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第1話 困難の中でこそ、平静な心を保たねばならない。
Aequam memento rebus in arduis servare mentem. 風埜隼人[ 47] [ 47] [ 47] [ 47] 市川美帆[ 47] ホラティウス 『歌集(カルミナ)』無人島特別試験を終えた生徒たちは、学校へと戻る豪華客船で再びバカンスを楽しむ。しかしそれも束の間であり、生徒たちには新たな特別試験が待っていた。今回行われる「船上特別試験」は4クラスを太陽惑星になぞらえた8つのグループに分け[ 43] 、グループ内に一人だけ存在する「優待者」を探し出すというものだった[ 注 2] 。清隆の所属する「火星グループ」メンバーも話し合いをスタートさせたが、Aクラスはそれに参加せず沈黙を貫く姿勢を見せたことにより話し合いは難航する。そんな中、同メンバーのCクラス女子・真鍋志保 、藪菜々美(声 - 田中美海 )、山下沙希(声 - 鈴代紗弓 )が「過去にCクラス女子・諸藤リカ(声 - 首藤志奈 )と揉めた」として恵に対し因縁をつける。同メンバーのAクラス男子・町田浩二(声 - 中島ヨシキ [ 2] )の一言により事なきを得るも、恵は一人浴室で泣いていた[ 46] 。
第2話 あらゆる罪の源たる、ふたつの大罪がある。焦りと怠惰だ。
Es gibt zwei menschliche Hauptsunden, aus welchen sich alle andern ableiten: Ungeduld und Lassigkeit. 風埜隼人[ 49] 田中貴大[ 49] 飯野健太郎 [ 49] [ 49] 一居一平[ 49] フランツ・カフカ 『罪、苦痛、希望と真の道の考察』高円寺が2日後の試験終了を待たずして、勝手に回答を行い試験から離脱する[ 48] 。清隆は恵の行動に違和感を覚えたことから鈴音に彼女の情報を求めるが[ 49] 、その時彼らの前に龍園が姿を現し「試験の根幹に辿り着き、さらにCクラスが圧勝する可能性がある」と告げる[ 50] 。その後、清隆は恵がCクラス女子たちにつけられた因縁を平田に相談している場面に遭遇し[ 51] 、そこで平田と恵の偽りの恋人関係だったことや恵が過去にいじめを受けていた事実を知る。一方で、「火星グループ」は依然として沈黙を貫く姿勢を崩さず、膠着状態が続いていた。この日の試験終了後、真鍋たちが再び恵に接近し罵詈雑言を浴びせ始める[ 50] 。
第3話 最高の魂は、この上ない悪徳と極限の美徳を発揮できる。
Les plus grandes ames sont capables des plus grands vices aussi bien que des plus grandes vertus. 重信康[ 52] [ 52] 田中貴大[ 52] [ 52] 市川美帆[ 52] ルネ・デカルト 『方法序説 』取り乱す恵の様子を清隆は冷静に観察しようとするが、見るに耐えかねた幸村輝彦 が彼女たちの前に飛び出し[ 52] 、一旦は事なきを得る。その後、嘘のメールで呼び出された恵の前にリカを連れた真鍋たちが姿を現し、ついに恵に対して暴力を振るい始める。真鍋たちが去った後、清隆は泣き崩れた恵の元を訪れ、彼女の抱える闇を見つけ出す。そして恵の心理状態に付け込み、身の安全と引き換えに自身の協力者に引き入れることに成功する。一方、特別試験では恵が優待者だと気付いた清隆が携帯を交換して別人が優待者のふりをする作戦を実行し[ 43] 、さらに一之瀬の機転を利かせた行動もあって、他クラスを罠に嵌めることに成功する[ 53] 。しかし、結果的にはCクラスの圧勝を許す形となり、さらに清隆たちの前に現れた龍園は鈴音を次のターゲットにすると告げる。
第4話 人材は作り出す必要がある。
