瓦」が用いられ、世界で初めて外壁にスクラッチタイルを用いた作品とされる。1923年(大正12年)の関東大震災で帝国ホテル旧本館は無傷だったこともあり、震災復興期の建築にはスクラッチタイルが多用された[4]。官公庁・大学施設・金融機関などの建築にスクラッチタイルが用いられ、1928年(昭和3年)から1931年(昭和6年)に流行がピークを迎えた[2]。 代表的な作品
脚注
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