ガーヤトリー・マントラ
ガーヤトリー・マントラ(Gāyatrī Mantra。ガヤトリーマントラ、ガヤトリマントラとも)は、ヒンドゥー教における最高峰のマントラとされ、ヴェーダ聖典のエッセンスすべてを含むと言われている古いマントラのことである。 概要この詩節はもともと『リグ・ヴェーダ』3.62.10 に現れる、太陽神サヴィトリ(Savitṛ)への賛歌である。「ガーヤトリー」とはこの賛歌で使われている韻律で、8音節の句を3つ並べたものをいう。『リグ・ヴェーダ』でもっとも有名な詩節であり[1]、サヴィトリ神への賛歌であるために「サーヴィトリー」とも、また韻律から「ガーヤトリー」とも呼ばれる。『バガヴァッド・ギーター』10.35 では、クリシュナが自分がもっとも優れたものであることを表現して「聖句のうちでは私はガーヤトリーである(gāyatrī chandasām aham)」と言っている。 この詩節を唱えることはバラモンのドヴィジャ(師につくことによる第二の誕生)の儀式にはじまる学生期間においてとりわけ重要であり、師が父、ガーヤトリーが母とみなされる[2]。 本来は自分の思考にサヴィトリ神が影響を与えるように願う文句であるが、神秘的な解釈が行われた。『サーヴィトリー・ウパニシャッド』(英語)では世界を構成する物をサヴィトリ(男性)とサーヴィトリー(女性)に二分し、両者の交感によって万物が生成されるとした。そして聖音オームと3つの発声(bhūr, bhuvaḥ, svar)に続けてサーヴィトリー詩節を唱えるとしている[3]。 のちにガーヤトリーはそれ自体が神格化されて女神であると考えるようになった。女神としてのガーヤトリーは通常5つの頭を持つ[4]。 なお、仏典(スッタ・ニパータ3章)にもサーヴィトリー詩節について述べられている箇所があるが、これは同じ音節数(8音節3句)をもつ三帰依文を指すのだという[5]。 マントラ
基本的にはこのようなものである。また、カタカナによる発音表記[6]や意味は文献により異なる。 デーヴァナーガリー文字とラテン文字(IAST)での表記は以下のようになる。
出版物音源
書籍
脚注
参考文献
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