UEFAカンファレンスリーグ(英: UEFA Conference League)は、欧州サッカー連盟(UEFA)が主催する、ヨーロッパのクラブチームによるサッカーの国際大会である。2023-24シーズンまではUEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(英: UEFA Europa Conference League)という大会名であった。この大会への参加資格は、各国のリーグ戦やカップ戦での成績に基づいている。
UEFAチャンピオンズリーグ、UEFAヨーロッパリーグに次ぐ、ヨーロッパのクラブサッカーの第3層の大会である[1]。
概要
本大会はチャンピオンズリーグ(UCL)、ヨーロッパリーグ(UEL)に次ぐ第3階層のレベルの大会で、従来のUELを分割する形で2021年に設立された。本大会の優勝クラブは、翌シーズンのUELの本大会出場権を得る。
欧州サッカー連盟(UEFA)は、少なくとも2015年から第3階層の大会を追加することを検討していたと報じられており、第3階層の大会は、UEFA加盟国のクラブがチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグで敗退する通常のステージを超えて、後のステージに進むチャンスを与える手段として機能すると考えられていた[2]。2018年半ばの報道によると、すでに大会の開始に向けて合意に達しており、48クラブからなるヨーロッパリーグのグループステージが2つに分割され、下半分が新大会の核となるものを形成するとされていた[3]。
2018年12月2日、UEFAは、暫定的に「Europa League 2(ヨーロッパリーグ2)」"または単に「UEL2」として知られていたこの大会が2021-24年の3年間の競技サイクルの一環として開始されることを発表し、UEFAは新大会が「より多くのクラブとより多くの協会のためのより多くの試合をもたらす」とした[4]。2019年9月24日、大会の正式名称「UEFAヨーロッパカンファレンスリーグ」が発表された[5]。
2023年6月28日、2024-25シーズンから大会名称が「UEFAカンファレンスリーグ」に変更されることが発表された[6]。
開催方式
出場枠
国別の出場枠およびどのレベルから参加できるかは、UEFAランキングのカントリーランキングで決まる。
UEFAカンファレンスリーグ本大会には直接出場枠はなく、本大会出場チームは全て予選とUEFAヨーロッパリーグのプレーオフを通じて決まる。
国内リーグ戦
- UEFAランキング1位から5位の国の国内リーグ6位クラブ
- UEFAランキング6位の国の国内リーグ5位クラブ
- UEFAランキング7位から15位の国の国内リーグ4位クラブ
- UEFAランキング13位から50位の国の国内リーグ3位クラブ
- UEFAランキング16位から55位の国の国内リーグ2位クラブ
リヒテンシュタインには国内リーグ戦がないため、出場枠がない。
イングランドは、EFLカップの優勝クラブに出場権が与えられる。
国内カップ戦
- UEFAランキング34位から55位の国の国内カップ戦優勝クラブ
当シーズンCL・EL敗退チーム
同じシーズンのUEFAチャンピオンズリーグとUEFAヨーロッパリーグの敗退チームの一部も当大会に合流する。
- 同シーズンのUEFAチャンピオンズリーグ予選敗退クラブ※2021-22シーズンから2023-24シーズンは予備予選と1回戦敗退クラブ、2024-25以降は1回戦敗退クラブが対象。
- 同シーズンのUEFAヨーロッパリーグ予選敗退クラブ※2021-22シーズンから2023-24シーズンは3回戦とプレーオフ敗退クラブ、2024-25以降は1回戦からプレーオフ敗退クラブが対象。
- 同シーズンのUEFAヨーロッパリーググループステージ3位クラブ(2021-22から2023-24シーズン)※決勝トーナメントから参加。
出場権の調整
- 国内カップ戦王者(国内の出場枠の中で最上位扱いとされる)が、国内リーグ成績によりUCL出場権を獲得した場合、UCLに出場するため、UECLの他の出場権獲得チームの参加ラウンドが1つ繰り上がる。また、代わりの出場枠はカップ戦準優勝クラブではなく、UECLの出場権を得ていない国内リーグ最上位のクラブに与えられる
- 前シーズンのUECL優勝クラブが、前シーズンの国内リーグまたは国内カップ戦の成績によりUECLの出場権を獲得した場合、UECL優勝クラブはUECLの代わりにUELに出場し、その国のUECLの出場枠は結果として1つ減少する。
出場クラブの構成(2024-25シーズン以降)
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初登場
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前ラウンド勝者
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チャンピオンズリーグ敗者
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ヨーロッパリーグ敗者
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予選1回戦 (58クラブ)
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- 39位から55位の国内カップ優勝の17クラブ
- 35位から55位の国内リーグ2位の21クラブ
(リヒテンシュタインは除く)
- 30位から50位の国内リーグ3位の20クラブ(同上)
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予選2回戦
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チャンピオンズ・パス (16クラブ)
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- チャンピオンズリーグ・予選1回戦(チャンピオンズ・パス)敗者の16クラブ
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メイン・パス (88クラブ)
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- 34位から38位の国内カップ優勝の5クラブ
- 16位から33位の国内リーグ2位の18クラブ
- 13位から29位の国内リーグ3位の17クラブ
- 7位から15位の国内リーグ4位の9クラブ
- 6位の国内リーグ5位のクラブ
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- ヨーロッパリーグ予選1回戦(メイン・パス)敗者の9クラブ
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予選3回戦
