OpenWrt
OpenWrt は、ゲートウェイなどの組み込みシステム用ファームウェアとして開発されているLinuxディストリビューションである。 製造業者が自社製品に載せていたファームウェアのソースコードを GNU General Public License (GPL) に基づいて公開していたため、これを利用して、様々な機能を追加する形で開発された。但し、現在は改変が進んでいるため、全体的に新しいソースコードに置き換えられている。当初は、一部の機能がプロプライエタリソフトウェアを必要としていた。Linux 2.6.25 と b43 カーネルモジュールを使った OpenWrt 8.09 が登場する以前は、ブロードコム製無線LANルーターにはプロプライエタリな wl.o モジュールが必須であり、それは Linux 2.4 上でしか使えなかった。なお、b43 モジュールは、OpenWrt 8.09.1 で mac80211 ドライバが削除されたため、使えなくなっている[1]。 当初は、リンクシスのWRT54Gシリーズのみを対象としていたが、ネットギア、Dリンク、ASUSなどのルーター、OpenMoko搭載携帯電話などにも対象を拡大していった。OpenWrt を実際によく使っているのは、WRT54GシリーズとASUS WL-500gである。 OpenWrt の操作は、主にキャラクタユーザインタフェースによって行うが、WebベースのGUIも用意されている。 技術サポートは公式サイト上のフォーラムとIRCで提供している。 OpenWrtは「オープンダブリュアールティ」と発音する。ただし日本では「オープンワート」など短縮して発音されることも多い[独自研究?]。 特徴OpenWrtは書き込み可能なJFFS2ファイルシステムの形でインストールされ、opkgによるパッケージ管理が可能である。このため、OpenWrtは汎用性があり、様々な要求に対応可能である。また、メッシュネットワークの構築が可能である。 Webインタフェース8.09 より前の OpenWrt には最小限のWebインタフェースしかなかった。8.09 では、より高機能なWebインタフェースがプリインストールされる[2]。これにはLuaで書かれたMVCフレームワークである LuCi が使われている[3]。 X-Wrtプロジェクトでは、従来バージョンのOpenWrtにも適用可能な別のWebインタフェース webif2 を提供している。これには40以上の制御/ステータスページがある。 OpenWrtに基づくその他のディストリビューション
Sveasoftに関する論争Sveasoft は無線LANルーター用ファームウェアを販売する企業である。2006年3月11日、OpenWrt はSveasoftがGPL違反を犯している(ソースコードを公開せずにバイナリを販売していた)とし、それに含まれている OpenWrt に由来するソフトウェアの頒布を禁止するとした[5]。これに対してSveasoftは、OpenWrtがSveasoftとブロードコムが著作権を所有するソフトウェアを許可無く不正にGPL化したと反論している[6]。従って、互いに相手の主張を否定している状況にある。 脚注・出典
外部リンク
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