ジェリー・リチャード・ブレビンス(Jerry Richard Blevins, 1983年9月6日 - )は、アメリカ合衆国テネシー州ジョンソンシティ出身の元プロ野球選手(投手)。左投左打。愛称はゴルド(Gordo)[1]。
経歴
プロ入り前
デイトン大学で2年間投手で所属し、21試合で7勝4敗の記録を残した。また、後に再び同僚となるクレイグ・スタメンとチームメイトであり、2人ともコミュニケーション学科だったため、授業も同じでいつも一緒に行動していた[2]。
プロ入りとカブス傘下時代
2004年のMLBドラフト17巡目(全体516位)でシカゴ・カブスから指名され、6月23日に契約。この年は傘下のA-級ボイシ・ホークスでプロデビューし、23試合に登板した。
2005年はA級ピオリア・チーフスで投げたが、2006年にはA-級ボイシに戻り、他にもA+級デイトナ・カブスやAA級ウエストテン・ダイヤモンドジャックスでも登板した。
2007年はA+級デイトナで開幕を迎え、15試合で1勝0敗、防御率0.38の成績を残したところで5月15日にAA級テネシー・スモーキーズ[3]に昇格した。同球団では23試合に登板して2勝2敗、防御率1.53の成績だった。2球団合計では38試合で3勝2敗、防御率1.02だった。
アスレチックス時代
2007年7月16日にジェイソン・ケンドールとのトレードで、ロブ・ボウエン(英語版)と共にオークランド・アスレチックスへ移籍[4]。
移籍後は傘下のAA級ミッドランド・ロックハウンズで17試合に登板して1勝3敗・防御率3.32の成績を残し、8月31日からはAAA級サクラメント・リバーキャッツに昇格。マイナーのシーズン終了前、1試合に登板して2回2/3を被安打無しで勝利を挙げ、チームに貢献した。9月15日にメジャーに昇格すると、16日のテキサス・レンジャーズ戦でメジャーデビューし、9回に登板。デビッド・マーフィーから三振を取った。
この年はマイナー通算56試合で通算5勝5敗、防御率1.63、1試合平均11.87打席、77回1/3イニングで102個の三振を奪った。
オフの11月に開催された第37回IBAFワールドカップのアメリカ合衆国代表に選出された。
2008年はメジャーとマイナーを行き来し、AAA級サクラメントでは28試合に登板して2勝2敗、防御率2.78、WHIP1.14の成績を残し、メジャーでは36試合に登板して1勝3敗、防御率3.11、WHIP1.19の記録した。
2009年もメジャーとマイナーを行き来し、AAA級サクラメントでは45試合に登板して5勝3敗、防御率3.84、WHIP1.31の成績を残し、メジャーでは20試合の登板で防御率4.84、WHIP1.12を記録した。
2010年は初めてシーズンを通してメジャーで投げた。主に左のワンポイントとしての起用で63試合に登板し、対左の被打率.228を記録。
2011年8月3日に40人枠から外れるが、31日に再昇格する。この年は26試合と、登板機会が減少した。
2012年、2013年は60試合以上に登板している。
ナショナルズ時代
2013年12月11日にビリー・バーンズとのトレードで、ワシントン・ナショナルズへ移籍した[5]。
2014年1月17日にナショナルズと1年契約に合意した[6]。この年は64試合に登板するも、防御率4.87とやや不調だった。
オフの11月7日に日米野球2014のMLB選抜に選出された[7]。
メッツ時代
2015年3月30日にマット・デン・デッカーとのトレードで、ニューヨーク・メッツへ移籍した[8]。オフの11月2日にフリーエージェント(FA)となった[9]。2014年までは3年連続で60試合以上に登板していたが、2015年は2度左腕を骨折した影響で7試合だけの登板に留まった。しかし、5.0イニングを無安打・無四球と完璧に抑え、1勝を挙げた。
2016年からは背番号が39に変更となった。この年は故障から復活し、チーム内で3番目に多い73試合に登板した。オフの11月3日にFAとなったが、2017年2月9日に1年契約(2018年のオプション付き)で再契約した[10]。
2017年は75試合に登板して6勝0敗1セーブ、防御率2.94、69奪三振を記録した。
2018年は64試合(先発1試合)に登板して3勝2敗1セーブ、防御率4.85、41奪三振を記録した。オフの10月29日にFAとなった[11]。
アスレチックス傘下時代
2019年2月4日にアスレチックスとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[12]。開幕後は傘下のAAA級ラスベガス・アビエイターズ[13]でプレーした。
ブレーブス時代
2019年4月28日に金銭トレードで、アトランタ・ブレーブスへ移籍し、即日でメジャー契約を結んだ[14]。5月14日にDFA(英語版)となり[15]、17日にマイナー契約で傘下のAAA級グウィネット・ストライパーズへ配属された[11]。5月18日に再びブレーブスとメジャー契約を結んだ[16]。オフの10月31日にFAとなった[17]。
