ぐじぐじ(グジ、アマダイ、甘鯛)とは、アマダイの日本の福井県・京都府における地方名。一般には浜で水揚げされ、背開きにして洗い、塩をふって鮮度が落ちないよう処理したものを指し[1]、京都では高級食材とされている[2]。中世より主に福井県の若狭地方で水揚げされ、陸路にて京都まで運ばれた。食用として最も多く利用される種は、南日本から南シナ海に分布する硬骨魚綱スズキ目アマダイ科アカアマダイ (Branchiostegus japonicus) である[2][3][4]。 概要ぐじの語源は、「身が柔らかく、ぐじぐじしているから」、「釣り上げるときに、ぐじぐじ鳴くから」、屈折した頭で、屈頭(ぐず)から、ぐじに変化した等の諸説がある。 古くから小浜市を中心とする福井県若狭地方では、海に面していない京都への海産物の供給地として、ぐじ(アマダイ)の他、浜焼き鯖や、笹かれい等が運ばれていた。特に、若狭湾で水揚げされた魚を、人が牛馬の引く荷車に乗せて夜通し山道を歩き、京都へ売りに行く行商が盛んであった。1917年から1921年にかけて、鉄道省小浜線(現在のJR小浜線)の延長により鉄道輸送に変わり、舞鶴経由で京都へ向かうようになった。 ぐじは、身が柔らかくて傷みやすいので、江戸時代から伝わる底延縄(そこはえなわ)という若狭ぐじ専用の漁法で、網や竿を使わず1本の縄をたぐるように引き寄せ、身を傷つけずに捕まえ、運搬時にも一つの器に数尾ずつ容れる。獲れた若狭ぐじは、鮮度が落ちないように冷たい塩水ですぐに〆る。面割りにして天然塩で〆る。柔らかい身をこぼれにくくするため、焼きやすいように鱗をわざと残しておく。 若狭ぐじ若狭湾のぐじは、良質な餌に富み、暖流と寒流が交わる海域で育つため、身が大きく脂が乗っている[要出典]。淡泊で香りも良く、京料理の最高級食材と言われる[5]。 若狭湾において延縄漁・釣りで漁獲され、重さが500g以上、鮮度が良く、姿形が美しいものは「若狭ぐじ」と呼ばれる[5]。若狭ぐじは釣り上げられた後、一尾ずつ専用の保冷ボックスに入れられ、厳重な温度管理の下で輸送される[5]。港で重さや姿形、傷の有無が検品される[5]。さらに、魚体に直接氷が触れないようウレタンシートを敷くなどの徹底した鮮度管理がなされる[5]。 2020年11月、若狭ぐじの最上級ブランドとして「若狭ぐじ極」が誕生した[5]。若狭ぐじの中から重さが800g以上ある身が厚いもので、船上の活〆による血抜きと、神経抜きが施されたものである[5]。「若狭ぐじ極」には、港名と船名が入った専用ラベルと、新たに「極」タグを取り付けられる[5]。 丹後ぐじ丹後ぐじは、延縄漁業によって漁獲され、漁獲から市場に送るまでの間、共通のマニュアルに沿った徹底した品質管理が行われたブランド水産物である[2]。2012年、公益社団法人京のふるさと産品協会が認証する「京のブランド産品」に選ばれた[2]。 調理方法
他に、昆布締め、蒸し物、揚げ物など。 脚注
参考文献
関連項目外部リンク |