『シークレット・ストーリー 』(Secret Story )は、1992年にリリースされたパット・メセニー のアルバムで、1993年にグラミー賞 のベスト・コンテンポラリー・ジャズ・アルバムを受賞した。すべての音楽がメセニー(1曲で共同クレジット)によって作曲されており、彼の最も野心的かつ成功したスタジオ・アルバムの1つであり、ジャズ 、ロック 、ワールドミュージック の要素を統合している。演奏面では、カンボジア・ロイヤル・バレエのピン・ペアト ・オーケストラ、ロンドン管弦楽団とその指揮者ジェレミー・ルボック、カンボジア王宮 の合唱団、トゥーツ・シールマンス 、ライル・メイズ とのコラボレーションが含まれている。
背景
オープニング曲「アバヴ・ザ・トゥリートップス」は、カンボジアのスピリチュアル・ソングをアレンジしたもの。「アントニア」などの他の作品は、東ヨーロッパの影響を受けている。日本のピアニストにして歌手である矢野顕子 が「アズ・ア・フラワー・ブロッサムズ」に参加し、アルバムで唯一の共作クレジットを獲得している。矢野はそれ以前にも、1991年のアルバム『LOVE LIFE 』の「いいこ いいこ(GOOD GIRL)」「愛はたくさん(LOTS OF LOVE)」「LOVE LIFE」や、2曲のメセニー・カバー、『WELCOME BACK 』(1989年)の「“It's For You”」(メセニーはアルバムのその他2曲でも演奏がフィーチャーされている)と『SUPER FOLK SONG 』(1992年)の「PRAYER」で、メセニーとコラボレーションしていた。アルバムのオーケストラ・アレンジはジェレミー・ルボックが行った。
メセニーはコンサート・ツアーで『シークレット・ストーリー』を取り上げ、ニュージャージー州 ニューブランズウィック でのライブ・パフォーマンスがビデオとして録画され発売されている。『シークレット・ストーリー・ライヴ』と呼ばれるこのフィルムは、2001年にDVDで再発された。
このアルバムは、1995年12月1日にRIAAによってゴールド認定された[ 4] 。
反響
オールミュージック のレビュアーであるトム・ジュレックは、アルバムに星4.5を授与した[ 1] 。
リマスター
2007年9月、アルバムは、大幅にレタッチされたミックスと、同じセッションからの5つの未発表曲のボーナスCDとともに再発された。リマスターはWEAとノンサッチ・レコード から発売された。
収録曲
全作曲: 特記以外はパット・メセニー 。 # タイトル 作詞 作曲・編曲 時間 1. 「アバヴ・ザ・トゥリートップス - "Above the Treetops"」 特記以外はパット・メセニー 2:43 2. 「フェイシング・ウエスト - "Facing West"」 特記以外はパット・メセニー 6:05 3. 「カシードラル・イン・ア・スーツケース - "Cathedral in a Suitcase"」 特記以外はパット・メセニー 4:52 4. 「ファインディング・アンド・ビリーヴィング - "Finding and Believing"」 特記以外はパット・メセニー 10:00 5. 「ザ・ロンゲスト・サマー - "The Longest Summer"」 特記以外はパット・メセニー 6:34 6. 「サンライト - "Sunlight"」 特記以外はパット・メセニー 3:53 7. 「レイン・リヴァー - "Rain River"」 特記以外はパット・メセニー 7:09 8. 「オールウェイズ・アンド・フォーエヴァー - "Always and Forever"」 特記以外はパット・メセニー 5:26 9. 「シー・ザ・ワールド - "See the World"」 特記以外はパット・メセニー 4:48 10. 「アズ・ア・フラワー・ブロッサムズ - "As a Flower Blossoms (I Am Running to You)"」(パット・メセニー、矢野顕子 ) 特記以外はパット・メセニー 1:53 11. 「アントニア - "Antonia"」 特記以外はパット・メセニー 6:11 12. 「ザ・トゥルース・ウィル・オールウェイズ・ビー - "The Truth Will Always Be"」 特記以外はパット・メセニー 9:15 13. 「テル・ハー・ユー・ソー・ミー - "Tell Her You Saw Me"」 特記以外はパット・メセニー 5:11 14. 「ノット・トゥ・ビー・フォーガトゥン - "Not to Be Forgotten (Our Final Hour)"」 特記以外はパット・メセニー 2:22