The material has to be created. 風埜隼人[ 58] 鎌田祐輔[ 58] [ 58] 一居一平[ 58] F・ナイチンゲール 『軍病院での看護についての覚え書き』夏休みが終了し、2学期を迎えた清隆たちDクラスの面々は次なる行事・体育祭に挑むこととなる。今回の体育祭は全学年を2つに分け、各学年・クラス混同での対決となり、DクラスはAクラスとタッグを組む[ 55] 。早速クラス内で話し合いが行われるも、徹底した能力重視で出場者を割り振ろうとする鈴音にクラスメイトは反発する[ 56] 。また、清隆の指示で恵も鈴音の意見に異を唱えるも、最終的には多数決により鈴音の案が採用となる[ 57] 。Dクラスは体育祭に向けて各種目の練習に取り掛かるが、清隆は鈴音が二人三脚の練習パートナーにきつく当たる場面を目撃し、「もう少し譲歩することを覚えるべき」だと彼女に忠告する。その後、清隆は鈴音に対戦相手の偵察に付き合うよう求めた上で、船上特別試験でCクラスの圧勝を許す原因となったDクラスの裏切者が櫛田であることを告げる[ 56] 。
第5話 すべての失敗は成功への過程に過ぎない。
Every failure is a step to success. 重信康[ 61] 松園公[ 61] [ 61] [ 61] 市川美帆[ 61] W・ヒューウェル 『イギリスの道徳哲学の歴史講座』体育祭当日、Dクラスは須藤の活躍もあり順調な滑り出しを見せる。しかし、競技に参加しようとしない高円寺の存在[ 48] やCクラスからの執拗な策略により、苛立ちを増していった須藤は平田に手を上げ、その場から逃げ出してしまう[ 59] 。一方、龍園の策略により成績が残せずにいた鈴音の前に清隆が現れ、彼女に対し「一人では限界がある。自分だけの武器を手に入れるべきだ」と諭し、須藤を説得させるように仕向ける。鈴音は須藤を捜索し始めるが、その際に競技中に自身とぶつかったCクラス女子・木下美野里(声 - 中野さいま )が大怪我したという事実を知り、彼女の元に訪れるとその場には龍園が待っていた[ 59] 。龍園は鈴音が故意に怪我をさせたと主張し[ 59] 、その代償として100万プライベートポイントと土下座を要求するとともに体育祭終了後までの猶予も与える。鈴音は失意に暮れていたが、学とすれ違ったことで再び立ち上がる決意を固める。
第6話 逆境は真実へと至る最初の道筋である。
Adversity is the first path to truth. 風埜隼人[ 64] [ 64] [ 64] 幸野浩二 小野木三斉 廣瀬智仁 一居一平 小沼克介 川本由記子 [ 64] 市川美帆[ 64] G・G・バイロン 『ドン・ジュアン』鈴音は須藤を連れ戻すために説得を試みるが、須藤はこれを拒絶する。それでも鈴音は諦めずに説得を続け、須藤に対して本音で話すようになり、その姿に心を動かされた須藤は彼女に協力することを誓う。一方、清隆は船上特別試験や体育祭での裏切り行為を櫛田に問いただすと、事実だと白状した彼女はその目的が鈴音を退学させることだと告げる[ 62] 。体育祭終盤、リレー出場予定の男子が怪我でリタイアしたことから代わりに清隆が出場することとなる。アンカーとなった清隆は学とリレー対決をすることとなり、全生徒の前で実力の一端を披露する。体育祭終了後、鈴音は約束通り龍園の元へ訪れ、その場にいた櫛田との関係性が判明すると彼女は鈴音に対し宣戦布告を行う[ 63] 。龍園は再び鈴音に土下座を迫ったが、龍園の元にCクラス内で行われた「鈴音を狙い撃ちする計画」の録音が届いたことで、彼の思惑は失敗に終わる[ 62] 。
第7話 すべてを疑うこともすべてを信じることも共に安易で、 思考を放棄するに等しい。[ 65]
Douter de tout ou tout croire, ce sont deux solutions egalement commodes, qui l'une et l'autre nous dispensent de reflechir. 重信康[ 65] [ 65] 後藤康徳[ 65] 臼田美夫 鍾文山 井倉雲丹 權容祥 北原安鶴紗 竹谷徹平 アラタハヤト 吴晶晶 Revivai [ 65] 市川美帆[ 65] H・ポアンカレ 『科学と仮説』生徒会の引継ぎ式が行われ[ 65] 、新生徒会長に南雲雅 が就任した[ 66] 。その後、清隆はクラスメイトの佐藤麻耶 から呼び出しを受け[ 65] 、連絡先を交換する[ 66] 。今回の期末テストで行われる特別試験「ペーパーシャッフル」は、クラス内の2人1組の各ペアが学校側の設定した複数の基準点数をクリアしなければ退学になることに加え、期末試験の内容はクラスで作成し、それを他クラスへと割り当てるというものだった[ 66] 。鈴音は櫛田との関係性および櫛田が過去に起こしたとされる事件の噂について清隆に打ち明ける[ 66] 。一方、Cクラスでは龍園が体育祭で「鈴音を狙い撃ちする計画」の録音を行ったクラスの裏切り者を炙り出していた[ 66] 。「ペーパーシャッフル」でCクラスと相対することになったDクラスは、鈴音を中心に対策を練り始める[ 66] 。
