カセットテープデッキ正式名称でカセットテープデッキ、通常略してカセットデッキ(英:cassette deck)と呼ばれるのは、カセットテープの録音・再生装置である[1]。 カセットデッキは通常、他の音響機器と接続して使う。カセットテープデッキにはスピーカーが含まれない。 再生時はカセットデッキの出力端子とアンプ(増幅装置)の入力端子をケーブルで接続し、アンプにさらにスピーカーなどを接続して音を聴いたり、あるいはカセットデッキのヘッドフォン用出力端子にヘッドフォンのプラグを挿して音を聴く。録音時にはカセットデッキの入力端子と、FM/AMチューナーやCDプレーヤーやレコードプレーヤーなどの出力端子をケーブルで接続するのが一般的で、あるいは入力端子にマイクロフォンからの出力を接続する。 オランダのフィリップスが提唱・開発したコンパクトカセットの規格のものが最も普及し一般的で、特に断らないとそれを指していることが多いが、他のオープンリールのデッキやエルカセットのテープデッキと比較する文章などでは、それを明確に指すためにコンパクトカセットデッキと言うことがある。また、エルカセットのテープデッキだけを明確に指すにはエルカセットデッキと、DAT(デジタルオーディオテープ)のテープデッキだけを明確に指すにはDATデッキとそれぞれ言う。以下、一般的なコンパクトカセットデッキを中心に説明する。 カセットデッキの基本構造カセットデッキの基本構造に不可欠な部品は次のとおりである[2]。
歴史カセットテープがオランダのフィリップスで開発されたのは1960年代初頭のことだった。コンパクトカセットデッキはオープンリール式のオープンデッキと比べるとテープスピードやトラック幅などでハンディキャップを負っていたにもかかわらず、1980年ころにはハイファイステレオの一装置として広く普及した状態になっていたが、それはカセットテープがオープンリールに比べて扱い易い性質を備えていただけでなく、メーカーによって性能向上の努力が続けられハイファイ機器としての性能を満たすようになったからであった[3]。カセットデッキに1980年ころまでに導入された技術の中で重要なものにはダイレクトドライブモータ(DD motor)、2キャプスタン(クローズドループ・デュアルキャプスタン)メカによるテープ走行特性の改善、3ヘッド化(3ヘッドとは消去ヘッド、録音ヘッド、再生ヘッドが、それぞれ独立しているヘッド方式[4])、ドルビーノイズリダクションやANRS、dbxなどに見られる電気系のノイズリダクション、オートバイアスやオートイコライザによる伝送特性の向上などを挙げることができる[3]。またそれに加えてカセットテープメーカー側の努力でハイポジションテープ(かつてのクロムポジションテープ相当、IEC TYPE II)やメタルポジションテープ(IEC TYPE IV)など磁性体の改良が行われたことも挙げられる[3]。これらの技術的な進化によりカセットデッキの音響性能が進歩したことも普及に役立ったのである[3]。 脚注注釈出典
関連項目外部リンク
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