おろかもの
『おろかもの』(Me & My Brother’s Mistress)は、2019年に公開された日本映画。監督は芳賀俊と鈴木祥、主演は笠松七海と村田唯。 いわゆるシスターフッド・ムービーで、若手監督の登竜門として知られる田辺・弁慶映画祭の2019年(第13回)のコンペティション部門でグランプリを受賞した[1][2]。 あらすじ高校2年生の洋子は、社会人の兄、健治と実家で暮らしている。9年前に両親を亡くし、兄を親代わりとして慕ってきた。その家に兄の婚約者、果歩が越してきた。結婚式は1か月後である。果歩は料理上手でしっかりした女性であるが、兄と妹のふたりの関係が、果歩が加わることによって微妙な三角関係にかわった。 そんなある日、兄が美しい女性とラブホテルから出てくるところを目撃する。こんな大事な時期に浮気をしているのか。真実を知りたい洋子は、女性のあとをつけ、カフェで声をかける。兄と付き合っているのなら別れてくださいと頼む。しかし、私は健治を愛しているの、誰と結婚しようが関係ないの、と突っぱねられる。 美沙と名乗った女性と再び会い、話をするうちに、洋子は彼女に好感を抱くようになる。将来何になりたいの?ときかれて、「真人間」ですかね、ふつうにまっとうに生きたいです、と答える洋子であったが、兄と不倫をしている美沙に不思議なシンパシーを感じる。兄貴ヅラをしながら陰で二股をかけている健治が許せない。美沙と共謀して兄の結婚式を止めようとたくらむ。健治は浮気している、と書いた匿名の手紙を果歩に送りつけたがスルーされてしまう。美沙は思い切って果歩が勤める生花店を直撃する。予想に反して果歩はまったく動じなかった。 「健治が本当に欲しいものは、彼女(美沙)は持ってない。」きっぱりと言いきる果歩を見て、洋子の心は揺らぐ。中途半端なまじめさから関係を続けてきた健治も、ついに美沙に別れを告げる。結婚式当日、あきらめきれない美沙は赤いドレスを身にまとい、教会に乗り込んできた。果歩は健治を守るように立ちはだかる。洋子は美沙の手をとり、式場を飛び出す。 キャストスタッフ評価2020年11月20日から12月10日まで開催されたテアトル新宿での特集「田辺・弁慶映画祭コレクション2020」で上映され、その後シネ・リーブル梅田など、全国順次公開された[3]。 劇場公開にあたり、若い女性に人気のあるイラストレーターのKotoka Izumiや、女優でフェミニスト、#KuToo活動で知られる石川優実らがコメントを寄せた。「女性の強さを感じる作品」(Izumi)、「なんでもかんでも『女同士の戦い』にしたがる最近の風潮とはまるで真逆なのが最高」(石川)などと評した[3]。 第13回田辺・弁慶映画祭(2019)ではグランプリのほか、俳優賞、観客賞など史上最多となる5冠に輝いた[3]。 SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2019国内コンペティション長編部門で観客賞を受賞した[4]。 脚注
外部リンク
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