第8話 胸の底で、傷は静かに生きている。[ 68]
Tacitum vivit sub pectore vulnus. 風埜隼人[ 68] 松園公[ 68] 金森勝[ 68] 幸野浩二 小野木三斉 廣瀬智仁 小沼克介 一居一平 飯田光尋 [ 68] 市川美帆[ 68] ウェルギリウス 『アエネーイス 』特別試験対策の勉強会が開かれることとなったが、ペアとなった長谷部波瑠加 と三宅明人 が互いに苦手科目が共通していることから鈴音に相談を持ち掛ける[ 67] 。その場に現れた幸村は二人の勉強を受け持つといい、鈴音は清隆に彼ら三人の勉強会に参加するように指示する[ 67] 。こうして集まった四人は勉強会を通じて親交を深めていく。櫛田の動向を警戒していた鈴音は、今後の彼女から妨害を阻止するために自身の退学を賭けて数学の点数勝負をすることになり、その流れで鈴音と清隆は櫛田の過去を知る[ 67] 。自身の過去を話し終えた櫛田は改めて二人に対して宣戦布告を行った[ 67] 。
第9話 過ちを犯しながら、それを改めないことをこそ、真の過ちという。[ 70]
過而不改、是謂過矣 重信康[ 70] [ 70] [ 70] 幸野浩二 小野木三斉 廣瀬智仁 小沼克介 川本由記子 一居一平 慧敏 明光 龍光 [ 70] 市川美帆[ 70] 著者不明 『論語 』 櫛田と龍園は互いの利益のために裏で取引を行っていた[ 69] 。清隆や波瑠加ら4人は勉強会を行っていたが、その場に龍園らCクラスのメンバー数人が現れ、単なる挨拶という名目でDクラスを陰で操る存在(以下「黒幕」)の調査を行うも成果が得られないことが分かると彼らはその場を去っていった。その後、波瑠加は今回の勉強会で居心地の良さを感じたことから4人でグループを作ることを提案し、最終的にグループ参加を懇願した愛里も加わる形で「綾小路グループ」が結成される[ 69] 。試験当日、櫛田は龍園との取引により勝利を確信していたが、櫛田の行動を先読みしていた鈴音や龍園に新たな取引を持ち掛けた清隆の暗躍もあり結果的には鈴音の勝利で幕を閉じる[ 69] 。一方、龍園は「黒幕」を炙りだすために恵を次のターゲットに指定する。
第10話 人々は常にその破滅を願っている。偽りの善に欺かれるがゆえに。[ 72]
Il popolo molte volte desidera la rovina sua, ingannato da una falsa specie di bene. 重信康[ 72] [ 72] 鎌田祐輔[ 72] 幸野浩二 小野木三斉 小沼克介 前田義宏 伊藤哲也 ユ・スンヒ キム・ギョンホ イ・ガンウ [ 72] 市川美帆[ 72] N・マキャヴェッリ 『政略論 』あるいは『ティトゥス・リウィウス の最初の十頃に基づく論考』 クリスマス目前となり生徒たちは浮足立っていた。しかしDクラスの生徒たちは龍園の策略によりCクラスから監視されており、さらに「綾小路グループ」はAクラスの女子生徒からも監視されていた[ 71] 。そんな中、図書館を訪れた清隆はCクラスの椎名ひより と互いに本について関心があることから縁ができる。その後、清隆は茶柱から応接室に案内され、ついに自身の父親と再会する[ 71] 。退学を迫る父親とそれに応じない清隆との論争は決着がつかないでいたが、最終的に理事長・坂柳成守 (以下「坂柳理事長」)の口添えにより論争の幕は閉じ、父親は学校を去る[ 71] 。その後、清隆は坂柳理事長との会話から茶柱と父親に繋がりがないことを見抜き[ 71] 、今後はAクラス昇格のための協力はしないと宣言する。そして、清隆はその旨を恵にも伝え、今後恵の身に何かが起こらない限りこちらから接触しないことを彼女に告げる[ 71] 。
第11話 自分自身を御せない者は、いつまでも奴隷のままだ。[ 73]