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チャンピオンズ・パス (8クラブ)
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メイン・パス (52クラブ)
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- ヨーロッパリーグ予選2回戦(メイン・パス)敗者の8クラブ
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プレーオフ
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チャンピオンズ・パス (10クラブ)
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- ヨーロッパリーグ予選3回戦(チャンピオンズ・パス)敗者6クラブ
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メイン・パス (38クラブ)
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- UEFAヨーロッパリーグ・予選3回戦(メイン・パス)敗者の7クラブ
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リーグフェーズ (36クラブ)
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- プレーオフ勝者(チャンピオンズ・パス)の5クラブ
- プレーオフ勝者(メイン・パス)の19クラブ
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- UEFAヨーロッパリーグ・プレーオフ敗者の12クラブ
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出場クラブの構成(2021-22シーズン以降、2023-24シーズンまで)
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初登場
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前ラウンド勝者
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チャンピオンズリーグ敗者
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ヨーロッパリーグ敗者
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予選1回戦 (72クラブ)
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- 30位から55位の国内カップ優勝の26クラブ
- 30位から54位の国内リーグ2位の25クラブ
(リヒテンシュタインは除く)
- 29位から50位の国内リーグ3位の21クラブ(同上)
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予選2回戦
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チャンピオンズ・パート (20クラブ)
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- UEFAチャンピオンズリーグ・予備予選敗者の3クラブ
- UEFAチャンピオンズリーグ・予選1回戦敗者の17クラブ
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メイン・パート (90クラブ)
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- 16位から29位の国内カップ優勝の14クラブ
- 16位から29位の国内リーグ2位の14クラブ
- 13位から28位の国内リーグ3位の16クラブ
- 7位から15位の国内リーグ4位の9クラブ
- 6位の国内リーグ5位のクラブ
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予選3回戦
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チャンピオンズ・パート (10クラブ)
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メイン・パート (52クラブ)
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- 7位から12位の国内リーグ3位の6クラブ
- 6位の国内リーグ4位のクラブ
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プレーオフ
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チャンピオンズ・パート (10クラブ)
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- UEFAヨーロッパリーグ・予選3回戦
チャンピオンズ・パートの敗者5クラブ
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メイン・パート (34クラブ)
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- UEFAヨーロッパリーグ・予選3回戦
メイン・パートの敗者3クラブ
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グループ ステージ (32クラブ)
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- プレーオフ勝者(チャンピオンズ・パート)の5クラブ
- プレーオフ勝者(メイン・パート)の17クラブ
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- UEFAヨーロッパリーグ・プレーオフ
敗者の10クラブ
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決勝トーナメント プレーオフ (16クラブ)
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- UEFAヨーロッパリーグ・グループステージ3位の8クラブ
