TRIZTRIZ(トゥリーズ、トリーズ[1]、発明的問題解決理論、英:Theory of Inventive Problem Solving[2])は、ソビエト連邦発の問題解決理論・全体最適化理論・システム思考・クリエイティブシンキングである。ロシア語の Teoriya Resheniya Izobretatelskikh Zadatch (Теория решения изобретательских задач) の頭字語である。英語では Theory of solving inventive problems または Theory of inventive problems solving と呼ぶ。 同じく問題解決理論・全体最適化理論・システム思考である 制約条件理論TOCと併用するのが良い。 概要TRIZ発明的問題解決理論 の研究は、クラシカル TRIZ 時代とコンテンポラリー TRIZ の時代に分けられる。
1990 年代初頭からの研究は、アメリカを中心とした西側諸国に移る。TOPE(Tech Optimizer, 現Goldfire Innovator)やIWB(Innovation Workbench)などのパソコン用ソフトウェアが開発され、便利になった。それまでは 思考手順ARIZ に沿って、莫大な知識データベースが記された小冊子を参照しつつ問題解決に取り組んでいた。アルトシュラーによる特許分析は約 40 万件であるが、アメリカでは 200 万件の特許分析を行い、TRIZ を進化発展させた。 現在のTRIZは、理論や発明原理の研究を深めるだけではなく、マネジメント・創造性開発などの能力開発分野、IT 分野、社会分野への拡大・研究が広がっている。独創性、流暢さ、柔軟性が、このTRIZの特徴である。TRIZの目的は、心の惰性を克服し、幅広いアイデアを生み出すことである。矛盾マトリックスと呼ばれるものを使うこともある[3]。 誤解された TRIZ1997 年 TRIZ は日本で「超発明術」として紹介された。日経 BP 社発行「超発明術 TRIZ シリーズ 1~4」に超発明術と明記されている。超発明術という意味を早合点し、TRIZ を使えば誰でも自動的に発明ができるようになると思いこんだ会社が TRIZ に飛びついたが、多くの企業が思うような成果を出せなかったことで、結果として TRIZ は使えないという誤解を産んだ一面がある。少なくとも自社の製品および業界の知識を保有していない企業が、TRIZ を使ったところで画期的な問題解決策など出ることはない。このことを学校法人産業能率大学は以下のように指摘している[4]。
この文章にあるとおり、TRIZ は思考支援ツールである。正しく理解するためには、アルトシュラーの基本論文[4]を参考にされたい。 TRIZ に関連するソフトウェアには 「IWB(Innovation Workbench)」 と 「Goldfire(GFIN, 旧TOPE)」[5]などがあり、前者はコンテンポラリーTRIZの代表例であるIdeation-TRIZ(I-TRIZ)を開発した専門家達の実践的な思考プロセスと知識ベースとノウハウを提供するものであり、後者は問題分析とともにTRIZに関する知識データベースを検索する検索エンジンとして活用される。その他、TRIZの代表的な発想手法である「発明原理」と「システム進化パターン」をWebアプリケーションとして使える「IDEA-TRIZ Toolbox」という支援ソフトウェアがリリースされている。[6] 40の発明原理
日本TRIZ協会TRIZおよびそれに関連した技術・技法の研究、活用、普及等を目指す諸活動を行うために、NPO法人日本TRIZ協会が設立された(下記「外部リンク」の項参照)。毎年9月初め頃に同協会のシンポジウムが開催されている。 TRIZと他の手法との連携による開発事例TRIZを実際の製品開発に適用する上では、TRIZとの他の手法との連携が効果的であることが報告されている。 [7] [8] [9] [10] [11] [12] 自動車部品、精密機器、化学メーカなどから、TRIZとQFD(品質機能展開)やタグチメソッド手法を連携した開発事例が紹介されている。 出典
関連項目
外部リンク |