ジャイアンツ傘下時代
2020年1月20日にサンフランシスコ・ジャイアンツとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[11]。
メッツ傘下時代
2020年12月11日にニューヨーク・メッツとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[18]。
2021年4月28日に現役引退を表明した[19]。
詳細情報
年度別投手成績
年
度 |
球
団 |
登
板 |
先
発 |
完
投 |
完
封 |
無 四 球 |
勝
利 |
敗
戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝
率 |
打
者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬
遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴
投 |
ボ 丨 ク |
失
点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P
|
2007
|
OAK
|
6 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
.000 |
25 |
4.2 |
8 |
1 |
2 |
0 |
0 |
3 |
0 |
0 |
6 |
5 |
9.64 |
2.14
|
2008
|
36 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
3 |
0 |
5 |
.250 |
156 |
37.2 |
32 |
2 |
13 |
2 |
3 |
35 |
0 |
0 |
14 |
13 |
3.11 |
1.19
|
2009
|
20 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
---- |
90 |
22.1 |
19 |
2 |
6 |
1 |
0 |
23 |
0 |
0 |
12 |
12 |
4.84 |
1.12
|
2010
|
63 |
0 |
0 |
0 |
0 |
2 |
1 |
1 |
11 |
.667 |
220 |
48.2 |
54 |
7 |
18 |
1 |
1 |
46 |
0 |
0 |
20 |
20 |
3.70 |
1.48
|
2011
|
26 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
---- |
122 |
28.1 |
24 |
2 |
14 |
1 |
1 |
26 |
0 |
0 |
14 |
9 |
2.86 |
1.34
|
2012
|
63 |
0 |
0 |
0 |
0 |
5 |
1 |
1 |
14 |
.833 |
261 |
65.1 |
45 |
7 |
25 |
5 |
5 |
54 |
2 |
0 |
20 |
18 |
2.48 |
1.07
|
2013
|
67 |
0 |
0 |
0 |
0 |
5 |
0 |
0 |
4 |
1.000 |
245 |
60.0 |
47 |
7 |
17 |
2 |
4 |
52 |
2 |
0 |
23 |
21 |
3.15 |
1.07
|
2014
|
WSH
|
64 |
0 |
0 |
0 |
0 |
2 |
3 |
0 |
9 |
.400 |
240 |
57.1 |
48 |
3 |
23 |
6 |
1 |
66 |
2 |
0 |
31 |
31 |
4.87 |
1.24
|
2015
|
NYM
|
7 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
5 |
1.000 |
15 |
5.0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
4 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0.00 |
0.00
|
2016
|
73 |
0 |
0 |
0 |
0 |
4 |
2 |
2 |
16 |
.667 |
178 |
42.0 |
36 |
4 |
15 |
3 |
1 |
52 |
1 |
0 |
14 |
13 |
2.79 |
1.21
|
2017
|
75 |
0 |
0 |
0 |
0 |
6 |
0 |
1 |
19 |
1.000 |
217 |
49.0 |
43 |
4 |
24 |
2 |
4 |
69 |
2 |
0 |
16 |
16 |
2.94 |
1.37
|
2018
|
64 |
1 |
0 |
0 |
0 |
3 |
2 |
1 |
8 |
.600 |
188 |
42.2 |
36 |
6 |
22 |
1 |
5 |
41 |
1 |
0 |
24 |
23 |
4.85 |
1.36
