アメリカ太平洋陸軍
アメリカ太平洋陸軍(アメリカたいへいようりくぐん、United_States_Army_Pacific:USARPAC)は、アメリカインド太平洋軍の陸軍部隊を構成する、陸軍統合軍構成コマンドの1つである。 概要統合任務部隊の司令部を兼ねることもあり、その任務はアメリカインド太平洋軍司令官を支援することである[1]。この部隊は、広くアラスカ、ハワイ、日本、韓国、東南アジアといった地域を管轄している。在韓米軍司令部は2012年1月以来在韓米軍の指揮権を有しており、太平洋陸軍は在韓米軍に配属されている部隊の人員、装備、訓練を監督している。 また、太平洋陸軍隷下の部隊はハイチ、キューバ、中東などで人道支援任務に従事することもある。 沿革太平洋陸軍の系譜は、アメリカが太平洋の覇権国家となった1898年にまで遡る。1921年、フォート・シャフターはハワイ師団の司令部となり、その後アメリカが第二次世界大戦に参戦すると、同部隊は太平洋戦域司令官の傘下となった。 朝鮮戦争において、太平洋陸軍は戦闘部隊・訓練・兵站を一手に引き受けた。ベトナム戦争では、南ベトナム陸軍にもアメリカ部隊と同様の支援を提供した。ベトナム撤退後、陸軍は太平洋に多数の戦闘部隊を置く理由を失い、太平洋の駐留部隊を削減した。その後、太平洋陸軍は統合軍構成部隊司令部としては廃止され、在日米軍と在韓米軍には別個の主要司令部が設立された。ハワイでは、太平洋陸軍司令部はアメリカ陸軍ハワイ支援コマンドと、陸軍省の現場運営機関たる太平洋軍総司令官支援グループに取って代わられた。 1979年、アメリカ軍は主要司令部、及びアメリカ太平洋軍の陸軍部隊として西方軍(WESTCOM)を設立した。西方軍はハワイの陸軍部隊も指揮し、1989年にアラスカ陸軍を、1990年に在日米軍を指揮下に加えた。1990年、西方軍は太平洋陸軍と改称された。太平洋陸軍は現在、複数の人道支援任務、災害救援、民間当局の防衛支援に部隊を派遣している。 2000年10月、太平洋陸軍は陸軍統合軍構成コマンドに改組された。 2001年9月11日の同時多発テロ以降、太平洋陸軍はアメリカの国土防衛に大きな役割を果たしている。また、作戦上の空白を埋めるため、太平洋陸軍は世界規模での対テロ作戦に人員を派遣している。 司令部記章は1944年にデザインされ、太平洋を横断するアメリカ軍の前進を象徴している。 呼称の変化その歴史を通して、太平洋陸軍は以下のように呼ばれてきた。
任務太平洋陸軍司令官の任務は以下の通りである。 編制2021年現在、太平洋陸軍は以下の部隊により構成されている。
脚注
外部リンク
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