ストラスブールの グラン・ディルとノイシュタット (フランス )
イル川とプティット・フランスの街並
英名
Strasbourg, Grande-Île and Neustadt 仏名
Strasbourg, Grande-Île and Neustadt 面積
183 ha (緩衝地域 708 ha) 登録区分
文化遺産 登録基準
(2), (4) 登録年
1988年(第12回世界遺産委員会) 拡張年
2017年(第41回世界遺産委員会 ) 公式サイト
世界遺産センター (英語) 地図
使用方法 ・表示
ストラスブールのグラン・ディル (フランス語 : Grande Île )は北フランス の都市ストラスブール の一区域で、歴史的に中心市街が栄えた区域である。1988年にその名称でユネスコ の世界遺産 リストに登録され、日本では「ストラスブールの旧市街 」と意訳されることもしばしばある。2017年には世界遺産登録範囲がノイシュタット (フランス語版 ) まで拡大された。
アルザス地域圏 の中心地でありドイツ に隣接しているストラスブールは、フランス以外のヨーロッパ文化の影響が強く見られ、グラン・ディルの町並みもラインラント の田園的な雰囲気とパリ の雰囲気が融合した外見が特徴となっている。
グラン・ディル
ストラスブールの市内にはイル川 (L'Ill) が流れている。イル川は市内で大きく2つに分岐した後、市外へ出る前に再び合流する。この結果、市内には分岐したイル川に囲まれた島状の区域が存在する。これが「グラン・ディル」(一般名詞としては「大きな島」の意味)である。
ストラスブールの地図(1888年)。中央がグラン・ディル
主な歴史的建造物・区画
大聖堂広場
ノートルダム大聖堂
ストラスブールのノートルダム大聖堂 は、砂岩 の外壁を特徴とする高さ142メートルの大聖堂 である。現存する大聖堂は1176年から1439年に建造されたゴシック建築 の傑作だが、建造当初のロマネスク 様式も一部に残っている。建造当時はフランスで最も高い大聖堂だったが、のちにルーアン大聖堂 に追い抜かれた。
天文時計 - ストラスブール大聖堂の名物時計。最初のものは14世紀に作られたが、現存するものは18世紀に作られたからくり時計 である。12時30分には、12使徒 などを象った大勢の自動人形たちが動き出す。
天使の柱 - 13世紀に作られた袖廊の柱。ゴシック様式の美しい彫刻が施されている。
ルーヴル・ノートル=ダム博物館
ルーヴル・ノートル=ダム博物館 (Musée de l'oeuvre Notre-Dame) には、キリスト教関係のステンドグラス として現存最古の「ヴィッサンブールのキリスト 」が保管されている。これはキリストの頭部を描いたものである。
ロアン宮
ロアン宮は、1732年にガストン=アルマン=マキシミリアン・ド・ロアン=スービーズ枢機卿が造営した宮殿。宮廷建築家のロベール・ド・コット によって設計されたパリ風の宮殿であり、その後のストラスブールの建築物に強い影響を与えた。現在は、内部に考古学博物館、美術館、陶器などを集めた装飾美術館の3つのミュージアムを抱えている。
鹿薬局
鹿薬局 (Pharmacie du Cerf) は1589年に建てられたルネサンス 様式の建物で、フランスでは最古の部類に属する薬局だが、現在では営業は行われていない。
カメルゼル邸
カメルゼル邸 (maison Kammerzell) は、大聖堂広場の角に1589年に建てられた4階建てのルネサンス様式の建物。凸面ガラスの窓と、彫像や装飾が施されたハーフティンバー様式 の外壁が特徴となっている。
プティット・フランス
プティット・フランス(Petite France ; 小フランス)は、ストラスブールの古い町並みが最もよく保存されている地区。美しく飾られたハーフティンバー様式の家屋が建ち並び、イル川が細かく分岐して入り組んでいる。付近には宗教改革者であるマルチン・ブツァー が説教を行ったサン・トーマ聖堂がある。
プチット・フランスの街並
ボーバンダムの屋根付橋
屋根付橋の夜景
街並
クレベール広場
ジャン=バチスト・クレベールの像が立つ広場。
登録基準
この世界遺産は世界遺産登録基準 のうち、以下の条件を満たし、登録された(以下の基準は世界遺産センター 公表の登録基準 からの翻訳、引用である)。
(2) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
(4) 人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積または景観の優れた例。
脚注
参考文献
関連項目
ウィキメディア・コモンズの関連マルチメディア(カテゴリー)
外部リンク