XBTC (航空機)

XBTC / XA-40

飛行するXBTC-2 "Model B" 31402号機 (1946年撮影)

飛行するXBTC-2 "Model B" 31402号機
(1946年撮影)

XBTCCurtiss-Wright XBTC )は、第二次世界大戦中にカーチス・ライト社がアメリカ海軍向けに開発した試作艦上攻撃機

社内名称はCW-96(モデル96)。アメリカ陸軍航空軍でもXA-40計画として提案しようとしたが、これ以上の攻撃機は不要として発注前にとりやめた。

設計

XBTC-1(CW-96)は、二重反転式プロペラを備えた2,200馬力(1,641kW)のR-3350エンジンを搭載し、引き込み式主脚を装備した低翼単葉機で、3,000馬力(2,237kW)のプラット・アンド・ウィトニーXR-4360-8Aエンジンを搭載し、2重反転プロペラを採用していた。

開発

1943年アメリカ海軍は艦上機の爆撃機と攻撃機の一本化を図り、次期主力雷撃機計画兼急降下爆撃機計画を出した。これに、マーチン社はXBTM-1ダグラス社はXBT2D-1カイザー・フリートウィングス社はXBTK-1、そしてカーチス・ライト社はXBTC-1を提出して応えた。XBTCはエンジンパワーと武器の搭載能力から来る第1級の実力と評価されたが、BTM-1(後のAM モーラー)とXBTD-1(後のA-1 スカイレイダー)が選定された。その時点で既にXBTCの製造準備は完了していた為試験は続けられた。2機のXBTC-2が完成していたが、それぞれ翼の形状は計画から変更された。「Model A」は主翼を標準的なテーパー翼とし、フラップが装備された。「Model B」は主翼を後退翼とし後縁と後退角最先端が直線で形成され、二重のフラップ翼を特徴としていた。

2機の試作機は1946年にメリーランド州パタクセント・リバー海軍航空基地内の海軍航空センターに引き渡された。試験は順調に行われていたが、1947年2月に1機目が墜落、1947年8月に2機目が墜落して両型とも失われたことによりXBTCは開発中止となった。

諸元

機体名 XBTC-1[2]
全長 37ft 2in (11.33m)
全幅 48ft (14.63m)
全高 17ft (5.18m)
翼面積 395ft2 (36.7m2)
プロペラ[3] ブレード4枚 直径13ft 2in (4.01m)
エンジン Wright R-3350-8 (2,300Bhp) ×1
空虚重量 10,726lbs (4,865kg)
ミッション BOMBER(1) BOMBER(2) TORPEDO
離陸重量 16,708lbs (7,579kg) 17,234lbs (7,817kg) 16,729lbs (7,588kg)
戦闘重量 15,602lbs (7,077kg) 17,234lbs (7,817kg) 16,729lbs (7,588kg)
搭載燃料[4] 離陸重量:510gal (1,931ℓ)
戦闘重量:360gal (1,363ℓ)
離陸重量:360gal (1,363ℓ)
戦闘重量:360gal (1,363ℓ)
離陸重量:360gal (1,363ℓ)
戦闘重量:360gal (1,363ℓ)
携行装備 1,000lbs爆弾×1 1,600lbs爆弾×1 + 500lbs爆弾×2 Mk.13魚雷×1
最高速度 360mph/15,500ft (579km/h 高度4,724m) 334mph/15,500ft (538km/h 高度4,724m) 335mph/15,500ft (539km/h 高度4,724m)
上昇能力 1,960ft/m (9.96m/s) 1,640ft/m (8.33m/s) 1,720ft/m (8.74m/s)
実用上昇限度 28,400ft (8,656m) 26,700ft (8,138m) 26,200ft (7,986m)
航続距離 1,935mile (3,114km) 1,320mile (2,124km) 1,365mile (2,197km)
武装 AN-M3 20mm機関砲×4 (弾数計800発)
外部兵装 爆弾槽・胴体下:1,600/1,000/500lbs爆弾×1、650/325lbs爆雷×1、Mk.13/15機雷×1、Mk.13魚雷×1
翼下:500lbs爆弾×2、650/325lbs爆雷×2

脚注

  1. ^ a b Kowalski, Bob (2007). Curtiss XBTC-2 Eggbeater. Naval Fighters. Number Seventy-Seven. California: Steve Ginter. ISBN 0 942612 77 9 
  2. ^ XBTC-1 Specifications BU. OF AERO., NAVY DEPT. PERFORMANCE DATA
  3. ^ Propeller:CURTISS ELECTRIC、Blade:No.826 (×4)、Diameter:13ft 2in (4.01m)、Area:12.65m2
  4. ^ 搭載可能燃料は機体内燃料タンクに360gal (1,363ℓ)、落下増槽タンクを130gal (492ℓ) ×1 + 75gal (284ℓ) ×2の合計640gal (2,423ℓ)

外部リンク