ザ・病院
『ザ・病院』(ザ・びょういん)は、1987年にPSKから発売された日本のコンピュータゲームである。 本作は、病院を舞台としたコマンド選択入力形式のテキストアドベンチャーゲームであり、アダルトゲームの要素もある[1]。 スタッフに『ロリータ』や『ALICE』などの作者である武市好浩を初め医療関係者が多いとされるPSKによって、医療業界の内部告発的な要素を含んだブラックジョーク作品に仕上がっている[1]。ゲーム中の登場人物も、それぞれ当時のスタッフがモデルとなっている。 ゲームシステムは漢字使用文章による日本語表示のテキストアドベンチャーで、一部イベント発生時には白黒のCGも表示される[1]。テキストアドベンチャーゲームでありながら、PC-8801/mkII/SR以降対応版においては、フロッピーディスク4枚組となっている。 本作のプレイに当たっては、マッピングが必要なうえ、プレイヤーがゲームクリア出来ない状況に気づきにくいトラップも多いなど、クリアは容易ではない[1]。また、情報量が多く、会話の中には物語の展開とは無関係のものも含まれている。 隠しコマンドがいくつか用意されており、SHIFTキーを押しながら起動すると制作話を見ることが出来る。 PC-8801/mkII/SR以降対応版では、この時期の発売としては珍しく初代のPC-8801以降で対応しているが、400ライン対応モニタおよび漢字ROMが必要で、画面は一貫して白黒表示となっている。 ストーリー主人公である新聞記者・山崎勝義は、恋人の松田郁子の勤務先である猛狂病院の内科にて、胃がんの患者が次々と死亡していくことに疑問を抱いていた[1]。 きな臭いものを感じた山崎は松田に首を突っ込まぬよう忠告する[1]。だが、彼女は患者の死因が院内で行われていた新薬の治験で患者が死んでいることをすでに知っており、その日の夜に車にひかれ、猛狂病院に入院する。 その際、彼女は持っていたキャッシュカードに口紅で助けを求めるメッセージを残す[1]。 土曜日、彼女のキャッシュカードを見つけた山崎は、謎を解くために猛狂病院へ潜入する[1]。 登場人物
移植版
スタッフ
評価ライターの松田ゆのじは、PSKの他作品と雰囲気が異なることやモノクロ画面であるためか、本作があまりヒットしなかったとしつつも、細部まで探索ができる点から、個人的には良作であると述べている[1]。 また、松田は医療用の資料と思われる画像が含まれている点から、アダルトゲームにおける断面図の先駆者ではないかと推測している[1]。 余談X1turboとX68000でも発売を予定していたことが、付属マニュアルにて明かされている。 脚注
外部リンク
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