サラブレッド・ドント・クライ
『サラブレッド・ドント・クライ』(Thoroughbreds Don't Cry) は、1937年のアメリカ合衆国のミュージカル・コメディ映画。 アルフレッド・グリーンが監督し、ミッキー・ルーニーとジュディ・ガーランドの初共演映画となった。 ストーリークリケット・ウエスト(ジュディ・ガーランド)は素晴らしい歌声を持つ、女優志願者である。寄宿舎を営む変わり者の叔母は騎手の世話をしている。騎手のリーダーは生意気だが腕のあるティミー・ドノヴァン(ミッキー・ルーニー)である。若い英国紳士ロジャー・カルヴァトン(ロナルド・シンクレア)が持ち馬プーカーと共にやってきて、ティミーは高額賞金のレースでプーカーに乗せてもらえるよう説得し、事態は急速に変化する。ティミーの父親が八百長を企みティミーは失格となる。八百長に気付いたクリケットとその叔母のおかげでロジャーは優勝し、ティミーの父は逮捕される。 キャスト
制作1937年の映画『踊る不夜城』の中で楽曲「You Made Me Love You (I Didn't Want to Do It)」でジュディ・ガーランドがクラーク・ゲーブルについて歌ったことが話題になった。多忙なガーランドは『踊る不夜城』とよりミュージカル色の強い1938年の映画『エブリバディ・シング』の2本を掛け持ちで撮影していた[2]。 本作はミッキー・ルーニーとジュディ・ガーランドが共演した最初の映画作品となった。アーサー・フリードとナシオ・ハーブ・ブラウンがガーランドのために2曲作曲したが、「Got A Pair of New Shoes」のみが採用された[2]。この時作曲された「Sun Showers」もガーランドによりレコーディングされ、現在も親しまれている[3]。 レースの終盤で追い上げる逆転勝ちで有名な騎手ティミーをルーニーが演じ、ティミーが住む騎手の寄宿舎を運営するソフィ・タッカー演じるマザー・ラルフの姪クリケットをガーランドが演じた。C・オーブリー・スミス演じるピーター・カルヴァトンとロナルド・シンクレア演じるその孫ロジャーが登場する。身分は高いが貧乏なカルヴァトン家の2人にとって唯一の資産は勝ち馬プーカーのみである。 ティミーの騎馬の腕は優秀だが、チャールズ・ブラウン演じる父親が瀕死の病を装い、治療費の名目で八百長の金を得るためプーカーが出走するレースでティミーにわざと負けるよう約束させる。ティミーは父親の言う通りにするが、その後父親の嘘を知る。 当初ロジャー役はフレディ・バーソロミューであったが、ガーランドがのちに語ったところによると、声変わりにより降板してロナルド・シンクレアが代役となった。ルーニーとガーランドの相性は良く、MGMは1948年の『ワーズ&ミュージック』まで2人を何度も共演させた。本作はフランキー・ダーロがディンク・レイド役でカメオ出演している。 興行収入MGMの記録によると、アメリカとカナダで$426,000、それ以外で$305,000の興行収入があり、$29,000の損失となった[1]。 脚注
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