やまなし文学賞(やまなしぶんがくしょう)は、日本の文学賞。正式名称は樋口一葉記念やまなし文学賞。小説部門と研究・評論部門がある。
概要
1992年、樋口一葉生誕120周年を記念して、一葉の出身地である山梨県および山梨県立文学館の主宰で制定された[1]。小説部門は全国から公募し、佳作も含め3点が選ばれ、研究・評論部門は自薦・他薦によって推薦された既刊の単行本もしくは論文から2点が選ばれる[1]。発表は募集翌年度の3月[1]。結果は山梨県立文学館ウェブサイトに公表される[1]。
研究・評論部門は2020年を最後に、受賞作の発表はなく、停止されたもようである。
小説部門は、第20回以降の受賞作の多くが山梨日日新聞社より刊行されている。研究・評論部門は、日本の近世文学・近代文学を扱った研究書が選ばれる場合がほとんどである。
- 小説部門:坂上弘、長野まゆみ、佐伯一麦
- 研究・評論部門:中島国彦、関川夏央、兵藤裕己
- 募集期間:6月~11月
- 選考結果の発表および表彰:翌年3月
小説部門受賞作
- 第20回(2011年度)
- 第21回(2012年度)
- 第22回(2013年度)
- 第23回(2014年度)
- 第24回(2015年度)
- 第25回(2016年度)
- 第26回(2017年度)
- 第27回(2018年度)
- 第28回(2019年度)
- 第29回(2020年度)
- 第30回(2021年度)
- 第31回(2022年度)
- 第32回(2023年度)
研究・評論部門受賞作
- 第1回(1992年度)
- 第2回(1993年度)
- 第3回(1994年度)
- 第4回(1995年度)
- 第5回(1996年度)
- 第6回(1997年度)
- 第7回(1998年度)
- 第8回(1999年度)
- 第9回(2000年度)
- 第10回(2001年度)
- 第11回(2002年度)
- 第12回(2003年度)
- 第13回(2004年度)
- 勝又浩『中島敦の遍歴』(筑摩書房)
- 宗像和重『投書家時代の森鴎外 草創期活字メディアを舞台に』(岩波書店)
- 第14回(2005年度)
- 第15回(2006年度)
- 第16回(2007年度)
- 第17回(2008年度)
- 関肇『新聞小説の時代—メディア・読者・メロドラマ』(新曜社)
- 松本章男『西行 その歌 その生涯』(平凡社)
- 第18回(2009年度)
- 揖斐高『近世文学の境界—個我と表現の変容』(岩波書店)
- 紅野謙介『検閲と文学 1920年代の攻防』(河出書房新社)
- 第19回(2010年度)
- 第20回(2011年度)
- 第21回(2012年度)
- 第22回(2013年度)
- 第23回(2014年度)
- 第24回(2015年度)
- 高橋修『明治の翻訳ディスクール 坪内逍遙・森田思軒・若松賤子』(ひつじ書房)
- 川平敏文『徒然草の十七世紀 近世文芸思潮の形成』(岩波書店)
- 第25回(2016年度)
- 第26回(2017年度)
- 大橋毅彦『昭和文学の上海体験』(勉誠出版)
- 石原千秋『漱石と日本の近代』上下巻(新潮社)
- 第27回(2018年度)
- 鈴木俊幸『近世読者とそのゆくえ 読書と書籍流通の近世・近代』(平凡社)
- 山本芳明『漱石の家計簿 お金で読み解く生活と作品』(教育評論社)
- 第28回(2019年度)
- 服部徹也『はじまりの漱石 『文学論』と初期創作の生成』(新曜社)
- 河野龍也『佐藤春夫と大正日本の感性—「物語」を超えて』(鼎書房)
- 第29回(2020年度)
- 井上隆史『暴流(ぼる)の人 三島由紀夫』(平凡社)
- 山田俊治 ミネルヴァ日本評伝選『福地桜痴(ふくちおうち)―無駄トスル所ノ者ハ実ハ開明ノ麗華ナリ』(令和2年10月 ミネルヴァ書房)
選考委員
- 小説部門
- 第1回 - 安岡章太郎 竹西寛子 三浦哲郎
- 第13回 - 坂上弘、竹西、三浦
- 第19回 - 坂上、津島佑子、佐伯一麦
- 第25回 - 坂上、佐伯、長野まゆみ
- 第30回 - 佐伯、長野 - 坂上弘死去による[2]
- 研究・評論部門
脚注
- ^ a b c d “やまなし文学賞”. 山梨県立文学館 | YAMANASHI PREFECTURAL MUSEUM of LITERATURE. 2020年5月30日閲覧。
- ^ “やまなし文学賞”. 山梨県立文学館. 2021年11月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年11月21日閲覧。
外部リンク