Wer sich nicht selbst befiehlt, bleibt immer Knecht. 風埜隼人[ 73] [ 73] [ 73] 幸野浩二 永田陽菜 稲田真樹 小野木三斉 安形佳己 樋上あや 小沼克介 廣瀬智仁 高崎葵 飯田光尋 一居一平 [ 73] 市川美帆[ 73] J・W・V・ゲーテ 『穏和なるクセーニェン』恵は清隆との接点が突然切れてしまったことに戸惑いを隠せないでいた[ 73] 。そんな中、Dクラスの面々が今後の方針について話し合いを行っていると、突然龍園らCクラスの生徒たちが現れる[ 73] 。彼らは早々に下校した高円寺を追跡し、その後不穏に感じた清隆や鈴音たちも彼らの跡を追うと、そこには高円寺を取り囲むCクラスの面々の姿があり、さらにリーダーである坂柳有栖 を含めたAクラスの面々もその場に現れる[ 74] 。これも「黒幕」を炙り出す龍園の作戦だったが、結果的に龍園は高円寺を「白」と断定し、その場は一旦収まる[ 74] 。候補は絞れているものの特定することができずにいた龍園はついに「黒幕」と裏で繋がっていた恵を工事中の第2体育館に呼び出した[ 74] 。龍園は恵に「黒幕」の正体を明かすように迫るが、彼女はその要求に応じなかった。龍園は「黒幕」の正体を直接吐かせるために彼女を心身共に追い詰め始める[ 74] 。
第12話 思慮なき力は自らの質量によって崩れ去る。[ 76]
vis consili expers mole ruit sua. 重信康[ 76] [ 76] 鎌田祐輔 金森勝 北村真咲 薦田かなえ キタムラシンイチロウ [ 76] 幸野浩二 小野木三斉 廣瀬智仁 小沼克介 稲田真樹 永田陽菜 河野のぞみ 安形佳己 伊藤哲也 王宣靜 鎌田祐輔 橋森有加 山形孝二 山田なぎさ 前田義宏 飯田光尋 樋口博美 樋上あや 木村拓馬 [ 76] 市川美帆[ 76] ホラティウス 『歌集(カルミナ)』 一向に「黒幕」の正体を明かそうとしない恵に対し、龍園は「黒幕」が恵を利用していたことを突きつける[ 75] 。恵の精神は限界を迎えていたが、清隆を守るために最後まで口を割ることはなかった[ 75] 。一方、清隆は茶柱と学に事の顛末を見届けるように依頼すると、そのまま恵の元へ向かい、ついに龍園らに自身が「黒幕」であることを告げる[ 75] 。石崎らは清隆に戦闘を仕掛けるが全く歯が立たずに次々と倒されていくと、清隆は自身が龍園らを逆に利用してこの状況を意図的に作り出したことを明かす[ 75] 。そして、清隆と龍園の一騎打ちとなったが、圧倒的な戦闘力を有する清隆が有意な状況は変わらずにいた[ 75] 。そこで龍園は自身がこれまで恐怖を感じたことがないという事実を突きつけ[ 75] 、今回負けても今後清隆を狙い続けると言い放つ。清隆はそれでも何の感情も湧かないままに殴り続けていると、最終的に龍園の中に恐怖の感情が芽生え、清隆の最後の一撃によって勝負は決する[ 75] 。こうして恵はCクラスの呪縛から解放されることとなる[ 75] 。
第13話 あなたが出会う最悪の敵は、常にあなた自身だ。[ 78]
Der schlimmste Feind, dem du begegnen kannst, wirst du immer dir selber sein 風埜隼人[ 78] [ 78] 橋本裕之[ 78] 伊藤雅子 稲吉智重 幸野浩二 一居一平 廣瀬智仁 伊藤哲也 小野木三斉 小沼克介 [ 78] 市川美帆[ 78] F・W・ニーチェ 『ツァラトゥスラはこう語った 』 第2体育館での一件後、恵は清隆に対する気持ちが大きく変化していたことに気付いていた[ 77] 。そんな中、恵は佐藤から清隆とのクリスマスデートの相談を持ち掛けられ、複雑な想いを抱きながらもデートプランを考え、結果的に佐藤からの提案でダブルデートが決定する[ 77] 。一方、清隆は龍園を呼び出し、今後のDクラスの動向と自身の取るスタンスについて語る[ 77] 。ダブルデート当日、4人は映画やショッピングを楽しみ、卒業後の進路についても語り合う。その後解散となり、清隆と佐藤の二人は帰路に向かっていた。佐藤は意を決して清隆に告白するが、清隆は「好きになっていない相手とは付き合えない」との理由で断る[ 77] 。その後、清隆は恵と合流すると、これまでの一連の行動が恵を自身に依存させるためだったことを心中で語る[ 77] 。恵との解散後、坂柳が清隆の前に現れ、彼に宣戦布告を行う。