アカシカ
アカシカ(赤鹿、学名:Cervus elaphus、英名:Red Deer)は、哺乳綱偶蹄目シカ科シカ属に分類されるシカの一種。アメリカ合衆国では最近まで近縁と考えられていたアメリカアカシカ C. canadensis と同様にエルク(Elk)と呼ばれることがあるが、ヨーロッパではエルクというとヘラジカを指す(大陸間の名称の齟齬の由来については、アメリカアカシカを参照)。中国語の漢字表記では、馬鹿(ばろく[1])と書く。 分布アナトリア半島、カフカース地方からヨーロッパ、北アフリカにかけての広範な地域に分布し、多くの亜種が知られる。アフリカ大陸に現存する唯一のシカである。北米北部とユーラシア大陸北東部に分布するワピチ C. canadensis と中央アジアに分布するアジアアカシカ C. affinis とは、飼育下で種間雑種ができることから同種とされたこともあった(アメリカアカシカを参照)。 オーストラリア、ニュージーランド、アルゼンチンに狩猟獣として移入され、帰化している。 形態体高120-150 cm、体重90-250 kg。体毛は赤褐色の個体が多く、短い尾を持つ。オスは枝分かれした角(枝角)を持つ。 生態森林に生息する。最年長のメスを中心とした群れを形成する。オスは繁殖期以外は単独もしくはオスのみで群れを形成する。 食性は草食性で草や木の葉を食べる。 繁殖形態は胎生で、1回に1-2頭を出産する[2]。繁殖期は9-10月で、繁殖期になるとオス同士は角を突き合わせて争い、勝負に勝ったオスがハーレムを形成する。 保全状況評価LEAST CONCERN (IUCN Red List Ver. 3.1 (2001)) 亜種
人間との関係食肉や狩猟用に飼育されている。袋角(角を覆うビロード状の皮)と鹿角は漢方薬や韓方薬として用いられる。 世界の侵略的外来種ワースト100リストに掲載されており、ヨーロッパ系移民により導入されたオセアニアや南アメリカでは駆除の対象となっている一方で、北アフリカなど生息地の環境破壊により絶滅の危機に瀕している亜種もある。 本種を含むシカ属 Cervus は外来生物法によって特定外来生物に指定されている[2]。 写真関連項目参考文献
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