田辺 保(たなべ たもつ、1930年9月26日 - 2008年3月18日)は、日本のフランス文学者、翻訳家。
大阪市立大学名誉教授、岡山大学名誉教授。
人物・来歴
京都府生まれ。1951年大阪外事専門学校卒業、1953年大阪外国語大学卒業、1959年京都大学大学院仏文科博士課程単位取得中退、1960年大阪外大助手、1961年講師、1961 - 1962年パリ大学へ留学、1965年大阪外国語大学助教授、1972年教授、同年岡山大学法文学部教授、1976年「パスカルの世界像」で京都大学より文学博士の学位を取得、1985年大阪市立大学教授、1993年定年となり名誉教授、神戸海星女子学院大学教授、2001年定年。
1974年フランスより教育功労章シュヴァリエ受章(「田辺保教授の経歴と業績」『神戸海星女子学院大学研究紀要』2000)。
パスカルとキリスト教文学を研究し、多量の著作と翻訳をおこなった。
著書
- 『パスカルと現代』(紀伊国屋新書) 1967
- 『シモーヌ・ヴェイユ その極限の愛の思想』(講談社現代新書) 1968
- 『フランス語のこころ』(至誠堂新書) 1969
- 『奴隷の宗教 シモーヌ・ヴェイユとキリスト教』(新教出版社、原点双書) 1970
- 『フランス語の招待』(至誠堂) 1970
- 『パスカルの世界像』(勁草書房、哲学思想叢書) 1974
- 『パンセの原点をさぐる』(新教出版社、今日のキリスト教双書) 1976
- 『パスカル』(編、平凡社、世界の思想家) 1976
- 『純粋さのきわみの死 さいごのシモーヌ・ヴェイユ』(北洋社) 1978.2
- 『光は暗きに照る』(日本基督教団出版局) 1978.7
- 『なぜ外国語を学ぶか』(講談社現代新書) 1979.5
- 『クレオパトラの鼻 パスカルの恋愛論』(白水社) 1980.10
- 『フランス語の新しい学び方』(講談社現代新書) 1981.3 、改題『フランス語をどう学ぶか』(講談社学術文庫)2002
- 『フランスこころの旅』(日本基督教団出版局) 1983.3
- 『パスカル著作集 別巻2 パスカル伝』(教文館) 1984.9、講談社学術文庫 1999
- 『フランス歴史の旅 モンマルトルからサント・マリーへ』(朝日選書) 1990.11
- 『ブルターニュへの旅 フランス文化の基層を求めて』(朝日選書) 1992.12
- 『フランス - 詩のふるさと紀行』(同文書院、アテナ選書) 1994.1
- 『ボーヌで死ぬということ <中世の秋>の一風景』(みすず書房) 1996.4
- 『フランス語はどんな言葉か』(講談社学術文庫) 1997.5
- 『ケルトの森・ブロセリアンド』(青土社) 1998.4
- 『フランスわが愛 フランス学への一つの試み』(青山社) 2000.5
- 『フランス巡礼の旅』(朝日選書) 2000.9
- 『ロワール川流れのまにまに フランス、その歴史の数ページ』(恒星出版、カルチャーフロンティアシリーズ) 2001.8
- 『パスカル痛みとともに生きる』(平凡社新書) 2002.11
- 『フランスにやって来たキリストの弟子たち 「レゲンダ」をはぐくんだ中世民衆の心性』(教文館) 2002.3
- 『プロヴァンス 碧い海と碧い空と… 「生きる歓び」讃』(恒星出版、カルチャーフロンティアシリーズ) 2003.8
- 『聖フランチェスコの小さな花』(教文館) 2006.5
- 『パスカルの信仰 パスカルとわたし』(教文館) 2006.10
- 『ゲツセマネの夜 パスカル「イエスのミステール」を読む』(教文館) 2008.2
共編著
- 『初めてのフランス語文法』(里見達郎,藤井寛共著、駿河台出版社) 1984.4
- 『フランス語で言えば』(編、有斐閣選書) 1985.7
- 『フランス語で世界を知ろう』(平山弓月共著、朝日出版社) 1990.4
- 『フランス文学を学ぶ人のために』(世界思想社) 1992.7
- 『フランス学を学ぶ人のために』(世界思想社) 1998.8
- 『死に方目下研究中。 医学者と文学者の彼岸さがし対談』(岩田誠共著、恒星出版) 2005.1
翻訳
- 『聖想 100篇』(新教出版社、新教新書) 1960
- 『カルヴァン新約聖書註解 第8 コリント前書』(カルヴァン著作集刊行会) 1960
- 『カルヴァン新約聖書註解 第9 コリント後書』(カルヴァン著作集刊行会) 1963
- 『男と女 カルヴァンの倫理による』(ビエレール、新教出版社、新教新書) 1964
- 『シモーヌ・ヴェイユ入門』(M・M・ダヴィ、勁草書房) 1968
- 『人生を決める言葉 フランス文学から』(創元新書) 1969
- 『ブールジェ』(アンドレ・コルネリス、中央公論社、世界の文学) 1970
