NHK邦楽技能者育成会NHK邦楽技能者育成会(NHKほうがくぎのうしゃいくせいかい、1955年(昭和30年2月) -2010年(平成22年)3月 )は、東京都渋谷区の邦楽演奏家育成のための講座である。三曲を中心に、琵琶、一絃琴、笛、雅楽などの演奏者が受講した。自分の演奏楽器のみではなく邦楽全般の歴史や関連の知識、五線譜による合奏を学ぶ。2010年(平成22年)3月の第55期生の卒業で終了した。 略歴
特徴教科講師教科の一流の専門家が当たる。吉川英史、杵屋正邦、藤井凡大など 受講生講座の受講生は卒業すると第〇期生と名乗ることが出来るが、中途退学の場合は名乗ってはいけない決まりがあった。年1回の募集で東京芸術大学邦楽科出身者を中心に、町の邦楽教室で学び邦楽の家元組織に属しているなど、何らかの方法で邦楽をやったことがあり、ある程度の演奏技量と知識をもった志願者が、実技(邦楽器の演奏、フラット1個程度のソルフェージュ)とペーパーテストの結果選ばれる。受講生は毎週火曜日にNHK放送センターに通い、講義や実技指導を受ける。放送局が運営しているので、原則欠席は認められない。また前後期のテストで成績が不振だと退学させられることもある。講座受講料は途中からは有料になった。ほかに経費の徴収のための会計係や、イベント係、楽譜を書く係など、講座担当職員と共に受講生も役割を受け持つ。 卒業生NHK邦楽技能者育成会を卒業しても特典は特にない。まれにNHKに出演依頼もあるが、NHKに出演するためにはNHKオーデションという別の試験組織がある。しかし、現在活躍中の邦楽演奏家には卒業生も多くいる。邦楽の世界ではNHK邦楽技能者育成会受験を目標にする邦楽演奏者も多かった。「NHK邦楽技能者育成会第〇期卒業」と演奏会パンフレットに掲載することは、洋楽演奏家がヨーロッパ留学と書くことに似て、ひとつのステイタスである。 委嘱作品NHK邦楽技能者育成の卒業生は卒業演奏会に出演する。前期修了の夏前に、作曲家に委嘱した作品を著作権料を支払って楽譜を購入し、秋から練習に入る。その年の受講生の楽器を考慮し、各楽器が極力平等に扱われた作曲がされている。 楽譜
卒業演奏会作曲者、指揮者などの指導を受け、黒紋付での演奏、NHKホールやイイノホールなどで卒業演奏会が行われる。テレビまたはラジオ放送される。舞台での並び順は成績順である。その後、謝恩会がおこなわれ、記念品(トロフィーなど)が贈られる。
NHK邦楽技能者育成会同窓会2011年(平成23年)9月29日、会員相互の交流をはかり、日本の芸術文化に寄与することを目的として同窓会が組織された。 事業
役員
会員正会員(NHK邦楽技能者育成会卒業生もしくは理事会により 推挙された者であって、本会の目的および事業に賛同し所定の会費を納める者)のほか、特別会員(NHK邦楽技能者育成会に対し功労のあった者または有識者で、 理事会で推挙され総会において選任された者)、 賛助会員(会の目的および事業に賛同する団体または個人であり、所定の会費を納める者)。設立総会時811名。 参考文献等
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