『KESARI/ケサリ 21人の勇者たち 』(KESARI/ケサリ 21にんのゆうしゃたち、Kesari)は、2019年 に公開されたインド のアクション ・戦争映画 [ 5] 。監督・脚本はアヌラーグ・シン (英語版 ) 、主要キャストとしてアクシャイ・クマール 、パリニーティ・チョープラー (英語版 ) 、ミール・サルワール (英語版 ) 、ヴァンシュ・バルドワジ、ジャスプリート・シン、ヴィヴェーク・サイニ、ヴィクラム・コーチャルが出演している。1897年に勃発したサラガリの戦い (英語版 ) を描いており、当初はサルマーン・カーン とカラン・ジョーハル の企画として2017年10月に製作が発表されたが、サルマーンは途中で降板している。2018年1月から12月にかけて主要撮影 が行われ、8億ルピー以上の製作費が投じられた[ 1] [ 2] 。
2019年3月21日に公開され、ホーリー祭 の期間中だったことで初日の興行収入は影響を受けたが、批評家からは高い評価を得た[ 6] [ 7] 。公開初週末には興行収入が10億ルピーを記録し[ 3] 、公開4週目には20億ルピーを超え、2019年公開のボリウッド映画興行収入上位作品 の一つとなった[ 4] 。
ストーリー
シク教徒 のイシャル・シンは、イギリス領インド帝国 ・アフガニスタン 国境に位置するグリスタン砦に所属するイギリス領インド陸軍 の兵士だった。彼は国境巡回の任務を終え帰還する途中、アフガニスタンのサイドゥッラー師の率いる部族と遭遇する。彼らは強制的に取り決められた結婚から逃れようとした女性をイスラム教 に則り処刑しようとしていた。イシャルは干渉を避けようとする上官ローレンス中尉の命令を無視して彼女を救い出し、ローレンス中尉の怒りを買ってしまう。ローレンス中尉は指揮官ホートン中佐に事態を報告するが、直後にグリスタン砦がパシュトゥーン人 部族に襲撃される。イギリス軍はイシャルの活躍で部族を撃退するが、彼はローレンス中尉からの報告を受けたホートン中佐の命令で通信基地であるサラガリ砦に駐屯する第36シク連隊 (英語版 ) の分隊長に左遷される。サラガリ砦に着任したイシャルは、戦闘の危険性のない砦に駐屯する兵士たちの規律が緩んでいることに激怒し、全員に2週間の絶食を命じる。兵士たちはイシャルに反感を抱くが、イシャル自身も絶食していたことを知り敬意を抱くようになる。同じころ、サイドゥッラー師はハーン・マスードとグル・バードシャー・ハーンと会談して部族同盟を結成し、サラガリ砦・グリスタン砦・ロックハート砦の奪取を計画する。
ロックハート砦から部族同盟の進軍を知らされたイシャルは、砦に進軍する1万人の部族同盟軍を目の当たりにする。サイドゥッラー師はサラガリ砦の眼前で、イシャルが助けた女性を処刑する。ホートン中佐から砦の放棄を命令されたイシャルは、砦に留まり死守することを決め、部下たちも彼の考えに賛同する。料理人のフーダも戦闘への参加を願い出るが、イシャルは彼に敵味方の区別なく負傷兵に水を与えるように命令する。戦闘が始まるとイシャルたちは部族同盟を迎え撃つが、兵力差に押されて部下たちが次々に戦死していく。イシャルはグリスタン砦、ロックハート砦への攻撃を阻止するためサラガリ砦の陥落を遅らせようとするが、城壁が爆破され部族同盟軍が砦内に押し寄せてくる。イシャルは1人で敵兵を薙ぎ倒すが、数の力に圧倒され瀕死の重傷を負う。サイドゥッラー師は負傷したパシュトゥーン人に水を与えていたフーダを殺し、さらにイシャルを辱めるためにターバンを剥ぎ取ろうとするが、隙を突かれてイシャルに殺される。イシャルの戦い振りに敬意を抱いたハーン・マスードは戦闘を止め、彼の名誉を守るため「ターバンには誰も手を触れさせない」と約束する。ハーン・マスードの言葉を聞き終えたイシャルは、妻ジーヴァニのことを想いながら息を引き取る。
サラガリ砦の攻略に手間取り他の砦への進軍が不可能になったためハーン・マスードは撤退するが、グル・バードシャー・ハーンは鬱憤を晴らすため、生き残っていた通信兵グルムク・シンのいる通信塔に火を放つが、塔内から炎を身にまとったグルムクが現れる。グルムクはグル・バードシャー・ハーンの腕を掴み、彼が持っていた爆弾に火を着け、彼らを道連れにして爆死する。2つの砦にはグルムクの「Bole So Nihal ,Sat Sri Akaal 」の叫び声が響き渡り、砦内のシク教徒兵たちも「Bole So Nihal,Sat Sri Akaal」と叫び出した。サラガリ砦の戦闘の報告を受けたイギリス議会 はイシャルたち第36シク連隊のために2分間の黙祷を捧げ、彼らにインド・メリット勲章 を与えて功績に報いた。
キャスト
イシャル・シン軍曹 - アクシャイ・クマール
ジーヴァニ・カウル - パリニーティ・チョープラー (英語版 )
ジーワン・シン - ヴィヴェーク・サイニ
