LVS-97
LVS-97(ロシア語: ЛВС-97)は、かつてロシア連邦に存在した輸送用機器製造メーカーのペテルブルク路面電車機械工場が製造した路面電車車両。71-147という形式番号も有する[1][3][5]。 概要1997年から製造が行われた片運転台の2車体連接車。従来ペテルブルク路面電車機械工場で量産されていた連接車のLVS-86とは構造が異なり、中間部のボギー台車が車体間(連接部)ではなく先頭車体に設置されているのが特徴である。そのため車体毎に全長が異なっており、先頭車体は13 m、後方車体は9 mである。双方の車体間には貫通路が設置され、ゴム布生地の蛇腹状の幌によって覆われている。車体は溶接構造を用いた鋼製だが、後述のように2000年以降に製造された車両は前面にグラスファイバーが用いられている。運転室は仕切りによって客室と分けられており、乗務員専用の乗降扉も右側面に設置されている。乗客用の両車体共に右側面2箇所に存在するが、うち先頭車体については隣り合う形で配置されている[1][3][4]。 台車は先頭車体に動力台車が2台、後方車体に付随台車が1台設置され、動力台車には主電動機が2基搭載される他、各台車にはディスクブレーキ、もしくはドラムブレーキが存在する。車内照明を始めとする低電圧供給用として、オンボート電圧コンバータ(BPN)やメンテナンスの簡素化を図った充電池が設置されている。制動には電空併用ブレーキ(発電ブレーキ、空気ブレーキ)が使用される他、非常時には電磁吸着ブレーキが作動する[3][4]。 これらの設計や機構の一部は、1993年から1994年にかけて試作されたLVS-93(3車体連接車)に導入された要素が用いられている[4][6]。
運用・車種LVS-97は1997年から2004年にかけて50両が製造され、サンクトペテルブルク(サンクトペテルブルク市電)を始めとするロシア連邦の各都市に導入された。製造過程で座席や窓の配置を始めとした設計変更が行われ、特に2000年以降に製造された車両は前面デザインが変わりグラスファイバーが用いられるようになった他、2001年からは乗降扉の形状や先頭車体の扉配置も変更された。これらの車両は電気機器や車体形状の違いにより、以下の形式に分類される[1][3][5][4]。
LVS-97が導入された都市は以下の通りである[1][7][9][10]。
ギャラリー
脚注注釈出典
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