PMBOKPMBOK(Project Management Body of Knowledge、頭字語として「ピンボック」と読まれることがある)は、「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド」(英語: A Guide to the Project Management Body of Knowledge、略称: PMBOK Guide、PMBOKガイド)の略語である。PMBOKガイドは、プロジェクトマネジメント協会 (PMI) が発行している。 概要プロジェクトマネジメントの知識を体系化したものである。第6版までは10の知識エリアと5つのプロセス群から定義されているものであり、第7版からは12の原則と8つのパフォーマンス・ドメインから定義されている。また、ソフトウェア開発のプロジェクト管理において必要な知識体系である。 PMBOKガイドは、国際的に標準とされているプロジェクトマネジメントの知識体系(ガイド、手法、メソドロジー、ベストプラクティス)であり、建設、製造、ソフトウェア開発などを含む幅広いプロジェクトに適用できるプロジェクトマネジメントの基盤を提供する[1]。 PMBOKガイドはプロジェクトマネジメントの専門用語とガイドラインを提供する書籍である。PMIが監修し、英語版のほか、アラビア語・中国語・フランス語・ドイツ語・ヒンディー語・イタリア語・日本語・朝鮮語・ポルトガル語・ロシア語・スペイン語で発行している。最新の第7版は2021年に発行された。 歴史PMBOKガイドは、最初、1987年に米国PM学会によってホワイトペーパーとして出版された。その目的は、広く適用できるプロジェクトマネジメントの情報や実践方法の文書化と標準化であった[2]。 1996年に初版が、2000年に第2版が出版された。2004年には大幅な変更を加えた第3版が出版された。2008年12月31日には第4版の英語版が出版され、他言語版は2009年の後半に出版された。2013年1月には第5版(英語版)、2017年9月には第6版(英語版)[3]、2021年に最新の第7版(英語版)が出版された[4]。 内容PMBOKガイドは、『プロジェクトマネジメント知識体系ガイド』と『プロジェクトマネジメント標準』の2部から構成されている。その内容は、第7版とそれ以前とで大きく変わっている。 PMBOKガイド第7版PMBOKガイドの第7版では、内容が以前のプロセス・ベースから原理・原則ベースに変更されて、対象がプロジェクトや予測型アプローチに留まらない範囲に拡張されている。前半では価値実現システムと12のプロジェクトマネジメントの原理・原則を説明し、後半では8つのパフォーマンス領域を説明している[5]。プロセスを支える ITTOs(インプット、ツールと技法、アウトプット)よりも、成果のデリバリーや価値の実現を重視するようになった。 第7版以前PMBOKガイドは第6版まではプロセスベースの体系であり、多数のプロセス(手順、処理)を実施することで目的を実現する。このアプローチは、ISO 9000、CMMI、ISO 31000(en) など、他のマネジメント標準とも同じであり、ISO 21500(en): 2012 Guidance on Project Managementと一貫している。プロセスは、プロジェクトやその局面(フェーズ)の中で、重なり合い、相互に作用する。 プロセスは以下の用語で記述される。
PMBOKガイド第6版PMBOKガイド第6版は、49個のプロセスを、幅広いプロジェクトに適用可能な5個の基本的なプロセス群と10個の知識エリアとに分類する。 5個のプロセス群
10個の知識エリア
10個の知識エリアは、プロジェクトマネジメントを効果的に達成するために必要なプロセスを含む。 拡張性PMBOKガイドは、大半の場合に大半のプロジェクトを管理するための一般的なガイドを提供するが、現在3つの公式拡張版がある。
PMIは、各知識エリアを補完(詳細な定義・解説・実務への展開など)する目的で次の実務標準を発行しており、PMI日本支部から日本語版も発行している。
出典
関連項目
外部リンク |