サスケvsコマンダー
『サスケvsコマンダ』(サスケブイエスコマンダ[注 1][注 2])は、1980年に新日本企画(後のSNK)により発売された業務用ゲーム機。開発はトーセ[1]で、同社が開発を公表している、数少ない作品の一つである。ジャンルは固定画面シューティングゲームと基本システムはシンプルだが、ゲーム内には随所に凝った演出が多数盛り込まれていた。 概要本作の基本システムは固定画面のシューティングであり、同時期に発売の『スペースインベーダー』(タイトー1978年)や『ギャラクシアン』(ナムコ1979年)とほぼ同一。ゲーム内の世界観は戦国時代の忍者を主題としており、ザコ面の背景には大文字焼きや五重の塔が描かれているなど和風で彩られている。SF設定が多かった当時のゲームの中では和風の世界観のゲームは大変珍しく、同時期に発売されたものでは『侍』ぐらいであった。 2方向レバーで自機である「サスケ」を左右に動かしボタンでショットであるクナイを発射し敵を攻撃する。シーンはザコ戦とボス戦の2つで構成されており、これらを1周することで1面クリアとなる。まずザコ面で画面上部から飛来してくる赤と緑のザコ忍者を撃退していき、一定量のザコを倒すとボス忍者が登場してサスケと一対一での対決となる。このボス忍者に勝てば面クリアとなり、再びザコ面に戻り以降はこの流れを繰り返していく。またボス忍者に負けても残機があれば再戦をせずにザコ面に戻り、タイムオーバーになってもザコ面に戻りゲームは進行していく。面が進むごとにザコの攻撃は激しく移動スピードも速くなり、ボス忍者も毎回異なった忍術で攻撃してくる。 アップライト筐体の定価は68万円、テーブル筐体の定価は58万円[2]。 演出面本作の最大の特徴には、この時代に発売のゲームにしては珍しい多彩な演出の導入が挙げられる。ゲーム開始時に将軍から命令を受けるシーン、ボス対決前に雷鳴の中で2人が対峙して忍術の紹介、ボス忍者の使用する多彩な忍術など、ドラマ性を匂わせるシチュエーションが盛り込まれていた。またゲーム内にはコミカルな演出も多く、ゲームオーバー時に走ってきたサスケが石につまずいて転んだり、ボスを倒した時のポーズやボス討伐の失敗シーンなど多岐にわたり、他社の製品とはひと味違う独自性を持っていた。なお本作は忍法のテロップ以外に日本語表示はなく、将軍の命令シーンなどもすべて英文となる。 当時のSNKは、『スペースインベーダー』でタイトーからのライセンス生産を受けた結果、SNKとしてのオリジナルゲームも筐体・アーケードゲーム基板・インストラクションカードまでタイトーそっくりの作風となった時代があったが、『サファリラリー』や本作から、SNKオリジナルとしてのデザインが生まれるようになった。テーブル筐体やボタンの基本的仕様はまだタイトーに近いが、コントロールパネル(レバーやボタンの周囲)には五重の塔やキャラクターのドット絵が描かれている。 当時のテレビゲームは、この頃から、特定のシチュエーションで特定のBGMが鳴るフィーチャー(演出)が使われ始めた。本作でもゲーム中には連続したBGMは流れないものの、色々なシチュエーションで多くのBGMが聞くことができ、前述通りややコミカルな編曲である。 登場人物
移植
脚注注釈出典
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