アルゴンキン語派[1](アルゴンキンごは、またはアルゴンキアン語派[2]、英: Algonquian languages)は、アルギック語族[3]に属し、アメリカ・インディアンのアルゴンキン族によって話される語派である。アメリカ合衆国北部およびカナダの、ロッキー山脈から東海岸に至るまでの広い範囲で話されていた。共通の祖語から発展したと考えられており、祖語は(場所はわからないが)少なくとも3千年前に話されていたとされる。
アルゴンキン語 (Algonquin language) というのはこの語派の中の1つの言語であり、語派のことではない。
分類
アルゴンキン諸語は、大きく大平原・中央・東部の3語群に分けられ、さらに27ほどの言語(それぞれ多くの方言を含む)に分けられているが、分類に関しては議論がある。
A. 中央・平原語群
- I. 平原アルゴンキン語群(英語版)(Plains)
- 1. ブラックフット語(Blackfoot) - ブラックフット族
- 2. アラパホ語族(英語版)(Arapahoan)
- 3. シャイアン語(Cheyenne) - シャイアン族
- II. 中央アルゴンキン語群(英語版)(Central)
- 4. クリー語(Cree) - クリー族
- 5. メノミニー語(英語版)(Menominee)
- 6. オジブワ語(オジブエ語)Ojibwa(オタワ語(英語版)、アルゴンキン語など) - オジブワ族、オタワ族、アルゴンキン族(英語版)
- 7. ポタワトミ語(英語版)(Potawatomi)
- 8. フォックス語(英語版)(Fox)- メスクワキ族・メスクワキ移民(英語版)
- 9. ショーニー語(英語版)(Shawnee)- ショーニー族
- 10. マイアミ・イリノイ語(英語版)†(Miami-Illinois)- マイアミ族・イリニ族(英語版)
B. 東部アルゴンキン語群(英語版)(Eastern)
- 11. ミクマク語(Míkmaq)- ミクマク族
- 12. 西アベナキ語(Western Abenaki)
- 13. 東アベナキ語(Eastern Abenaki)
- 14. マリシート=パサマクォディ語(Malecite-Passamaquoddy)- マリシート族(英語版)、パサマクォディ族
- 15. マサチューセット語(英語版)(Massachusett)- マサチューセッツ族、ワンパノアグ族
- 16. ナラガンセット語(英語版)†(Narragansett)- ナラガンセット族
- 17. モヘガン・ペクォート語(英語版)†(Mohegan-Pequot)- モヒガン族、ピクォート族
- 18. Quiripi-Naugatuck-Unquachog†
- 19. マヒカン語†(Mahican/ モヒカン語、Mohican とも)- モヒカン族
- 20. デラウェア語群(Lenape/Delaware)- レナペ族
- 21. ナンチコーク語(英語版)†(Nanticoke) - ナンチコーク族(英語版)
- 22. カロライナ・アルゴンキン語(英語版)†(パムリコ語、Pamlico とも)
- 23. ポウハタン語(英語版)†(Powhatan)- ポウハタン族
- 24. en:Etchemin language†(Etchemin)
- 25. Loup A
- 26. Loup B
- 27. シンネコック語(英語版)†(Shinnecock)- シンネコック族(英語版)
特徴
アルゴンキン諸語は典型的な複総合的言語である:つまり、他の多くの言語では単語数個からなる文で表現される内容を、1つの動詞で表すことができる。また3人称は少なくとも2つに分けられ、これにより談話で話題となっている中心的人物(たち)が明示される。
エドワード・サピアやレナード・ブルームフィールドによる研究が特に有名である。白人による同化政策である「インディアン寄宿学校」による英語教育の強制により、多くの言語が絶滅に瀕しており、すでに絶滅したものもある。
この地域の地名はアルゴンキン語族によるものが多い:例としては、マサチューセッツ、コネチカット、イリノイ、ミシガン、ウィスコンシン、ミルウォーキー、シカゴ、オタワなどがある。
よく知られた単語
ほか
脚注
関連項目
外部リンク