グルムク・シン - プリトパル・パリ
グラブ・シン - ヴィクラム・コーチャル
ラール・シン - サヴィンダル・ヴィッキー
チャンダ・シン - ヴァンシュ・バルドワジ
アタル・シン - ラヴィンダル・パーワル
グルムク・シン - サルミート・シン・バスラ
ナンド・シン - アジット・シン・マヘラ
ブータ・シン - サンディープ・ナハル
ダヤー・シン - ハルヴィンダル・シン
ボーラ・シン - ラケーシュ・シャルマ
ウッタム・シン - アドリット・シャルマ
バグワン・シン - ハルバグワン・シン
ラーム・シン - ラージディープ・シン・ダリワル
サーハバ・シン - グルプリート・トーティ
スンダル・シン - ハリー・ブラル
ナラヤン・シン - パリ・サンドゥ
ヒーラ・シン - ヴィクラム・シン・チャウハン
ジーワン・シン - ガグニート・シン
タークル - ジャスプリート・シン
グルワリーン - トランジ・ケイヴォン
ジョン・ホートン中佐 - マーク・ベニントン
ローレンス中尉 - エドワード・ソネンブリック
ハーン・マスード - ミール・サルワール (英語版 )
グル・バードシャー・ハーン - アシュワート・バット (英語版 )
サイドゥッラー師 - ラケーシュ・チャトゥルヴェーディー・オーム
フーダ・ダード - ブラフマー・ミシュラ
狙撃手 - ムザミル・バーワーニ
製作
撮影
2017年、サルマーン・カーン とカラン・ジョーハル はアクシャイ・クマール を主演に迎えてサラガリの戦い (英語版 ) を題材にした映画を製作することを発表した。しかし、後にサルマンはアジャイ・デーヴガン の企画に参加するため降板したと報じられた[ 8] 。アクシャイが演じるイシャルの妻役にはパリニーティ・チョープラー (英語版 ) が起用された[ 9] 。主要撮影 は2018年1月5日から始まり、12月31日に終了した[ 10] [ 11] 。大半の撮影はマハーラーシュトラ州 ワイ (英語版 ) で行われ、この他にラージャスターン州 ジャイプル でも行われた[ 12] 。終盤のサラガリ砦の戦闘シーンの撮影中に砦のセットが火災事故で全焼したため、ムンバイ でセットを作り直して同地で撮影された[ 12] 。製作費は8億から12億6000万ルピーかかったとされている[ 1] [ 2] 。
音楽
楽曲はタニシュク・バグチ (英語版 ) 、アルコ・プラヴォ・ムカルジー (英語版 ) 、チランタン・バット (英語版 ) 、ジャスビル・ヤッシ (英語版 ) 、グルモー、ジャスリーン・ローヤル (英語版 ) が作曲を手掛け、クマール (英語版 ) 、マノージュ・ムンタシール (英語版 ) 、クンワール・ジュネージャ、タニシュク・バグチが作詞を手掛けている。
公開
2018年9月12日、アクシャイは自身のTwitter で映画のポスターを公開した。2019年1月26日の共和国記念日 に新しいポスターが公開され、2月11日には劇場用ポスターが公開された[ 13] 。翌12日にダルマ・プロダクション (英語版 ) はYouTube チャンネルに「Glimpses of Kesari」と題した3本の動画を投稿し、製作内容について解説した[ 14] [ 15] 。同月20日には新しい劇場用ポスターが公開され[ 16] 、21日に予告編がダルマ・プロダクション公式YouTubeチャンネルで公開された[ 17] [ 18] 。映画はホーリー祭 期間中の3月21日に公開され、世界4200スクリーンで上映された[ 19] [ 1] 。
評価
興行収入
公開初日の興行収入は2億1060万ルピーを記録した[ 3] 。この記録は同年6月に『Bharat 』が公開されるまでの間、2019年のボリウッド映画公開初日興行成績第1位を維持した[ 20] 。公開初週末の興行収入は7億8070万ルピーとなり、これは5月までに公開されたボリウッド映画の中で最も高い興行成績だった[ 21] 。最終的な国内興行収入は18億2300万ルピー、海外興行収入は2億2520万ルピーを記録した[ 3] 。海外市場での公開初週末の累計興行収入は10億ルピーを超え[ 22] 、公開第4週で興行収入20億ルピーを達成した[ 4] 。
批評
