グリーゼ49とは、カシオペヤ座に位置する恒星である。視覚的には、明るい恒星であるカシオペヤ座ガンマ星の北106分角の位置にある。見かけの等級は9.56であり[4]、肉眼で観測することは不可能である。ガイアの視差データ(101.47±0.03 mas)によると、太陽系から32.1光年離れた位置に存在する。グリーゼ49は視線速度−6 km/sで太陽に接近している[2]。
この恒星はスペクトル分類がM1.5Vの赤色矮星である[4]。太陽よりもはるかに暗い恒星であり、光度は太陽の4.9%を持っている[4][6]。ただし、プロキシマ・ケンタウリやウォルフ359等の近くに存在する他の赤色矮星よりは、はるかに明るい。有効温度は3805±51ケルビンである。太陽質量の52%、太陽半径の51%を持っている[4]。
自転速度は2km/s以下と予測されており、自転周期は18.86日である。太陽と同様の金属含有量を持ち、金属量は[M / H] = +0.03である[7]。年齢は正確にはわかっていないが、2億5000万年未満である[要出典]。
グリーゼ49は、閃光星の赤色矮星であるカシオペヤ座V388星と同様の固有運動を持っている。グリーゼ49とカシオペヤ座V388星の視覚的な間隔は295秒角である。これは、この2つの恒星の距離が2,900天文単位を超えていることを意味する。両方の恒星は、その若い年齢と彩層活動レベルにより、ヒアデス星団に関連付けられていることを示唆している[8]。
惑星系
1つの既知の太陽系外惑星がグリーゼ49の周囲を公転していることが発見されている。グリーゼ49bは、ドップラー分光法によって検出されたスーパー・アース惑星である[4]。
脚注
注釈
- ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
出典
- ^ Anderson, E.; Francis, Ch. (2012), “XHIP: An extended hipparcos compilation”, Astronomy Letters 38 (5): 331, arXiv:1108.4971, Bibcode: 2012AstL...38..331A, doi:10.1134/S1063773712050015.
- ^ a b c d e f Brown, A. G. A.; et al. (Gaia collaboration) (August 2018). "Gaia Data Release 2: Summary of the contents and survey properties". Astronomy & Astrophysics. 616. A1. arXiv:1804.09365. Bibcode:2018A&A...616A...1G. doi:10.1051/0004-6361/201833051。 Gaia DR2 record for this source at VizieR.
- ^ Brown, A. G. A. (2021). “Gaia Early Data Release 3: Summary of the contents and survey properties”. Astronomy & Astrophysics 649: A1. arXiv:2012.01533. Bibcode: 2021A&A...649A...1G. doi:10.1051/0004-6361/202039657.
- ^ a b c d e f g h i j k l m n Perger, M. et al. (April 2019). “Gliese 49: Activity evolution and detection of a super-Earth”. Astronomy & Astrophysics 624: 19. arXiv:1903.04808. Bibcode: 2019A&A...624A.123P. doi:10.1051/0004-6361/201935192. ISSN 0004-6361. A123.
- ^ "GJ 49". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2019年12月16日閲覧。
- ^ Morales, J. C. et al. (2008). “The effect of activity on stellar temperatures and radii”. アストロノミー・アンド・アストロフィジックス 478 (2): 507–512. arXiv:0711.3523. Bibcode: 2008A&A...478..507M. doi:10.1051/0004-6361:20078324.
- ^ Houdebine, E. R. (2010). “Observation and modelling of main-sequence star chromospheres – XIV. Rotation of dM1 stars”. 王立天文学会月報 407 (3): 1657–1673. Bibcode: 2010MNRAS.407.1657H. doi:10.1111/j.1365-2966.2010.16827.x.
- ^ Makarov, V. V. et al. (2008). “Common Proper Motion Companions to Nearby Stars: Ages and Evolution”. アストロフィジカルジャーナル 687 (1): 566–578. arXiv:0808.3414. Bibcode: 2008ApJ...687..566M. doi:10.1086/591638.