正則表示 の形で与えられた、向き付けられた絡み目 L をとる。これに対してカウフマン(en:Louis Kauffman)の ブラケット多項式 ( で表す)を用いて ジョーンズ 多項式 V(L) を定義しよう。 ここでブラケット多項式は整数を係数とする不定元 A の ローラン 多項式であることに注意する。
まず、多項式(正規化ブラケット多項式とも呼ばれる) を定義する。ここで w(L) は L の与えられた表示でのねじれ数を表す。ある絡み目の表示のねじれ数は、正の交差の個数(下の図の L+)から負の交差の個数(L−)を引いたものである。ねじれ数自身は結び目不変量ではない。
X(L) は結び目不変量である、なぜなら L の表示を三種類の ライデマイスター移動で変化させても X(L) は変わらないからである。ライデマイスター移動 II、III に対する不変性はブラケット多項式がこれらの変形に対して不変であることから従う。ブラケット多項式はライデマイスター移動 I によって 倍だけ変化することが知られている。ねじれ数はライデマイスター移動 I で丁度 +1 または −1 変化するので、上記で与えた X 多項式はこの変形に対して変化しないように定義されている。
ジョーンズ多項式の典型的な計算法は、絡み目 L の正則表示 D に現れる交点のひとつに対してスケイン関係式を適用し、等式変形をすることである(スケイン関係式の計算例(英語) )。うまく交点を選べば変形後の式は、D よりも交点数が小さい表示を持つ絡み目のジョーンズ多項式たちの線形和になり、再帰的な計算で L のジョーンズ多項式の値を求めることができる。
ジョーンズ多項式 V(K) の不定元 t に を代入して h で展開すると、各 hn の係数はヴァシリエフ(Vassiliev)不変量になる。マキシム・コンツェビッチはヴァシリエフ不変量を統一する結び目不変量コンツェビッチ積分を構成した。このコンツェビッチ積分の値(ヤコビ図式と呼ばれる 1,3-価グラフの無限和)に sl2 ウェイトシステム(ドロール・バー-ナタン(英語版)(Dror Bar-Natan))が理論的に整備した)を適用するとジョーンズ多項式が復元する。
補空間の体積との関係
カシャエフ(R.M.Kashaev)はいくつかの双曲結び目について数値実験を行い、N 次元表現に対応する色付きジョーンズ多項式のパラメータに 1の N 乗根を代入して N に関してある極限をとると、これらの結び目の補空間の双曲体積が得られることを発見した。村上順はこれをもとに、一般の結び目にたいしても同様に色付きジョーンズ多項式のある極限から補空間の体積が得られると予想した。(体積予想参照)
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Kauffman, L.H; Ogasa, E; Shcneider, J (2018), A spinning construction for virtual 1-knots and 2-knots, and the fiberwise and welded equivalence of virtual 1-knots, arXiv:1808.03023
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Kauffman, L.E., Talks at MSRI Meeting in January 1997, AMS Meeting at University of Maryland, College Park in March 1997, Isaac Newton Institute Lecture in November 1997, Knots in Hellas Meeting in Delphi, Greece in July 1998, APCTP-NANKAI Symposium on Yang-Baxter Systems, Non-Linear Models and Applications at Seoul, Korea in October 1998,
Virtual knot theory,
European J. Combin. 20 (1999) 663-690,, arXiv:math/9811028
W. B. R. リコリッシュ著 秋吉宏尚他訳 『結び目理論概説』 シュプリンガーフェアラーク東京 2000年ISBN 4-431-70859-6 (W. B. R. Lickorish, An introduction to knot theory. Graduate Texts in Mathematics, 175. Springer-Verlag, New York, (1997). ISBN 0-387-98254-X)
Louis H. Kauffman, State models and the Jones polynomial. Topology 26 (1987), no. 3, 395–407. (ブラケット多項式による定義とジョーンズの組みひも表現による定義との関連について説明されている。)
Morwen Thistlethwaite, Links with trivial Jones polynomial. J. Knot Theory Ramifications 10 (2001), no. 4, 641–643.
Eliahou, Shalom; Kauffman, Louis H.; Thistlethwaite, Morwen B. Infinite families of links with trivial Jones polynomial, Topology 42 (2003), no. 1, 155–169.