ガールズ・ステップ
『ガールズ・ステップ』は、宇山佳佑の小説、またそれを原作とした日本映画。 あらすじ
主人公の西原あずさは、優柔不断で仲間はずれになるのがいやで、多数に流れてしまいがちな高校3年生。恋心を抱く憧れの先輩池辺保との約束を守るために、ダンス部の部長になる。新年度最初の部活のために練習場に向かうと、ダンス部の落ちこぼれ小沢アキ、貴島美香、岸本環の3人と誰よりもダンスが上手いが協調性のない片瀬愛海の4人しか集まらず、あずさが部長になったことに反発して、友達だと思っていた倉田結衣をはじめとして主力部員が退部してしまう。あずさは結衣から、ダンス部のお荷物、友達とは思っていないと言われてしまい、ショックでその日は残った4人に何も言えず帰宅してしまう。翌日5人で話し合い、いったん廃部にしようとなったが、あずさが強く存続を訴えたため、愛海からダンスのコーチが来てくれれば存続しようと提案があり、あずさが探すことになる。 あずさがたまたま街で世界的に有名なケニー長尾と瓜二つの男に出くわし、男の家まで行ってコーチを依頼する。男は、一卵性双生児の兄ケニー長尾は亡くなっていて、自分は踊れない弟の健次郎だと名乗る。一度はコーチになることを断られるが、あずさがダンス部の4人にケニー長尾がコーチを引きつけてくれたと嘘をついてしまい、あずさの家に居候する条件で健次郎が兄のフリをしてコーチになった。踊れない健次郎と新生ダンス部5人で、コーチの素性がばれそうになりながら、夏の大会に向けた練習が始まる。格段に上手な愛海が、だらしない4人に対して、思い詰めた感じで叱責する場面が多くなる。 そんな中、結衣たちダンス部を退部したグループが、東京でテレビの収録があり、梅雨の時期なので練習場を貸してほしいと言われ、あずさは押し切られてしまう。そのことを愛海たち4人特に愛海から反発され、愛海が練習場から帰ってしまう。その日の練習後、駄菓子屋にあずさ達たち4人が立ち寄り、改めてダンス部に入部した理由などを聞くことになり、あずさは結衣たちといっしょに他の部員たちを馬鹿にしていたことに気付く。その後、結衣たちのグループが約束よりもはやく練習場を使わせほしいとあずさたちがいる練習場に来るが、あずさはいったんは押し切られそうになりながらも、「わたしたちの居場所だから」[1]と断る。このことで少しだけ離れていた5人の気持ちがつながり、和気藹々とダンスに打ち込むことができるようになり、大会をむかえる。しかし、大会前日、あずさが憧れの先輩池辺と愛海がいっしょにいる現場を目撃してしまい、当日気持ちが集中できずにダンスは散々な結果になってしまう。 落ち込むあずさが健次郎と言い争う中で、健次郎が偽物だと他の部員にばれてしまう。そのことをあずさは愛海たち4人に謝ることができないままに夏休みが過ぎ、健次郎はあずさの家を出ることになる。ばらばらになってしまった5人をよそに、有名になっている結衣たちのグループが、ダンス部の練習場で練習している。あずさは大会以降話しができていない4人にメールなどを送り、家庭の事情がありながらもひたむきにダンスに向き合う愛海や他の3人の思いにふれて、自分のためだけに踊るのではなくて、みんなと一緒に踊りたいという気持ちで、また5人がひとつになってダンスに向き合うようになる。 そんな中、あずさの高校でケニー長尾の復活ライブ開催を告知するポスターを目にし、出演者に高校ダンス部の名前があることに驚く。健次郎が役場に勤めるあずさの父親にかけあい、ダンス部を交えたライブを企画してくれたことを知る。ダンス部5人がそれぞれの得意分野を活かして、ライブに向けて練習を開始する。ライブ当日、健次郎からケニー長尾本人だと告げられ、けがのために上手く踊れない中で、ダンスに向き合うケニーをみながら、あずさたちは失敗してもみんなで楽しく踊れることが大切という思いを抱いて舞台にむかう。 登場人物
