アラビア語サイード方言は、アラビア語の口語(アーンミーヤ)のひとつでエジプト南部のサイード人の間で話されている[2]。サイードとはエジプト南部の上エジプト、高地エジプトと呼ばれる地域なので上エジプト方言、高地エジプト方言とも呼ばれる[3]。この方言は、エジプト方言だけではなく、スーダン方言の特徴も兼ね備える。この方言はさらにエジプトの中南部と南部に分けられる。エジプト方言話者に対して、このサイード方言の下位方言のなかでもさらに保守的なものは常に通じるわけではないほどである[4]。
農村部から北に移住した部分的にエジプト方言を用いる人々を含めて、このサイード方言は広い範囲で用いられるが、国家的な言語としての力はあまり有していない。北に移住したサイード人移民の2世、3世はこの方言を用いないでエジプト方言が母語になっている。ただし、このような人々もエジプト南部サイードとの文化的、家族的な関係は維持されている。
子音
アラビア語サイード方言の子音一覧である[5]。
- ^* /d͡ʒ/ は [ʒ] や[d]ともなる。 後者の場合 /d/が崩れる。
脚注
- ^ Sa'idi Arabic reference at Ethnologue (17th ed., 2013)
- ^ Versteegh, p. 163
- ^ “Arabic, Sa’idi Spoken”. Ethnologue. 1 March 2013閲覧。
- ^ Raymond G. Gordon, Jr, ed. 2005. Ethnologue: Languages of the World. 15th edition. Dallas: Summer Institute of Linguistics.
- ^ Khalafallah 1969
参照
- Khalafallah, Abdelghany A. 1969. A Descriptive Grammar of Sa'i:di Egyptian Colloquial Arabic. Janua Linguarum, Series Practica 32. The Hague: Mouton.
- Versteegh, Kees (2001). The Arabic Language. Edinburgh: Edinburgh University Press. ISBN 0-7486-1436-2