『キャント・バイ・ア・スリル』(Can't Buy A Thrill)は、アメリカ合衆国のロックバンド、スティーリー・ダンのファーストアルバム。1972年にABCレコードよりリリースされた。
このアルバムは、ヒットチャートで最高17位まで上昇し、プラチナ・ディスクを獲得した。
収録曲のうち「ドゥ・イット・アゲイン」と「リーリン・イン・ジ・イヤーズ」が、シングルチャートでそれぞれ6位、11位に入賞している。
『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・ベストアルバム500』に於いて、168位にランクイン[1]。
概要
アルバム・タイトルの Can't Buy A Thrill は、ボブ・ディランの楽曲「悲しみは果てしなく」(It Takes a Lot to Laugh, It Takes a Train to Cry)(アルバム『追憶のハイウェイ 61』収録)の歌詞から抜粋されたもの。
2チャンネルのノーマル・ステレオ盤と、4チャンネルステレオ・ミックスの2種類がリリースされた。2つのミックスの間には、「リーリン・イン・ジ・イヤーズ」の間奏のリードギター・パートなどいくつかの大きな差がある。
アルバムカバーは、通りで客を待つ売春婦の写真をコラージュしたもの。これはアルバムタイトルに引っかけて選ばれたイメージだが、スペインでは発売禁止になり、バンドの演奏スナップに差し替えられた。
ウォルター・ベッカーとドナルド・フェイゲンは、1976年発表のアルバム『幻想の摩天楼』(ビルが怪物の姿になっているアルバム・カバーのデザイン)再リリースの際、そのライナーノーツで、「(『キャント・バイ・ア・スリル』以外で)1970年代における最も恐ろしいアルバムカバー」とそれを評した。
収録曲
全作曲: Walter BeckerとDonald Fagen。 |
# | タイトル | 作詞 | 作曲・編曲 | 時間 |
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1. | 「ドゥ・イット・アゲイン」(Do It Again) | | Walter BeckerとDonald Fagen | |
2. | 「ダーティ・ワーク」(Dirty Work) | | Walter BeckerとDonald Fagen | |
3. | 「キングス」(Kings) | | Walter BeckerとDonald Fagen | |
4. | 「ミッドナイト・クルーザー」(Midnight Cruiser) | | Walter BeckerとDonald Fagen | |
5. | 「オンリー・ア・フール」(Only a Fool Would Say That) | | Walter BeckerとDonald Fagen | |
6. | 「リーリン・イン・ジ・イヤーズ」(Reelin' in the Years) | | Walter BeckerとDonald Fagen | |
7. | 「ファイア・イン・ザ・ホール」(Fire in the Hole) | | Walter BeckerとDonald Fagen | |
8. | 「ブルックリン」(Brooklyn (Owes the Charmer Under Me)) | | Walter BeckerとDonald Fagen | |
9. | 「チェンジ・オブ・ザ・ガード」(Change of the Guard) | | Walter BeckerとDonald Fagen | |
10. | 「ハートビート・オーバー・アゲイン」(Turn That Heartbeat Over Again) | | Walter BeckerとDonald Fagen | |
合計時間: | |
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レコーディング・メンバー
スティーリー・ダン
スタジオ・ミュージシャン
- ヴィクター・フェルドマン - パーカッション
- エリオット・ランドール - ギター
- ジェローム・リチャードソン - テナーサクソフォーン
- スヌーキー・ヤング - フリューゲルホルン
- ヴェネッタ・フィールズ - バックグラウンドボーカル
- クライディ・キング - バックグラウンドボーカル
- シャーリー・マシューズ - バックグラウンドボーカル
制作
- プロデューサー:ゲイリー・カッツ
- エンジニア:ロジャー・ニコルズ
参考文献
脚注
外部リンク
- Steely Dan - Official Site
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