アベバ・アレガウィ
アベバ・アレガウィ・ゲブレツァディク(アムハラ語: አበባ አረጋዊ、ラテン文字表記:Abeba Aregawi Gebretsadik、1990年7月5日 - )は、エチオピア生まれの陸上競技選手。中距離走、特に1500mを専門とし、2012年12月よりスウェーデン代表として競技している[2]。 アレガウィは、エチオピアティグレ州にある小さな町・アディグラトで生まれ育ち、陸上競技大会に初出場したのは16歳と遅めであった[3]。2012年までは母国のエチオピア代表として競技に取り組んできた[4]。2009年にスウェーデンを拠点に生活するエチオピア人男性のエノク・ウェルデゲブリエル(Henok Weldegebriel)と結婚し[3]、2012年までストックホルムに居住した。その後、マラソン選手のイエマネ・アドハネ・ツェガエと再婚し、生活拠点をアディスアベバに移した。 ストックホルムに拠点を置くハンマルビーIF(Hammarby IF)に所属し、その代表的な選手である[4]。2012年6月にスウェーデン国籍を取得し、同年12月からスウェーデン代表として大会に出場するようになった[2][5][6]。このため、ロンドンオリンピックにはエチオピア代表として出場した[3]。 経歴2009 - 2011年アレガウィは2009年のエチオピア選手権で800mに出場し、同種目で3度優勝経験を持つメスタワト・タデッセ(Mestawat Tadesse)を破って金メダルに輝く快挙を成し遂げ、鮮烈なデビューを果たす[7]。その後、ヨーロッパでの大会を数多く経験し、モロッコのタンジェで自己新記録2分01秒98をマークする。800mは同年のアフリカジュニア選手権が最高潮に達し、キャスター・セメンヤを追って銅メダルを獲得した[8]。 2010年になってアレガウィは1500mに転向、ソレントゥナグランプリとナイトオブアスレチックスを制し、特にナイトオブアスレチックスでは自己新記録4分01秒96をマークした。この年に初めてダイヤモンドリーグに参戦し、DNガランで4位、ヴェルトクラッセチューリッヒで7位に入賞した。 2011年は室内競技会で好成績を収め、デュッセルドルフ、フランダース国際、バーミンガム、ストックホルムの4大会を制覇、ストックホルムでは4分01秒47の自己新記録も樹立した。しかし屋外での大会には、怪我の影響で1度しか出場できなかった[9]。 2012年2012年のダイヤモンドリーグでは1500mで世界のトップ選手の1人として浮上し、最終的に年間優勝を収めた。上海ゴールデングランプリではゲンゼベ・ディババに次ぎ2位に入り、自己新記録3分59秒23を出した[10]。そしてゴールデンガラでは3分56秒54を叩き出し、エチオピア記録をも破ってディババを下した[11]。スウェーデン国籍を取得する直前にはビスレットゲームズで勝利を収めた[12]。 同年6月20日に開かれたスウェーデンチーム選手権では、所属するハンマルビーIF代表として出場、800mと1500mの2冠を果たした。エチオピア代表として臨んだロンドンオリンピックでは、予選・準決勝とも全競技者中、最も良い記録を出して決勝進出を決めた。決勝ではゆっくりとした、選手間の駆け引きのあるレース展開となり、最終コーナーまでは優勝したアスル・チャクル・アルプテキンに付けていたが、最後の直線で加速され、付いていけなかったアレガウィは5位に沈んだ。のちに1位アスル・チャクル・アルプテキンと2位のガムゼ・ブルトにドーピングが発覚し、繰上げで銅メダルを獲得した。 2013年 -2013年はイェーテボリで開かれたヨーロッパ室内選手権で、スウェーデン代表としての開幕試合を迎え金メダルを獲得した。同年のダイヤモンドリーグは最初の5つの大会で優勝した時点で残り2大会を残して年間優勝を決めた。ダイヤモンドリーグ第1戦のカタールスーパーグランプリで3分56秒60のスウェーデン新記録(前年に自身が樹立したエチオピア記録より0秒06遅い)を樹立し、4週間後にはオランダ・ヘンゲローで開催されたファニー・ブランカース=クン・ゲームズで800mのスウェーデン新記録1分59秒20をマークした。どちらもマリン・エベルロフ=クレープが約15年前に樹立した記録を更新したものであった。 モスクワで開催された世界選手権では1500mで金メダルを獲得し、スウェーデン勢として初めて中距離走種目でのメダル獲得を果たした[3]。 エリクソングローブで開かれた、2014年のXLガランでは3分57秒91をマークし、ヨーロッパ室内記録を更新した。世界室内選手権では、ゲレテ・ブルカの持つ大会記録まであと1秒の4分00秒61で優勝した[13]。ヨーロッパ選手権では同じエチオピア出身のシファン・ハッサン(オランダ)と優勝争いを展開し、2位に入った[14]。 主な成績
主な優勝歴= IAAFダイヤモンドリーグの1競技会
個人記録
脚注
参考文献外部リンク
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