カッサーノ・ダッダ (Cassano d'Adda )は、イタリア共和国 ロンバルディア州 ミラノ県 にある、人口約1万9000人の基礎自治体 (コムーネ )である。
ミラノ の東約30kmに位置し、アッダ川 を渡渉する戦略的に重要な地点であることから、カッサーノでは多くの戦いが繰り広げられてきた。最も有名な「カッサーノの戦い」 (Battle of Cassano d'Adda ) は、1799年のものである。
名称
地元の方言では Casàn と呼ばれる。
地理
位置・広がり
カッサーノ・ダッダはミラノ県 の東部、アッダ川 のほとりに位置する。ベルガモ から南西へ約23km、ローディ から北へ約24km、州都・県都ミラノ から東北東へ約27km、ブレシア から西へ約55kmの距離にある。アッダ川はベルガモ県 との境界となっており、川を隔てて東へ約6kmの距離にトレヴィーリオ の市街がある。市域南東部はアッダ川東岸(ジェーラ・ダッダ (イタリア語版 ) 地方)にも広がっており、市域の南部でわずかにクレモナ県 と接している。
隣接コムーネ
隣接するコムーネは以下の通り。
地勢・地形
市域には人工の運河が二つある。北部にはアッダ川とミラノとを結ぶマルテザーナ運河 (it:Naviglio della Martesana ) があり、グロペッロ・ダッダ地区を流れている。また、南部にはアッダ川とローディとを結ぶムッツァ運河 (it:Canale della Muzza ) が流れる。
地震分類
イタリアの地震リスク階級 (it ) では、3 に分類される
[ 5] 。
主要な集落
カッサーノ・ダッダ (Cassano d'Adda )の中心市街は、アッダ川右岸(西岸)に位置する。市街の北にはグロペッロ・ダッダ (Groppello d'Adda )という地区があり、その市街地はカッサーノ中心市街と一体化しているが、分離集落 (フラツィオーネ)としての地位を持つ。
アッダ川左岸(東岸)には、カッサーノの対岸にカーシナ・タランタ (Cascina Taranta )の集落がある。また、中心市街から約2.6km離れてカシーネ・サン・ピエトロ (Cascine San Pietro )の集落があり、カジラーテ・ダッダ のチオッフィ地区と連担している。
秋のカッサーノ
ボロメオ城
グロペッロとマルテザーナ運河
カシーネ・サン・ピエトロ
歴史
ヴィッラ・ボロメオ
カッサーノ・ダッダがはじめて文書に登場するのは、887年 のことである。
この都市が成立する以前の268年 、ローマ皇帝ガッリエヌス は、皇帝僭称者アウレオルス (Aureolus ) の軍勢をこの付近の橋の近くで打ち破るが、その後殺害されている。
1000年頃には、アッダ川のほとりにボロメオ城が築かれた。
1158年、神聖ローマ皇帝 フリードリヒ1世 はミラノ軍とカッサーノで戦っている。
1259年、教皇派 (ゲルフ)の同盟軍が、この地で皇帝派(ギベリン)と戦った (Battle of Cassano (1259) ) 。
1705年 には、スペイン継承戦争 の一環としてフランス とオーストリア が戦い、フランスのヴァンドーム公ルイ・ジョゼフ・ド・ブルボン がオーストリアのオイゲン・フォン・ザヴォイエン を打ち破っている(カッサーノの戦い )。
1799年、フランス革命戦争 の中でフランス軍とロシア軍が戦った。スヴォーロフ 率いるロシア軍は、モロー 率いるフランス軍を打ち破っている (Battle of Cassano (1799) ) 。
人口
居住地区別人口
国立統計研究所 (ISTAT)によれば、2001年国勢調査時点での居住地区(Località abitata )別の人口は以下の通り[ 3] 。
地区名
標高
人口
備考
CASSANO D'ADDA
105/153
16,665
CASCINE SAN PIETRO
115
841
カジラーテ・ダッダ の Cioffi 地区に連続
CASSANO D'ADDA *
133
15,430
Cascina Seriole
111
15
Cascina Taranta
122
115
Case Sparse
-
264
La Lanca
123/125
-
ファーラ・ジェーラ・ダッダ との境界未画定地域
ISTATは人口統計上、家屋密度の高い centro abitato (居住の中心地区)、密度の低い nucleo abitato (居住の核となる地区)、まとまった居住地区を形成していない case sparse (散在家屋)の区分を用いている。上の表で地名がすべて大文字で示されているものが centro abitato である。「*」印が付されているのは、コムーネの役場・役所 la casa comunale の置かれている地区である。
コムーネではカッサーノ、カシーネ・サン・ピエトロ、グロペッロの3区分で人口統計を出している。これによれば2011年12月31日時点の人口は以下の通り[ 6] 。
地区名
人口
Cassano
14,354
Cascine San Pietro
1,069
Groppello
3,365
合計
18,788
人口推移
交通
カッサーノ・ダッダ駅
鉄道
ミラノとヴェネツィアを結ぶミラノ=ヴェネツィア線が走っており、カッサーノ・ダッダ駅がある。カッサーノ・ダッダ駅は、ミラノとトレヴィーリオとを結ぶ鉄道の駅として1846年に開業した駅である。
この路線はミラノ近郊鉄道 に組み込まれており、運行系統としてはS5線 (ヴァレーゼ - ミラノ - トレヴィーリオ)およびS6線 (ノヴァーラ - ミラノ - トレヴィーリオ)の一部である。
道路
主要な道路としては、県道 SP11号線(SP ex SS 11)がコムーネを東西に貫いている。この路線はトリノとヴェネツィアを結ぶ国道SS11号線 (it:Strada statale 11 Padana Superiore ) の一部を構成する。
人物
著名な出身者
脚注
外部リンク