オオカミウオ科
オオカミウオ科(学名:Anarhichadidae)は、スズキ目ゲンゲ亜目に所属する魚類の分類群の一つ。2属からなり、オオカミウオなど寒冷な海に生息する底生魚のみ5種が含まれる[1]。 分布・生態オオカミウオ科の魚類はすべて海水魚で、北部太平洋あるいは北部大西洋の冷たい海に分布する[1]。沿岸の浅い海から、やや深みにかけての海底で生活する底生魚の一群である。所属する5種のうち3種は大西洋産で、北アメリカやヨーロッパにおいて重要な水産資源となっている[2]。残る2種のうち、オオカミウオ Anarhichas orientalis のみが日本の近海にも生息する[2]。 肉食性で、貝類・ウニ・頭足類を主に捕食する。卵は雄あるいは雌によって保護される[2]。 形態オオカミウオ科の仲間は左右にやや平たく側扁した、細長い体型をもつ。顎の前方には円錐状の鋭い犬歯を、後方には大きな臼歯を備え、貝類など硬い獲物を噛み砕くことが可能になっている[1]。よく発達した頭部に比べ尾部は貧弱で、先細りの体をしていることが多い[2]。 Anarrhichthys 属に含まれる唯一の種であるウルフイール(A. ocellatus)はウナギのように著しく細長く成長し、最大で2.5mに達するなど、オオカミウオ属との形態学的差異が大きい[1][3]。 背鰭の基底は長く、柔軟な棘条のみで構成され、軟条を欠く[1]。棘条はオオカミウオ属では69-88本、Anarrhichthys 属では218-250本[3]。大きな胸鰭をもつ一方で腹鰭はなく、支持骨格のみが残存する[1]。臀鰭は42-55本(オオカミウオ属)あるいは180-233本(Anarrhichthys 属)の軟条からなり、後者では1本の棘条をもつ場合がある[3]。尾鰭は小さく、オオカミウオ属では背鰭・臀鰭と連続しない。椎骨は通常72-89個で、Anarrhichthys 属のみ250個を超える[1]。 鱗はないか、ごく微小な円鱗をもつのみ[1]。側線の発達は悪く、浮き袋はもたない[3]。両側の鰓膜は峡部で互いに接触する[1]。 分類オオカミウオ科には2属5種が記載される[1]。 出典・脚注参考文献
外部リンク
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