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決勝 トーナメント (16クラブ)
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- グループステージ1位の8クラブ
- 決勝トーナメント予選勝者の8クラブ
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予選
予選はトーナメント形式によるホーム・アンド・アウェー戦を実施する。2試合終了後同点の場合には延長戦、PK戦を行い勝者を決定する。なお、2020-21シーズンまではアウェーゴールルールが採用されていた[7]。各対戦前に各クラブのランキングポイントによりポットを分けた上で同国のクラブ同士が対戦しないように抽選を行う。
予選はカンファレンスリーグに直接出場するチームおよびヨーロッパリーグ予選のメイン・パス敗退チームが出場するメイン・パスとチャンピオンズリーグ予選とヨーロッパリーグ予選のチャンピオンズ・パス敗退チームが出場するチャンピオンズ・パスの2つのルートで行う。
メイン・パス
- 予選1回戦
- UEFAランキング39位から55位の国のカップ戦優勝クラブ17クラブ、UEFAランキング34位から55位の国のうち、国内にリーグ戦を有さないリヒテンシュタインを除く国のリーグ戦2位クラブ21クラブおよびUEFAランキング30位から50位の国のうち、国内にリーグ戦を有さないリヒテンシュタインを除く国のリーグ戦3位クラブ20クラブの計58クラブによって争われ、勝者29クラブが予選2回戦進出。
- 予選2回戦
- UEFAランキング34位から38位の国のカップ戦優勝クラブ5クラブ、UEFAランキング16位から33位の国のリーグ戦2位クラブ18クラブ、UEFAランキング13位から29位の国のリーグ戦3位クラブ17クラブ、UEFAランキング7位から15位の国のリーグ戦4位クラブ9クラブ、UEFAランキング6位の国のリーグ戦5位クラブ、ヨーロッパリーグ予選(メイン・パス)1回戦敗者9クラブおよび予選1回戦の勝者29クラブの計88クラブによって争われ、勝者44クラブが予選3回戦進出。
- 予選3回戦
- ヨーロッパリーグ予選(メイン・パス)2回戦敗者8クラブおよび予選2回戦の勝者44クラブの計52クラブによって争われ、勝者26クラブがプレーオフ進出。
- プレーオフ
- UEFAランキング1位から5位の国のリーグ戦6位クラブ5クラブ、ヨーロッパリーグ予選(メイン・パス)3回戦敗者7クラブおよび予選3回戦の勝者26クラブの計38クラブによって争われ、勝者19クラブがリーグフェーズへ進出。
チャンピオンズ・パス
- 予選2回戦
- チャンピオンズリーグ予選(チャンピオンズ・パス)1回戦敗者16クラブによって争われ、勝者8クラブが予選3回戦進出。
- 予選3回戦
- 予選2回戦の勝者8クラブによって争われ、勝者4クラブがプレーオフ進出。
- プレーオフ
- ヨーロッパリーグ予選(チャンピオンズ・パス)3回戦敗者6クラブおよび予選3回戦の勝者4クラブの計10クラブによって争われ、勝者5クラブがリーグフェーズへ進出。
本大会の概要
開催日は基本的に木曜日である。決勝戦は水曜日に開催される。
リーグフェーズ
2024-25シーズンから本大会の参加チームが36チームとなり、グループステージにかわって36チームが1つのリーグを形成するリーグフェーズが導入された。リーグフェーズで各チームは異なるチームとホームとアウェーで3試合ずつ計6試合を行い、1位から8位までがラウンド16に進出し、9位から24位までが決勝トーナメントプレーオフに進出する。
対戦相手はクラブランキングによって6チームずつに分けられた6つのポットから2チームずつ選ばれ、ポット1と2、3と4、5と6のペアごとの対戦相手とはそれぞれホームとアウェーで試合を行う。原則としてリーグフェーズでは同じ協会のクラブとの対戦は行わず、1つの協会のクラブとの対戦は2チームまでとなる。
決勝トーナメント
決勝トーナメントは、下記のようにリーグフェーズの順位によりあらかじめ決められた組み合わせにしたがって行われる。
| 決勝トーナメントプレーオフ | | ラウンド16 | | 準々決勝 | | 準決勝 | | 決勝 |
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| #1 | | | | | | | | | | | |
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| 17位/18位 |
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| 15位/16位
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| #1の勝者 |
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| | | 1位/2位
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| #2 |
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| 23位/24位 |
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| 9位/10位
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| #2の勝者 |
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| | | 7位/8位
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| #3 |
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| 21位/22位 |
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| 11位/12位
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| #3の勝者 |
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| | | 5位/6位
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| #4 |
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| 19位/20位 |
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| 13位/14位
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| #4の勝者 |