映画
2015年9月12日劇場公開。E-girlsのパフォーマーを務める石井杏奈は本作が映画初主演[2]、GENERATIONS from EXILE TRIBEが主題歌を担当する[3]。映画プロジューサーが『「友情」「夢」「強さ」という映画のテーマをストレートに伝えられる楽曲だと思い』、主題歌に起用された[4]。 文部科学省とのタイアップ企画により、スポーツ庁発足の周知を目的としたタイアップポスターが制作され、全国の中学校・高等学校やダンス教室へ配布された[5]。法務省が映画と連携した人権擁護ポスターを作成[6]。 映画のストーリー主人公の西原あずさは、幼いころにいじめられたトラウマから、誰に対しても調子よく接してしまう高校2年生。チア部のキャプテンであずさとクラスメイトの倉田結衣たちといっしょに過ごしている。必修科目であるダンスのテストを欠席したあずさは、単位を取得するために、根暗なスマホ中毒の片瀬愛海、ぶりっ子で勘違い女子の小沢葉月、のろまなガリ勉岸本環、ヤンキーの貴島美香の通称ジミーズ4人といっしょにダンスで町のイベントに出ることになった。コーチとしてやってきたケニー長尾の指導のもと、ダンス経験のないあずさら5人で練習する中で、イベントでのパフォーマンスは散々だったが、友達といっしょにやるダンスの楽しさに目覚める。 イベント終了後に立ち寄った美香の恋人・大久保慶太のお店で、ダンスの感想などで盛り上がっている中「全日本高校生ダンス選手権」のチラシをみて、自分たちも目指すことにする。体育教師の藤原先生に相談すると、体育館を継続的に使うには部活動でないといけないことがわかり、藤原先生に顧問になってもらいダンス部を結成する。藤原先生からダンスは専門外だからコーチが必要といわれ、イベント終了後に名刺をもらっていたケニー長尾のダンス教室に向かい、5人のお小遣いを集めたものを渡しコーチになってもらう。当初、環は学業成績が気になり、部には参加しなかったが、ダンスをしている4人を見て、母親に直談判して入部する。 ダンス部の活動が始まるが、体育館での練習場所などで優勝を目指しているチア部とたびたびぶつかることがあり、あずさは結衣たちに自分たちダンス部のことを主張できずにいた。そんなあずさを少し不満に思っている4人であったが、練習中にチア部とダンス部のメンバーがぶつかってしまうという事故がおきる。そのことで、あずさは結衣たちと距離をおかれることになり、結衣たちとの仲を修復しようとしてダンス部の練習に出なかったりして、4人との関係もぎこちなくなってしまう。最後には、環ひとりだけがケニーとの練習に参加するようになり、休部状態になる。 幼なじみの池辺保から助言を受けたりしながら、4人それぞれの家庭の事情やダンスへの思いに触れることで、改めて、5人で大会に向けてダンスに向き合うことを誓う。ダンスに真摯に向き合う5人をみて、結衣たちも大会直前には練習場所を譲ったり、見栄えする化粧方法を教えたりと応援してくれるようになる。大会当日は錚々たるグループの中で、自分たちのダンスを踊りきり、それぞれが次のステップに一歩踏み出すことになる。 原作との主な相違点原作とは、主要な登場人物や女子高生が周りの友達関係に悩みながらダンスに出会い、次のステップに踏み出すという物語の基本部分は同じであるが、登場人物の人物設定や物語の詳細は異なる。 川村監督は、ダンスの授業が必修化した経緯や女子高生のことを取材する中で、物語やキャラクターに落とし込んでいった[7]。 映画の登場人物
キャスト→メインキャストについては「§ 映画の登場人物」を参照
スタッフ
主なロケ地関連商品
受賞書誌情報
脚注
参考文献
外部リンク
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