|
2019
|
ATL
|
45 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
1 |
10 |
1.000 |
141 |
32.1 |
25 |
5 |
16 |
2 |
2 |
37 |
2 |
0 |
15 |
14 |
3.90 |
1.27
|
MLB:13年
|
609 |
1 |
0 |
0 |
0 |
30 |
13 |
7 |
101 |
.698 |
2098 |
495.1 |
417 |
50 |
195 |
26 |
27 |
508 |
12 |
0 |
209 |
195 |
3.54 |
1.24
|
背番号
- 64(2007年)
- 13(2008年 - 2015年)
- 39(2016年 - 2018年)
- 50(2019年)
代表歴
- 2007 IBAFワールドカップ アメリカ合衆国代表
脚注
- ^ Explaining Mets Players Weekend nicknames MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年9月28日閲覧
- ^ 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2014』廣済堂出版、2014年、285頁。ISBN 978-4-331-51809-0。
- ^ 2007年よりカブス傘下
- ^ “A's deal catcher Kendall to Cubs Oakland acquires catcher Bowen, lefty Blevins for veteran”. The Official Site of The Oakland Athletics. 2008年4月24日閲覧。
- ^ Nationals acquire left-handed reliever Jerry Blevins from Athletics MLB.com
- ^ Bill Ladson (January 17, 2014). “Zimmermann, Desmond sign two-year deals”. MLB.com. January 18, 2014閲覧。
- ^ MLBオールスターチーム、追加選手発表!来日全29選手が決定 侍ジャパン公式サイト (2014年11月7日) 2015年3月26日閲覧
- ^ Mets add lefty relievers Torres, Blevins in pair of trades MLB.com Anthony DiComo 英語 (2015年3月30日) 2015年3月31日閲覧
- ^ “Transactions | mets.com” (英語). MLB.com (2015年11月2日). 2015年11月4日閲覧。
- ^ “New York Mets on Twitter” (英語). Twitter (2017年2月9日). 2017年2月11日閲覧。
- ^ a b c MLB公式プロフィール参照。2019年5月18日閲覧。
- ^ Jane Lee (2019年2月4日). “Source: Blevins returns to A's on Minors deal” (英語). MLB.com. 2019年3月15日閲覧。
- ^ 2019年にラスベガス・フィフティワンズより球団名変更及びアスレチックス傘下
- ^ Mark Bowman (2019年4月28日). “Braves acquire Blevins, option Parsons” (英語). MLB.com. 2019年4月29日閲覧。
- ^ Mark Bowman (2019年5月14日). “Braves activate Biddle, recall Parsons” (英語). MLB.com. 2019年5月15日閲覧。
- ^ Mark Bowman (2019年5月18日). “Braves release Venters, bring back Blevins” (英語). MLB.com. 2019年5月19日閲覧。
- ^ Thomas Harrigan, Manny Randhawa and Paul Casella (2019年11月8日). “Here are every team's free agents this winter” (英語). MLB.com. 2019年12月2日閲覧。
- ^ Anthony DiComo (2020年12月22日). “Blevins rejoins Mets on Minors deal” (英語). MLB.com. 2021年3月28日閲覧。
- ^ “Hello Retirement. Goodbye Baseball” (英語). Jerry Blevins (@jerryblevins) - X(旧Twitter) (April 28, 2021). April 29, 2021閲覧。
関連項目
外部リンク