- 『マリー・ノエル』(アンドレ・ブランシェ編著、思潮社、セリ・ポエティク) 1970
- 『フランク』(エマニュエル・ビュアンゾ、音楽之友社、不滅の大作曲家) 1971
- 『さすらいの青春 ル・グラン・モーヌ』(フールニエ、旺文社文庫) 1972
- 『文学と霊なるもの - 火の夜』(A・ブランシェ、原田武共訳、思潮社) 1972
- 『死んでいったひとりの若い女性への公開状』(ジルベール・セブロン、新潮社) 1972、のち文庫
- 『現代公式文句評訳』(ジャック・エリュール、すぐ書房) 1973
- 『モンパルナスのビュビュ / やさしいマドレーヌ他』(フィリップ、旺文社文庫) 1974
- 『回想のシモーヌ・ヴェイユ』(J・-M・ペラン/G・ティボン、朝日出版社) 1975
- 『モンテヴェルディ』(ロジェ・テラール、音楽之友社、不滅の大作曲家) 1976
- 『都市の意味』(エリュール、「著作集7」すぐ書房) 1976
- 『詳伝シモーヌ・ヴェイユ 2 1934~1943』(シモーヌ・ペトルマン、勁草書房) 1978.11
- 『さよならをそっとひとりで』(マルスリーヌ・デボルド=ヴァルモール、サンリオ) 1979.9
- 『恋の涙はもういらない』(マルスリーヌ・デボルド=ヴァルモール、サンリオ) 1983.9
- 『死都ブリュージュ / 霧の紡車』(ジョルジュ・ロデンバック、倉智恒夫共訳、国書刊行会、フランス世紀末文学叢書) 1984.7
- 『死に直面して』(ジルベール・セスブロン、春秋社) 1985.4
- 『パリ』(ジュリアン・グリーン、青山社) 1986.11
- 『聖フランチェスコの小さな花』(教文館、キリスト教古典叢書) 1987.2
- 『中世の巡礼者たち 人と道と聖堂と』(レーモン・ウルセル、みすず書房) 1987.11
- 『フランス故事・名句集』(シルヴィー・ヴェイユ,ルイーズ・ラモー、大修館書店) 1989.1
- 『薄気味わるい話』(レオン・ブロワ、国書刊行会、バベルの図書館) 1989.5
- 『残された言葉 インタビュー集』(フランソワ・モーリヤック、崔達用共訳、教文館) 1989.7
- 『キリストの聖なる伴侶たち』(エミール・マール、みすず書房) 1991.6
- 『フランス名句辞典』(大修館書店) 1991.4
- 『サンティヤゴ巡礼の世界』(アルフォンス・デュプロン、監訳、原書房) 1992.9
- 『パスカル』(A・クレイルスハイマー、足立杉子共訳、教文館、コンパクト評伝シリーズ) 1993.7
- 『中世ロワール河吟遊 華麗なるフランス宮廷絵巻』(アンドレ・カストロ、原書房) 1993.4
- 『ルルドの群集』(J・K・ユイスマンス、国書刊行会) 1994.1
- 『ブルゴーニュ公国の大公たち』(ジョゼフ・カルメット、国書刊行会) 2000.5/ちくま学芸文庫 2023.5
- 『三つの教会と三人のプリミティフ派画家』(J・K・ユイスマンス、国書刊行会) 2005.9
- 『サンティアゴ遥かなる巡礼の道』(ジャン=クロード・ブールレス、青山社) 2006.11
フランシス・ジャム
- 『ジャム詩集』(フランシス・ジャム、旺文社文庫) 1969
- 『フランシス・ジャム全集』第2・3巻(分担、青土社) 1981
- 『三人の少女』(ジャム、旺文社) 1990.3
パスカル
- 『病と死についての冥想 祈りと小品と手紙』(パスカル、新教出版社、新教新書) 1959
- 『パンセ ルイ・ラフュマ版による』(パスカル、新教出版社) 1966
- 『パンセ』(パスカル、角川文庫) 1968
- 『パスカルの言葉』(弥生書房、人生の知恵) 1970
- 「パスカル著作集」 全7巻別巻2(教文館) 1980 - 1984
- 『パスカルの生涯 / 要約イエス伝 / 小品集』
- 『書簡集 / 遺言書』
- 『プロヴァンシアルⅠ』
- 『プロヴァンシアルⅡ』
- 『恩寵文書』
- 『パンセⅠ』
- 『パンセⅡ』
- 別巻1『パスカル論集』
- 別巻2『パスカル伝』
シモーヌ・ヴェイユ
- 『労働と人生についての省察』(シモーヌ・ヴェイュ、黒木義典共訳、勁草書房) 1967
- 『神を待ちのぞむ』(シモーヌ・ヴェイユ、杉山毅共訳、勁草書房) 1967
- 『ロンドン論集とさいごの手紙』(シモーヌ・ヴェイユ、杉山毅共訳、勁草書房) 1969
- 『工場日記』(シモーヌ・ヴェイユ、講談社文庫) 1972、講談社学術文庫 1986、ちくま学芸文庫 2014
- 『重力と恩寵』(シモーヌ・ヴェイユ「ノート」抄、講談社文庫) 1974、ちくま学芸文庫 1995
- 『超自然的認識』(シモーヌ・ヴェイユ、勁草書房) 1976
- 『カイエ 2』(シモーヌ・ヴェーユ、川口光治共訳、みすず書房) 1993