株式会社グリオグルーヴ(英: Griot Groove inc.)は、日本のCG制作会社。映画・テレビ番組・CMにおけるCG・VFX制作を中心に行っている他、自社内チームによる映像制作も行っている。
概要
元々はメディア事業の総合プロデュースを行っていた株式会社グリオを中核とする企業グループだったが[1]、2016年10月にグループ企業のリンダ、アニマロイド、シネグリーオの3社がグリオと合併したことにより、新たに株式会社として発足された。その際、リンダ、アニマロイド、シネグリーオの3社は同社の制作チームとなり、各チームがそれぞれの担当するCG・VFX制作、映像制作を行っている。また、専用スタジオでのモーションキャプチャー収録も行っており、2016年4月にはVR映像の企画開発を手掛ける有限会社エデンを設立している。
社名にある「グリオ」は、西アフリカ地域に暮らす伝統伝達者の呼称で、歴史上の英雄譚や遠方の情報などを音楽に乗せて人々に伝える目的を持つ彼らのように、クリエイターの生み出したイメージを発信する場となることを目指す意味が込められている[2]。
沿革
- 1996年4月1日:株式会社グリオ設立[2]。
- 1997年10月:笹原和也と共に有限会社笹原組を設立[2]。
- 2000年9月:グリオ内にモーションキャプチャー部門「スタジオイブキ」を設立[2]。
- 2002年
- 7月:スタジオイブキを株式会社として法人化[2]。
- 8月:グリオ内にCG制作部門「クリエイティブスタジオLiNDA」を設立[2]。
- 2003年5月:笹原組を増資し、株式会社に組織変更。社名を株式会社アニマに改名[2]。
- 2003年10月:クリエイティブスタジオLiNDAを、有限会社リンダとして法人化[2]。本社を東京都新宿区上落合に置く[3]。
- 2004年
- 7月1日:アニマの子会社として、有限会社アニマロイドを設立[2][4]。
- 11月1日:アニマロイドがアニマより独立[4]。
- 11月10日:グリオ・リンダ・アニマロイド3社の本社を渋谷区神宮前に移転[4]。
- 2005年
- 6月:アニマロイド本社を渋谷区千駄ヶ谷に移転[1]。
- 9月1日:リンダのCM用CG制作部門が独立。リンダの100%出資により有限会社フリーク・ビジョンとして法人化[5]。
- 2007年8月15日:リンダおよびフリーク・ビジョン本社を渋谷区千駄ヶ谷に移転[6][1]。
- 2008年
- 6月:株式会社シネグリーオを設立[2][1]。のちにリンダ、アニマロイド、スタジオイブキと共にグリオを中核とする企業グループとしてのグリオグルーヴが誕生。
- 7月:アニマロイドがスタジオイブキと合併し、株式会社アニマロイドに商号変更[2]。
- 2012年4月:グリオ内に新事業部として企画営業部を設立[7]。
- 2013年6月:アニマロイドの関西圏拠点として、京都府京都市に制作スタジオ「アニマロイドウエスト」を設立[2][7]。
- 2014年11月:グリオ・リンダ・アニマロイド・シネグリーオ4社の本社を、現所在地の千代田区五番町に移転[2][7]。
- 2015年9月:神奈川県鎌倉市にリンダの制作スタジオを設立[2]。
- 2016年
- 4月:有限会社エデンを設立[2]。
- 5月:新宿区上落合に所在していた旧スタジオイブキのモーションキャプチャー収録スタジオを同区西早稲田に移転。同スタジオ内に内設する形でVRスタジオEden Labを設立[2]。
- 10月1日:グリオ、リンダ、アニマロイド、シネグリーオの4社が合併し、株式会社グリオグルーヴとして発足[2]。
- 2018年12月:デザインワーク及びリアルタイムCGに特化した神戸スタジオを開設
- 2021年2月:本社を高田馬場に移転し、株式会社アニマとオフィスシェア及び業務提携
主要取引先
制作チーム
リンダ (LiNDA)
主にテレビCMのCG制作を中心に行うチーム。2002年にCGアーティストの林田宏之により旧株式会社グリオの社内部門「クリエイティブスタジオLiNDA」として設立され[8]、2003年の法人化から合併されるまでは有限会社として独立していた。以前は神奈川県三浦郡葉山町に分室を置いていたが[9]、現在同分室は閉鎖され、同県鎌倉市に制作スタジオを新たに置いている。
CM以外にも、映画、テレビ番組、ミュージックビデオ、ライブ映像、イベント映像などにおいて幅広く制作を行っている。
参加作品
テレビ番組
放送年 |
番組名
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2014年 |
NHKスペシャル「人体 ミクロの大冒険」
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2015年 |
NHKスペシャル 「生命大躍進」
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NHK総合「人類初 目撃! 太陽系の秘境/冥王星&彗星大冒険」
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アニマロイド (animaroid)
主にゲーム内ムービーやアニメ作品のCG制作、モデリング、モーションキャプチャー収録を行うチーム。アニメーション制作会社アニマの子会社として2004年に設立。当初は有限会社だったが、のちに株式会社に組織変更。合併されるまでは独立した会社として存続していた。
京都府京都市に制作スタジオ「アニマロイドウエスト」(animaroid West)を置いており、チーム内にはそれぞれのサービスに特化した下記4つの部門が存在する。
- マナレイスタジオ - ゲーム内映像、映画のCG・VFX制作を行う部門。3ds Maxをメインツールとして使用[14]。
- モデリングの鬼 - 2005年に設立されたモデリング部門。3ds Max、Maya、Softimage XSI、LightWaveなどをツールとして使用しており、独自の育成システム「鬼の寺子屋」によるモデラーの育成も行っている[14]。
- 渦巻モーション - 手付けによるアニメーション制作を行う部門。MotionBuilder(英語版)をメインツールとして使用[14]。
