カニチドリ(蟹千鳥、Dromas ardeola)は、チドリ目カニチドリ科カニチドリ属に分類される鳥類。本種のみでカニチドリ科カニチドリ属を構成する(単型)。
分布
アフリカ大陸東部、ユーラシア大陸南部、スリランカ、マダガスカルのインド洋沿岸部。
形態
全長38-41cm[1]。全身は白、背中は黒い羽毛で覆われる。初列風切の色彩は黒い。[2]
嘴は頑丈でがっしりしており、甲殻類の硬い殻も噛み砕くことができる。嘴の色彩は黒い。後肢は長い。[1]
卵は白い無地の殻で覆われる。[3]
生態
海岸、干潟、環礁、河口などに生息する。20羽以上の群れを形成して生活する。夜行性。
食性は動物食で、主に甲殻類を食べるが、軟体動物、ゴカイなども食べる。
繁殖形態は卵生。集団繁殖地(コロニー)を形成する。珊瑚礁の砂地に最大200cmに達する横穴を掘り、1回に1個(まれに2個)の卵を産む。雛は成長するまで巣に留まり、親から生きたカニをもらって育つ。[1][3]
系統
Baker et al. (2007)[4]; Pereira & Baker (2010)[5]より。
カニチドリの系統位置は長く論争があったが、ツバメチドリ科に近縁だと判明した[5]。
ギャラリー
出典
- ^ a b c クリストファー・M・ペリンズ監修・山岸哲日本語版監修『世界鳥類事典』同朋舎,1996年,136頁, ISBN 4-8104-1153-2
- ^ バードライフ・インターナショナル総監修, 山岸哲日本語版総監修 『世界鳥類大図鑑』ネコ・パブリッシング,2009年,220頁 ISBN 978-4777052424
- ^ a b マイケル・ウォルターズ著・山岸哲監修『世界「鳥の卵」図鑑』新樹社,2006年,103頁, ISBN 4-7875-8553-3
- ^ Baker, Allan J.; Pereira, Sérgio L.; Paton, Tara A. (2007), “Phylogenetic relationships and divergence times of Charadriiformes genera: multigene evidence for the Cretaceous origin of at least 14 clades of shorebirds”, Biol Lett. 3 (2): 205–209, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2375939/
- ^ a b Pereira, Sergio L.; Baker, Allan J. (2010), “The enigmatic monotypic crab plover Dromas ardeola is closely related to pratincoles and coursers (Aves, Charadriiformes, Glareolidae)”, Genetics and Molecular Biology 33 (3): 583-586, http://www.scielo.br/pdf/gmb/v33n3/33.pdf
参考文献
外部リンク
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