P400型哨戒艇

P400型哨戒艇
基本情報
艦種 哨戒艇
運用者

 フランス海軍
 ガボン海軍

 ケニア海軍
就役期間 1986年 - 2023年(フランス海軍)
前級 トライデント級フランス語版
要目
基準排水量 406トン
満載排水量 480トン
全長 54.50 m
最大幅 8.00 m
吃水 2.54 m
主機 SEMT ピルスティク16PA4 V200
ディーゼルエンジン×2基
推進器 可変ピッチ・プロペラ×2軸
出力 8,000馬力
速力 23ノット
航続距離 4,200海里 (15kt巡航時)
乗員 士官4名+下士官14名+水兵11名
便乗者 20名
兵装60口径40mm単装機銃×1基
90口径20mm単装機銃×1基
7.62mm機銃×2挺
レーダー ・DRBN-32または38 航海用×1基
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P400型哨戒艇フランス語: Patrouilleur type P400)は、フランス海軍が運用していた哨戒艇の艦級。計画名はスーパーPATRA(PATrouilleur RApide)型[1][2][3]

来歴

1970年代、フランス海軍は領海警備のため、ブルー計画のもとでPATRA型哨戒艇(トライデント級)フランス語版の整備に着手した。これらは1976年より就役を開始した[1]

しかしこの時期、第三次国連海洋法会議を通じて、距岸200海里排他的経済水域(EEZ)に関するコンセンサスが形成され、新海洋秩序時代への道が開かれた。これによって警備すべき水域面積の激増が見込まれたが、このような外洋で行動するには、トライデント級は小型すぎた。このため、30隻という当初の整備計画は中止され、より大型のスーパーPATRA型に移行することとなった。これによって建造されたのが本型である[1]

設計

主船体および上部構造物は鋼製である。航洋性確保のため、船首にはブルワークが付された。トライデント級の満載排水量148トンに対して、計画排水量は422トンと大型化しており、また下記の主機の更新によって更に増大した[3]

竣工時の1番艦に搭載されていた主機は極めて不満足であり、計画の遅延の原因となった。最終的にはV型16気筒SEMT ピルスティク16PA4 V200 VGDSディーゼルエンジンが搭載された。当初は船尾排気式だったが、この主機換装の際に煙突が設けられた[2]。また電源として、出力120キロワットのディーゼル発電機3セットが搭載されている[3]

平時の装備は中小口径の機銃に限定されているが、有事にはミストラル近接防空ミサイルおよびエグゾセMM38艦対艦ミサイルの搭載も計画されている。またSS.12可変深度ソナーの搭載試験も行われた[2]。なお弾薬搭載量は、40mm機銃弾840発、20mm機銃弾2,100発である[3]

物資揚降用として油圧クレーン1基と35立方メートルの貨物室2室が設けられており、島嶼地域での物資輸送に用いられる。またこの他、コマンド部隊などの便乗者20名のための居住区がある[1][3]

同型艦一覧

まず1982年5月に6隻が発注され、1984年3月に更に4隻が追加された。

# 艦名 就役 退役 その後
P682 ローダスィゥーズ
L'Audacieuse
1986年9月18日 2011年5月26日
P683 ラ・ボーディース
La Boudeuse
1987年1月15日
P684 ラ・カプリシウス
La Capricieuse
1987年3月13日 2017年6月
P685 ラ・フーグゥーズ
La Fougueuse
2009年9月26日
P686 ラ・グロリューズ
La Glorieuse
1987年4月18日 2023年5月11日[4]
P687 ラ・グラシューズ
La Gracieuse
1987年7月17日 2017年9月
P688 ラ・モクーズ
La Moqueuse
1987年4月18日 2020年5月21日
P689 ラ・ライリューズ
La Railleuse
1987年5月16日 2012年6月12日
P690 ラ・リューズ
La Rieuse
1987年6月13日 2011年 ケニア海軍にて「ハランベ」(P3134 Harambee)として再就役
P691 ラ・タパジューズ
La Tapageuse
1988年2月11日 2013年11月22日 ガボン海軍にて「ビビゴ・ンゼンギ」( Bivigou Nziengui)として再就役

参考文献

  1. ^ a b c d Robert Gardiner, ed (1996). Conway's All the World's Fighting Ships 1947-1995. Naval Institute Press. p. 128. ISBN 978-1557501325 
  2. ^ a b c Stephen Saunders, ed (2009). Jane's Fighting Ships 2009-2010. Janes Information Group. p. 262. ISBN 978-0710628886 
  3. ^ a b c d e Eric Wertheim (2013). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 16th Edition. Naval Institute Press. p. 209. ISBN 978-1591149545 
  4. ^ Dernière cérémonie des couleurs pour La Glorieuse”. フランス海軍 (2023年8月1日). 2024年9月22日閲覧。

関連項目