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| | | 3位/4位
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| #5 |
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| 20位/19位 |
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| 14位/13位
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| #5の勝者 |
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| | | 4位/3位
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| #6 |
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| 22位/21位 |
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| 12位/11位
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| #6の勝者 |
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| | | 6位/5位
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| #7 |
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| 24位/23位 |
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| 10位/9位
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| #7の勝者 |
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| | | 8位/7位
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| #8 |
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| 18位/17位 |
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| 16位/15位
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| #8の勝者 |
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| | | 2位/1位
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リーグフェーズの9位から24位までのチームは、ラウンド16進出をかけて決勝トーナメントプレーオフに出場する。9位から16位までのチームがシードチーム、17位から24位までのチームがノーシードチームとなりシードチームとノーシードチームが対戦する。
ラウンド16では、リーグフェーズから直接進出した1位から8位までのチームがシードチーム、プレーオフを勝ち上がったチームがノーシードチームとなりシードチームとノーシードチームが対戦する。
決勝トーナメントは準決勝まではホーム・アンド・アウェー方式とし、2試合の通算得点が同じ場合は2試合目の試合後に前後半15分の延長戦を行う。それでも勝者が決まらない場合はPK戦で勝者を決定する。決勝戦は事前にUEFAにより決定された試合地での1試合決着とし、90分で決しない場合は延長戦を行い、さらに決しない場合はPK戦となる。
過去のフォーマット
2023-24シーズンまでは、本大会ではまず32チームが4チームずつ8グループに分かれホーム・アンド・アウェー方式の総当たり戦で対戦するグループステージが行われた。各グループ1位チームが決勝トーナメントのラウンド16に進出、2位チームは決勝トーナメントプレーオフに進出した。決勝トーナメントプレーオフでは、UELグループステージのグループ3位チームと対戦し、勝者がラウンド16に進出した。
賞金
2024/25シーズンからの例[8]。
総額は2億8500万ユーロに上る。
内訳は以下の通り
- リーグフェーズ出場: 317万ユーロ
- リーグフェーズでの勝利(1試合あたり): 40万ユーロ
- リーグフェーズでの引き分け(1試合あたり): 13万3000ユーロ
- リーグフェーズの順位によるボーナス: 36位が2万8000ユーロで順位が1つ上がる毎に2万8000ユーロ加算されていき1位は100万8000ユーロ。加えて1位から8位のクラブに40万ユーロ、9位から16位のクラブに20万ユーロ。
- 決勝トーナメントプレーオフ進出: 20万ユーロ
- ラウンド16進出: 80万ユーロ
- 準々決勝進出: 130万ユーロ
- 準決勝進出: 250万ユーロ
- 準優勝: 400万ユーロ
- 優勝: 700万ユーロ
上記はラウンド進出ごとに加算されることを意味している。そのためリーグフェーズで全勝して1位となり優勝した場合の額は1857万8000ユーロとなる。
加えて総額5700万ユーロが、各国のマーケットや過去のUEFAの大会におけるパフォーマンスなどにより定められたランキングに基づき配分される。
結果
統計
クラブ別成績
注:優勝年度及び準優勝年度は、優勝が決定した年を並べている。例えば、2021-22年度王者は2022年としている。
クラブ所在国別成績
脚注
注釈
出典
外部リンク
Template:UEFAカンファレンスリーグ
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UEFAヨーロッパカンファレンスリーグ(2021-2024) | シーズン | |
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決勝 | |
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UEFAカンファレンスリーグ(2024-) | シーズン | |
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決勝 | |
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男子(選手権, U-21, U-19, U-17, NL) - 女子(選手権, U-19, U-17) - クラブ(CL, EL, ECL, SC, YL, WCL) |