ウェブログズウェブログズ(英語:Weblogs, Inc)とは、かつて存在したアメリカ合衆国のオンラインメディア企業(ブログパブリッシャー)である。現在はAOLの一部として、ブログネットワークを形成している。傘下にはEngadgetなどの有力なメディアを抱えている。 歴史前史ジェイソン・カラカニスは1990年代後半に、ニューヨークでIT業界向けの雑誌「シリコン・アレー・レポーター」を作っていた。手作りの冊子から始まった雑誌はインターネット・バブルと共に成功したが、その後バブルは崩壊した[1]。 設立2003年10月、カラカニスはブライアン・アルベイ(Brian Alvey)と共にマーク・キューバンの投資を得てウェブログズを設立した。ウェブログズはプロのブロガーを雇ってブログを使ったメディアを沢山作る一方で、ブログシステムや広告・渉外は一本化して利益を得るというアイデアを打ち出した[1]。しかし、当時のブログはあくまで趣味として書くものであり、懐疑的な声が多く[2]、同業他社のゴーカー・メディアも大成功の確信は持っていなかった。しかし結局このアイデアは成功し、ブログ・パブリッシャーと呼ばれる企業ジャンルが確立した[3]。 ウェブログズは多くのメディアを作って、ブログネットワークを形成した。なかでも2004年に始まったエンガジェットは人気を博し、2004年と2005年の二年連続で「Best Tech Blog賞」を受賞した[4][5]。これはガジェットを紹介するブログで、ゴーカー・メディアでギズモードを成功させたピーター・ロハス(Peter Rojas)が執筆した。 ウェブログズでは、この他にも自動車ブログの「Autoblog」やビデオゲームを紹介する「Joystiq」などが人気で、2005年には100人以上のブロガーを雇って85カテゴリのブログを運営するようになっていた[6]。当時のユニークビジターは170万人/月(2005年10月)、ページビューは650万/月、年間収益は600万ドル(推定)に及び[7]、エンガジェット日本語版も始まった(6月)[8]。 買収この成功に目をつけたのがポータルサイト大手のAOLである。ちょうどこの頃、アメリカのインターネット広告は急成長を遂げていた。広告をつける為のコンテンツが求められており[9]、ブログもその1つだった。GoogleやYahoo!などは既にブログに力を入れており、AOLも対抗する必要があった[10]。2005年10月、AOLはウェブログズを2500万ドルで買収し[6]、AOL.comに組み込んだ。 カラカニスは1年後の2006年11月に社内の政変に抗議して退職したが[1]、ウェブログズは成長を続け、世界進出も果たした。2008年のユニークビジターは全世界で3200万人/月(2008年8月)、ページビューは1億8700万/月、不況下にもかかわらず年間収益は3000万ドル(推定)となった[7]。 ブログ一覧
脚注
外部リンク |