「エミー」(Emmie)は、ローラ・ニーロが作詞作曲した楽曲。1968年3月13日発売のセカンド・アルバム『イーライと13番目の懺悔』に収録された[1]。2002年リマスター盤に本作品のデモ・バージョンが収録されている。
評価
ローラ・ニーロの伝記『Soul Picnic: The Music and Passion of Laura Nyro』(2002年)の著者であるミシェル・コートは、ニーロが亡くなった年の翌年、「Remembrance Laura Nyro (1947-1997)」と題する文章を雑誌に寄稿した。その中で次のように述べている。
これまでに最も愛されたニーロの作品の一つは女性についての曲だった。"エミー" に向けて彼女は歌った。「あなたは私の友/そして私が愛した人」。歌詞の受け取り方は人による。「エミー」はおそらくは単純に友情の讃歌であり、間接的な観察の結果を述べたにすぎない作品なのだろう。にもかかわらず、多くのうら若き
レズビアン、
ゲイの人々はこの曲をポップ・ミュージックにおける最初の
同性愛の歌だと考えた。
1997年10月27日、ニューヨークのビーコン・シアターでニーロのトリビュート・コンサートが行われた。コンサートでソングライター、音楽プロデューサーのデズモンド・チャイルドは「エミー」から同性愛的なエロチシズムを感じたことを述べ、それが自らの性的指向を自覚するのにどれだけ助けになったかを語った。また、サンドラ・バーンハードやトシ・レーガンを含む何人かの女性の出演者もこの曲から受けた影響を語った[2]。
ニーロは両性愛者であった。出産と離婚を経験したのち、1980年代の初めから画家のマリア・デシデリオと暮らし始め、デシデリオとのパートナーシップはニーロが死ぬまで続いた[3]。ニーロの意図するものではなかったにしろ、「エミー」を「レズビアン・アンセム」の一種と考える人は多い[4]。
ライブ・バージョン
カバー・バージョン
- ロイ・エアーズ - 1969年のアルバム『Daddy Bug』に収録。
- フランキー・ヴァリ - 1970年のアルバム『Half & Half』に収録。
- ロニー・ダイソン - 1970年のアルバム『(If You Let Me Make Love To You Then) Why Can't I Touch You?』に収録。
- マーク・ウィンクラー - 2013年のアルバム『The Laura Nyro Project』に収録。
脚注
- ^ a b Kort, Michele (April 3, 2002). Soul Picnic: The Music and Passion of Laura Nyro. New York City: Thomas Dunne Books. ISBN 978-0312209414
- ^ Kort, Michele (January 20, 1998). “Remembrance Laura Nyro (1947-1997)”. The Advocate: 80-81.
- ^ Sontag, Deborah (October 26, 1997). “POP/JAZZ; An Enigma Wrapped in Songs”. The New York Times. https://www.nytimes.com/1997/10/26/arts/pop-jazz-an-enigma-wrapped-in-songs.html?mcubz=3 September 26, 2017閲覧。
- ^ Kort, Michele (April 30, 2002). “Laura's Legacy”. The Advocate: 58-59.
- ^ Laura Nyro - Live At Carnegie Hall (CD, Album) at Discogs
- ^ Laura Nyro - Laura Nyro Live At The Bottom Line (Vinyl, LP, Album) at Discogs
- ^ Laura Nyro - Live / The Loom's Desire (CD, Album) at Discogs