歌詞は、ボノが1986年にコート・ダジュールを訪れた時に書いたもので、その意味については諸説あった。しかし、本人は「U2 By U2」において、ロックスターの生活と普通の家庭生活の板挟みになって悩んでいた、当時の心境を綴ったとのこと。この際、ボノの念頭にあった典型的なロックスターの生活とは、ザ・ポーグスのヴォーカル・シェイン・マガウアンだった。だが、歌詞を書きながらボノはこの2つの生活の間の緊張を生きることこそが、アーチスト的な人生だと悟ったという。
「With or Without You」は、U2の代表曲となるとともにロックのスタンダード・ナンバーとなり、The Mission UKの「Butterfly on a Wheel」、イギー・ポップの「Beside You」、CHAGE and ASKAの「この愛のために」、リンキン・パークの「Shadow of the Day」、アリシア・キーズの「No One」など亜流ともいえる曲を沢山生んだ。
ライブ
「With or Without You」は1987年4月4日、Joshua Tree Tourの2回目の公演において初めてライブで演奏され、同ツアーの残りの日程でもレギュラーとして演奏された。1989年のLovetown Tourでもほとんどの公演において演奏された。これらのツアーにおいて、スタジオ版には無い2つの追加パートが演奏された: 一つは『魂の叫び』(映画)にも収録されている「We'll shine like stars in the summer night/We'll shine like stars in the winter light/One heart, one hope, one love」又はこれを改変した歌詞を歌う追加のヴァースで、もう一つはジョイ・ディヴィジョンの「Love Will Tear Us Apart」からの断片を歌うもので、こちらは「Live from Paris」で聴くことができる。POPMART TOUR以降、ボノは曲のクライマックスで「Ohh」を繰り返すことが多くなった(稀に「shine like stars」のヴァースも歌われる)。
「With or Without You」はZoo TV Tourのほとんどの公演とPOPMART TOURの全ての公演で演奏された。Elevation Tourの第3レグではセットリストから漏れた。Vertigo Tourでは当初は稀にしか演奏されなかった - 2ヶ月にわたる同ツアーの第1レグにおいてこの曲が演奏されたのは4回だけである[3]。欧州での第2レグでのスタジアムコンサートではレギュラー曲となり、第3レグのセットリストにも残った。U2 360° Tourでも毎晩演奏され、時々「shine like stars」のコーダも歌われた[4]。Innocence + Experience Tourでは本編の最後の曲として毎回演奏され、ここでも「shine like stars」のコーダがしばしば歌われた。
ライブ・パフォーマンスは『Zoo TV: Live from Sydney』、『PopMart: Live from Mexico City』、『Elevation 2001: Live from Boston』、『U2 Go Home: Live from Slane Castle』、『Vertigo 05: Live from Milan』、『U2 3D』、『U2 360° at the Rose Bowl』にも収録されている。