サイウオ科
サイウオ科(学名:Bregmacerotidae)は、タラ目に所属する魚類の分類群の一つ。サイウオ属のみ1属で構成され、サイウオなど中層遊泳性の魚類を中心に16種が記載される[1]。科名の由来は、ギリシア語の「bregma(頭頂部)」と「keras(角)」から[2]。 分布・生態サイウオ科の魚類はインド洋・太平洋・大西洋など、世界中の熱帯・亜熱帯の海に広く分布する[1]。その多くは海水魚であるが、まれに河口などの汽水域に進出する種類もある[1]。生息範囲は広く、沿岸から外洋、表層から深海にまで多岐にわたる[2]。 本科はあまり研究が進んでいないグループの一つで、生態についてはほとんどわかっていない[3]。底生性の魚類が多いタラ目の中では例外的に、海底から離れた中層を漂って生活するとみられている[3]。 形態サイウオ科の仲間は左右にやや平たく側扁した、細長い体型をもつ。全長は最大でも12cm程度で、多くは10cmに満たない小型魚類である[2]。顎ヒゲをもたず、鱗は比較的大きい[1]。側線は背側を走行する[1]。鋤骨に歯を備え、浮き袋は耳嚢と連絡しない[1]。仔魚の形態は他のタラ目魚類と類似するが、変態の過程は緩やかで、直接発生的である[2]。 背鰭は2つあり、うなじに位置する第1背鰭は細長く伸びた1本の鰭条からなる[1]。第2背鰭と臀鰭の基底は長く、いずれも中央部の丈が低くへこんだ特徴的な形をとっている[1]。腹鰭は5軟条で頭部の下に位置し、外側の3本は鰭膜をもたず非常に細長く伸びる[1]。椎骨は43-59個[1]。 分類サイウオ科にはNelson(2006)の体系において1属15種が認められている[1]。本稿では、FishBaseに記載される16種についてリストする[2]。種の同定を含め、本科の分類に関する知見は不充分で、全体的な再検討の必要性が指摘されている[2]。
出典・脚注参考文献
外部リンク
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