Scroll.in のナンディニ・ラームナートは「『KESARI/ケサリ 21人の勇者たち』はイギリスの植民地支配者ですら賞賛したインド軍事史の1章を見直すための貧弱な試みです」と批評している[ 23] 。ザ・タイムズ・オブ・インディア のラチット・グプタは4/5の星を与え、「技術的な輝き、複雑な脚本と素晴らしい演技」を絶賛している[ 24] 。タラン・アダルシュ は4つ星を与え、「歴史的に重要な章を見事に描いている……ナショナリズム、愛国主義、ヒロイズム、スケールと魂……『KESARI/ケサリ 21人の勇者たち』はこれら全てを持っている」と批評している[ 25] 。ガウラン・チャウハンはタイムズ・ナウ (英語版 ) で批評し、3.5/5の星を与え「『KESARI/ケサリ 21人の勇者たち』はボリウッドが繰り出す最高の愛国映画でもアクション映画でもありませんが、時間と金をかける価値は確かにあります」と語っている[ 26] 。ボリウッド・ハンガマ は4/5の星を与え、「全体として、『KESARI/ケサリ 21人の勇者たち』は勇ましく勇気を鼓舞する物語であり、愛国主義的でドラマティックな戦闘シークエンスは映画の独自の売りとなっている」と批評している[ 27] 。
受賞・ノミネート
出典
^ a b c d “Akshay Kumar's Kesari movie: Check out trailer, box office prediction, songs, cast ”. Business Today (18 March 2019). 2019年7月29日 閲覧。
^ a b c “KESARI ”. Box Office India (21 March 2019). 21 March 2019 閲覧。
^ a b c d “Kesari - Box Office Collection till Now - Bollywood Hungama ”. Bollywood Hungama . 11 May 2019 閲覧。
^ a b c “Bollywood Top Grossers Worldwide Bollywood Hungama ”. Bollywood Hungama . 20 April 2019 閲覧。
^ “Parineeti Chopra on Kesari: Didn't think about my screen time, it is a boys film ”. India Today . 2019年7月29日 閲覧。
^ “Kesari box office collection day 1: Akshay Kumar starrer hit by Holi, expected to earn this much: Kesari box office collection ”. Zee Business (21 March 2019). 21 March 2019 閲覧。
^ “Kesari Has A Good Start ”. Box Office India (21 March 2019). 21 March 2019 閲覧。
^ “Karan Johar and Akshay Kumar’s Battle of Saragarhi film to be titled Kesari ”. 11 October 2017 閲覧。
^ “Parineeti Chopra on Kesari: We joke that I did the film just for the romantic song with Akshay Kumar ”. Hindustan Times (14 March 2019). 2019年7月29日 閲覧。
^ Thakur, Charu (5 January 2018). “Kesari first look: Akshay Kumar begins shooting for one 'epic' film” . India Today . http://indiatoday.intoday.in/story/kesari-first-look-akshay-kumar-turban-karan-johar/1/1124086.html 6 January 2018 閲覧。
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^ Taran Adarsh [@taran_adarsh] (2019年3月20日). "#OneWordReview… #Kesari: OUTSTANDING! Rating: ⭐️⭐️⭐️⭐️ Chronicles a significant chapter from history brilliantly... Nationalism, patriotism, heroism, scale and soul - #Kesari has it all... Akshay's career-best act... Anurag Singh's direction terrific... Don't miss! #KesariReview t.co/hrNtAgObno" . X(旧Twitter) より2020年5月6日閲覧 。
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外部リンク