オスタップ・スリヴィンスキー
オスタップ・スリヴィンスキー (ウクライナ語:Остап Сливинський; ロシア語: Остап Сливинский; 英語:Ostap Slyvynsky, 1978年10月14日 - ) は、ウクライナの詩人、エッセイスト、翻訳家、文芸評論家、研究者である[1]。詩集をいくつか出版し、国内外の文学賞を受賞している。また海外の小説をいくつもウクライナ語に翻訳している[2]。ウクライナ・カトリック大学准教授、ペン・ウクライナ副代表[3]。 経歴スリヴィンスキーはウクライナのリヴィウで生まれた[2]。2007年にリヴィウ大学スラブ言語文学研究所で博士課程を修了した[4]。彼の博士論文「沈黙の現象」は、1960年代から1990年代にかけてのブルガリア人作家の作品を分析したものである[4]。 詩作と並行して、スリヴィンスキーはさまざまな出版物にも寄稿し、現代文学やベラルーシ文学のアンソロジーを編纂している[5]。彼はまた文芸雑誌『レーダー』の編集者でもある[4]。リヴィウ大学でポーランド語とポーランド文学も講じている[1][6]。2006年と2007年には同大学で開催された国際文学祭の企画運営にも携わった[5]。 スリヴィンスキーはリヴィウに住んでいる。ウクライナ・カトリック大学文芸学科准教授で、中東欧文学・比較文学を教えている[3]。 作品2009年までに、スリヴィンスキーは4冊の詩集を出版し、それらは全て11の言語に翻訳された[4]。彼の詩のスタイルは不安定で、連想やイメージだけでなく言語や歴史や政治を反映している[4]。彼の詩はアントニッチ文学賞(1997年)、ヒューバート・ブルダ賞(2009年)、コヴァリフ基金賞(2013年)を受賞している[1][2][6]。 スリヴィンスキーが翻訳した本の著者には、チェスワフ・ミウォシュ、ハンナ・クラル、アンジェイ・スタシュク、オルガ・トカルチュク、ミコライ・ロジンスキー、イグナシー・カルポヴィッツ、デレック・ウォルコット、ウィリアム・カーロス・ウィリアムズ、ジェームス・テイト、そしてゲオルギ・ゴスポディノフがいる[7]。彼の翻訳はウクライナ政府に表彰され、2014年にはポーランド文化功労勲章を受章した[7]。 作曲家ボダン・セヒンと共に、スリヴィンスキーは2015年にメディア・パフォーマンス「準備」を上演したが、これはウクライナ東部の犠牲者に捧げられている[8]。 2020年4月から8月にかけて行われた、世界48か国の詩人によるパンデミック時代の連歌に参加した[9]。 ロシアのウクライナ侵攻に伴う避難者の証言を聞きとり、2023年5月に文芸ドキュメント「戦争語彙集」を出版。同年12月日本文学研究者ロバート・キャンベルが現地を訪ねた記録とともに、日本語翻訳版を出版。 詩
翻訳
アンソロジー
脚注
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