ゆめにっき
『ゆめにっき』は、ききやまによるRPGツクール2003製のフリーゲームである。2004年に最初のバージョン(ver.0.00)が公開され、その後多くの修正を経て、2007年10月にver.0.10が公開されるに至った。 概要主人公の少女[† 1]を操作して「夢の中」を歩き回るアドベンチャーゲームである[1]。広大なフィールドを散策して点在するアイテムを回収する以外、ゲームの目的は特に無いが、一応のエンディングと呼べるものが存在する。 Vectorの2009年度年間総合ランキングでは68位にランクインし[2]、20周年記念イベント「Vector Award」においては、ダウンロードソフト約10万本中14位にランクインしている[3]。 これまでにVector以外のプラットフォーム上でも配信されてきた。2016年、DeNAが運営するAndAppにてRPGツクールMV版がマルチプラットフォームで配信された(現在配信終了)[4]。2018年1月10日、PLAYISMによるSteamでの無料配信が開始され[5]、このバージョン(ver.0.10a)には英語翻訳が追加された。また2021年7月2日にはゲームアツマールに移植された(2023年にサービス終了)[6]。 2018年2月23日には、本作のリイマジン版『YUMENIKKI -DREAM DIARY-』がSteamおよびPLAYISM用ソフトとして発売[7]、2019年2月21日にはNintendo Switch版が発売された[8](後述)。 システムゲームは、マンションのような高層建築物の一室(マイルーム)から始まる。マイルームにある扉は開けられず、ベランダ以外の場所には移動できない。マイルームでとれる行動は限られており、机の前で「ゆめにっき」を記録する(セーブポイント)、テレビの前でミニゲームのNASUをプレイする、そしてベッドで眠りに就くことである。ベッドで眠りに就くと、夢の世界へ入ることができる。夢の世界で最初に行くことになる場所、通称「扉の部屋」には12枚の扉があり、それぞれ異なる外観のマップと繋がっている。プレイヤーは広大なマップを歩き回って探索する。夢の中でテンキーの9を押して頬をつねると、目を覚ましてマイルームへ戻ることができる。 夢の世界にはエフェクトと呼ばれるアイテムが複数存在する。エフェクトの大半はゲームの進行とは無関係のため、取得はプレイヤーの自由である。ただし、ゲーム内には特定のエフェクトを使用しないと先に進めない箇所が存在する。また、「扉の部屋」でテンキーの5を押すと取得したエフェクトを捨てることができる。 ゲーム内には多数の寓意的な演出が用意されているが、ゲームの目的やストーリーは明らかにされない。特に世界設定の説明や他のキャラクターとの会話は一切無く、ゲーム内に登場するキャラクターにコンタクトを試みても、その多くは無反応もしくは効果音が発せられるだけである。特定のエフェクトを使うことで通常と異なる反応を見せる場合もあるが、この場合も意思の疎通はできない。低確率でランダム発生するイベントがある点も特徴的である。 また、一般的なRPGにみられるエンカウントやゲームオーバーも発生しない。一部には、出口のない場所へ移動させられる、強制的に夢から覚めるなどのイベントが用意されているが、ゲームを続行することは可能である。 グラフィック・サウンドゲーム内で使用されているグラフィック・BGM・効果音などの素材は、RPGツクールソフト内にあらかじめ用意されたものやインターネット上で公開されているフリー素材ではなく、作者が自作した独自のアセットが用いられている。 メディア展開2013年より株式会社サーファーズパラダイス主導で「Project Yumenikki」が展開されている。ライセンス管理はグループ会社である株式会社スタジオディーンが行っている[9]。 メディア展開の内容としては、ボカロPであるマチゲリータが原案を担当するWEB漫画版『ゆめにっき』のイメージ音楽CD『ゆめにっきのためのワルツ』(歌:蒼姫ラピス)の発売や、マチゲリータ原案、富沢ひとし作画によるウェブ漫画版『ゆめにっき』のまんがライフWINでの連載(内容は後述)、日日日によるノベライズ版 『ゆめにっき――あなたの夢に私はいない』日日日(著)、有坂あこ(絵) PHP研究所 の出版などがあげられる。また、2011年3月26日よりサーパラグッズ開発部でグッズ展開が行われている[10]。 上記の企画について、2013年当時公開されたティザーサイト(サーバ管理元:株式会社サーファーズパラダイス)には、
と記述されていた。 漫画版「ゆめ」が何なのかという設定を追加され、キャラもそれに合わせて追加の設定がされている。また、原作のドット絵に忠実な外見となっている。各キャラの役割などは以下の通り。各キャラの呼称は本作での呼ばれ方に基づく。
二次創作
様々な解釈が可能な作品であるため、二次創作が豊富である。主に同人活動として、ゆめにっきの内容をモチーフにしたアンソロジーコミック、BGMのアレンジアルバム、ファンゲーム等が制作されている。 ゲーム内に登場するキャラクターは公式に命名されていないが、ファンの間では愛称で呼ばれている(たとえば「鳥人間」「ポニ子」など)[11]。これらの愛称は、国内における2ちゃんねるやニコニコ動画でのブームを通じて浸透した。また、RPGツクール作品のなかでも海外人気が高い作品であり[12][13]、Uboachan[1]に代表される海外ファンコミュニティーが存在する。 本作のファンゲームは通称「ゆめにっき派生作品」と呼ばれている。特に代表的で規模が大きいものに、複数の有志で開発が続けられている『ゆめ2っき』[2]がある。その他、国内・海外含む多くのファンゲームが公開されてきた。 ゆめにっきの影響がみられるゲームも多く制作されている。クリエイター自身がリスペクトを表明しているタイトルとしては、『UNDERTALE』[14]、『LISA』[15]、『OMORI』[16]、『アンリアルライフ』[17]がある。 星野源は、2012年にリリースしたシングル『夢の外へ』表題曲「夢の外へ」の歌詞の一部を、ゆめにっきから着想を得たとしている[18]。 YUMENIKKI -DREAM DIARY-
『YUMENIKKI -DREAM DIARY-』(ゆめにっき ドリームダイアリー)はSteam、PLAYISM版が2018年2月23日に、Nintendo Switch版が2019年2月21日に配信開始された。 原作者のききやま全面監修の元、原作の世界観を3Dで再現しつつ、現在のインディースゲームスタイルに合わせて再構築(リイマジン)されている。謎解きやアクションの要素が取り入れられるなど、ゲームシステムは原作と異なるが、ストーリーに関して説明的でない点は共通する[12][13]。 脚注註釈
出典
参考文献「ハマル無料ゲーム」『週刊アスキー』第731号、アスキー・メディアワークス、2009年4月、104頁。 関連項目
外部リンク
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