- スタジオイブキ - モーションキャプチャー収録および他社スタジオでの収録データの編集を行う部門[14]。2000年に旧株式会社グリオの一部門として設立され、2008年まで株式会社として独立していた。モーションキャプチャーの収録は西早稲田にあるグリオグルーヴの常設スタジオにて行っている[2][15]。
参加作品
ミュージックビデオ
- きゃりーぱみゅぱみゅ - 「最&高」(モーションキャプチャー収録)[19]
シネグリーオ (cinegriot)
主に映画のVFX制作を行うチーム。2008年に設立され、合併されるまでは株式会社として独立していた。VFX制作以外にも、映画作品の企画・制作や海外セールスを行っている。
参加作品
映画制作
注:*がついているのは、海外セールスも担当した作品。**がついているのは、製作協力として参加した作品。
脚注
注釈
- ^ ムービー制作当時は、「FANTASY EARTH 〜THE RING OF DOMINION〜」というタイトルで運営されていた。
出典
- ^ a b c d “About Us”. 旧株式会社グリオ. 2010年3月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年4月28日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r 会社サイト2017年4月28日閲覧。
- ^ “welcome to studio LINDA”. 旧有限会社リンダ. 2004年3月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年4月28日閲覧。
- ^ a b c “Griot Inc.”. 旧株式会社グリオ. 2005年2月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年4月28日閲覧。
- ^ “Griot Inc.”. 旧株式会社グリオ. 2005年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年4月28日閲覧。
- ^ “Griot Inc.”. 旧株式会社グリオ. 2008年2月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年4月28日閲覧。
- ^ a b c “About Us”. 旧株式会社グリオ. 2015年3月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年4月28日閲覧。
- ^ “Hiroyuki Hayashida Profile”. 旧有限会社リンダ. 2009年6月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年5月3日閲覧。
- ^ “access”. 旧有限会社リンダ. 2013年11月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年5月3日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad “works”. 旧有限会社リンダ. 2009年6月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年5月3日閲覧。
- ^ “WORKS: MUSIC CLIP”. 旧有限会社リンダ. 2011年11月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年5月3日閲覧。
- ^ “WORKS: GAME”. 旧有限会社リンダ. 2011年11月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年5月3日閲覧。
- ^ INOCHIリンダチーム、2017年12月22日閲覧。
- ^ a b c d Serviceアニマロイドチーム、2017年5月3日閲覧。
- ^ スタジオイブキアニマロイドチーム、2017年5月3日閲覧。
- ^ a b c d e “制作実績:映画・TV”. 旧株式会社アニマロイド. 2011年9月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年5月3日閲覧。
- ^ a b c d e f g Works:映画/TV/CMアニマロイドチーム、2017年6月18日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r “制作実績:モーションキャプチャー”. 旧株式会社アニマロイド. 2011年9月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年5月3日閲覧。
- ^ a b Works:その他アニマロイドチーム、2017年5月3日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o “制作実績:ゲーム”. 旧株式会社アニマロイド. 2011年9月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年5月3日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k “Works:ゲーム/遊戯系”. 旧株式会社アニマロイド. 2013年7月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年5月3日閲覧。
- ^ a b c “Works:ゲーム/遊戯系”. 旧株式会社アニマロイド. 2014年11月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年5月4日閲覧。
- ^ a b c d e f “Works”. 旧株式会社シネグリーオ. 2012年11月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年5月4日閲覧。
- ^ “Works”. 旧株式会社シネグリーオ. 2010年6月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年5月4日閲覧。
外部リンク