キヌタソウ
キヌタソウ(砧草、学名:Galium kinuta)は、アカネ科アカネ亜科ヤエムグラ属の多年草[2][3][4]。 特徴根は黄赤色でひげ状になる。茎はあまり枝分かれせず、直立し、高さは30-60cmになり、無毛。葉は4個が輪生し、各輪が隔たって茎につく。葉の質はやや硬く、葉身は長さ2-8cm、幅0.8-2.5cm、披針形または卵形で、先は鋭突頭または尾状に細くとがり、基部に葉柄はなく、縁に上向きの短毛が生える。葉に3本の葉脈が目立ち、脈上にも上向きの短毛が生える。輪生する葉は、対生する本来の2個の葉と、残りの2個の、葉と同形の托葉となる[2][3][4]。 花期は7-9月。茎上部に円錐状の集散花序をつけ、まばらに多数の白色の花をつける。花冠は杯形で、径2.5mm、先は4裂ときに5裂する。雄蕊は4個あり、子房は2室に分かれ、各室に1個の胚珠がある。果実は2個の分果からなり、各分果に1個の種子がある。分果は球形で、表面は平滑で毛はない[2][3][4]。 分布と生育環境日本では、本州、四国、九州に分布し、山地の林縁に生育する[2][3][4]。世界では、中国大陸に分布する[3][4]。 名前の由来和名キヌタソウは「砧草」の意[2]。「砧」とは、本来、布を柔らかくするために叩く台のことをいうが、その布を叩く木槌(横槌)のこともいうこととなったという[5]。「キヌタソウ」は、本種の果実の形をその木槌「砧」に見立てたものと思われるという[4][5]。 種小名(種形容語)kinuta は、「キヌタ」のこと。 学名の変遷本種の学名は、初め、カール・ヨハン・マキシモヴィッチによって Galium boreale var. japonicum Maxim. (1873) とされ、G. boreale エゾキヌタソウ(広義)の変種とされた。その後、牧野富太郎および中井猛之進によって G. japonicum (Maxim.) Makino et Nakai (1908) とされ、独立種として階級移動された[6]。しかし、G. japonicum なる学名は、G. japonicum Makino (1903) があり、クルマムグラにあてられていた。このような混乱から、中井猛之進および原寛によって、G. kinuta Nakai et H.Hara (1933) に改められた[7]。 ギャラリー
下位分類
脚注
参考文献
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