P400型哨戒艇
P400型哨戒艇(フランス語: Patrouilleur type P400)は、フランス海軍が運用していた哨戒艇の艦級。計画名はスーパーPATRA(PATrouilleur RApide)型[1][2][3]。 来歴1970年代、フランス海軍は領海警備のため、ブルー計画のもとでPATRA型哨戒艇(トライデント級)の整備に着手した。これらは1976年より就役を開始した[1]。 しかしこの時期、第三次国連海洋法会議を通じて、距岸200海里の排他的経済水域(EEZ)に関するコンセンサスが形成され、新海洋秩序時代への道が開かれた。これによって警備すべき水域面積の激増が見込まれたが、このような外洋で行動するには、トライデント級は小型すぎた。このため、30隻という当初の整備計画は中止され、より大型のスーパーPATRA型に移行することとなった。これによって建造されたのが本型である[1]。 設計主船体および上部構造物は鋼製である。航洋性確保のため、船首にはブルワークが付された。トライデント級の満載排水量148トンに対して、計画排水量は422トンと大型化しており、また下記の主機の更新によって更に増大した[3]。 竣工時の1番艦に搭載されていた主機は極めて不満足であり、計画の遅延の原因となった。最終的にはV型16気筒のSEMT ピルスティク16PA4 V200 VGDSディーゼルエンジンが搭載された。当初は船尾排気式だったが、この主機換装の際に煙突が設けられた[2]。また電源として、出力120キロワットのディーゼル発電機3セットが搭載されている[3]。 平時の装備は中小口径の機銃に限定されているが、有事にはミストラル近接防空ミサイルおよびエグゾセMM38艦対艦ミサイルの搭載も計画されている。またSS.12可変深度ソナーの搭載試験も行われた[2]。なお弾薬搭載量は、40mm機銃弾840発、20mm機銃弾2,100発である[3]。 物資揚降用として油圧クレーン1基と35立方メートルの貨物室2室が設けられており、島嶼地域での物資輸送に用いられる。またこの他、コマンド部隊などの便乗者20名のための居住区がある[1][3]。 同型艦一覧まず1982年5月に6隻が発注され、1984年3月に更に4隻が追加された。
参考文献
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