エッセン市電M8形電車
M8形は、ドイツ・エッセンの路面電車であるエッセン市電に在籍する車両。路線の近代化や高規格化(シュタットバーン化)を目的に1970年代から1990年代初頭まで長期に渡って導入が実施され、制御方式が異なる3種類の車両が導入された。一部車両は廃車後に他都市への譲渡が行われている[1][2][3][4][5]。 概要1970年代初頭、路面電車の高規格化(シュタットバーン化)を進めていた、エッセンを含むルール地方各都市の路面電車運営事業者は、従来の路面電車区間と高規格のシュタットバーン区間の双方で使用可能な新型車両の開発を共同で進めていた。その成果として、デュッセルドルフのデュッセルドルフ車両製造(デュワグ)が製造・展開したのがM/N形電車である。同社が従来展開していた路面電車車両(デュワグカー、マンハイム形)と比較して角ばった車体や大型化した窓などが外見上の特徴で、車内の座席配置も快適性を重視したレイアウトとなっている。また、これらの車両は両運転台式であり、ループ線が存在しない系統や路線でも使用が可能となっている[2][5][6]。 当時の西ドイツ各地の路面電車路線に導入されたM形のうち、エッセン市電に導入されたのは3車体連接車のM8形で、他都市に先駆けて1975年12月に最初の車両となる1001が納入され、試運転を経て翌1976年春季から営業運転を開始した。以降、1990年までエッセン市電には以下の車両の導入が実施された。この一連の車両は既存の車両と比べ車体の幅が広い事から一部の区間において施設の対応工事が行われ、全ての系統での使用可能となったのは1985年であった[1][2][3][4][5]。
廃車・譲渡事故による廃車を除き、長期に渡って主力車両として使用されていたM8形であったが、2000年代以降超低床電車(フレキシティ・クラシック)の導入に伴う本格的な廃車が進められている。多くの車両は解体されたが、一方でドイツ国内外の他都市への譲渡も積極的に実施されている。下記の都市以外にも2005年にウッチ市電(ポーランド:ウッチ)で1両が2005年から2006年にかけて試用されたが正式な譲渡には至らず、2012年に解体されている[1][7][4]。
脚注注釈出典
参考資料
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