付記
2007年のデラックス・エディション再発盤のボーナスCD。小冊子とパッケージのボーナス・ディスクの2〜4曲目の番号表記が間違っている。以下のトラック・リストが、ディスクに表示される通りのもの[ 5] [ 6] 。
ボーナス・ディスク 全作曲: パット・メセニー。 # タイトル 作詞 作曲・編曲 時間 1. 「バック・イン・タイム - "Back in Time"」 パット・メセニー 5:22 2. 「ルック・アヘッド - "Look Ahead"」 パット・メセニー 4:05 3. 「アンダースタンディング - "Understanding"」 パット・メセニー 2:14 4. 「ア・チェンジ・イン・サーカムスタンス - "A Change in Circumstance"」 パット・メセニー 1:19 5. 「アズ・イフ・イット・ワー・ジ・エンド - "Et si c’était la fin (As If It Were the End)"」 パット・メセニー 3:40
パーソネル
パット・メセニー (Pat Metheny) - ギター、ベース、キーボード
アーマンド・マーサル (Armando Marçal) - パーカッション (1–7、9、12曲目)
スティーヴ・ロドビー (Steve Rodby) - ダブルベース、ベース (4-7、9、11曲目)
ポール・ワーティコ (Paul Wertico) - ドラム (4–5、7–9、11曲目)
ナナ・ヴァスコンセロス (Naná Vasconcelos) - パーカッション (1、4–5、10–12曲目)
スティーヴ・フェローン (Steve Ferrone) - ドラム (3–5、12曲目)
ウィル・リー (Will Lee) - ベース (4、6、12曲目)
ギル・ゴールドスタイン (Gil Goldstein) - アコーディオン (4、7、9曲目)
ライル・メイズ (Lyle Mays) - ピアノ、キーボード (2、6曲目)
トゥーツ・シールマンス (Toots Thielemans) - ハーモニカ (8、11曲目)
チャーリー・ヘイデン (Charlie Haden) - ダブルベース (1、8曲目)
ダニー・ゴットリーブ (Danny Gottlieb) - シンバル・ロール、パーカッション (3、11曲目)
マーク・レッドフォード (Mark Ledford) - ボーカル (3、4曲目)
ライアン・カイザー (Ryan Kisor) - トランペット、フリューゲルホルン (9曲目)
マイク・メセニー (Mike Metheny) - トランペット、フリューゲルホルン (9曲目)
マイケル・モスマン (Michael Mossman) - トランペット、フリューゲルホルン (9曲目)
デイヴ・バーゲロン (Dave Bargeron) - トロンボーン、チューバ (9曲目)
トム・マローン (Tom Malone) - トロンボーン (9曲目)
デイヴ・テイラー (Dave Taylor) - バス・トロンボーン (9曲目)
ジョン・クラーク (John Clark) - フレンチホルン (9曲目)
アンディ・フィンドン (Andy Findon) - フルート (7曲目)
ステイラ・カンガ (Skaila Kanga) - ハープ (13曲目)
アンソニー・ジャクソン (Anthony Jackson) - コントラバス・ギター (9曲目)
サミー・メレンディーノ (Sammy Merendino) - ドラム (6曲目)
矢野顕子 (Akiko Yano) - ボーカル (10曲目)
テクニカル
受賞歴
グラミー賞
受賞年
カテゴリー
1993
ベスト・コンテンポラリー・ジャズ・アルバム
脚注