『KBSニュース9』(朝: KBS 뉴스 9 、英: KBS NEWS 9)とは、韓国・KBSで韓国時間の毎日21時から放送されるニュース番組である。KBSの看板ニュース番組であり、KBSは「大韓民国代表ニュース」と謳っている[2]。
KBSの午後9時台のニュース番組名は若干変遷しており、現名称となったのは1993年10月18日からである(#番組の変遷を参照)。
ソルラル・秋夕時の放送は「ヨロブン・アニョハシムニカ!!」の前に「賀詞」を述べ、着用する衣装も、普段のスーツ姿ではなく、朝鮮の民族衣装であるチマチョゴリを着用するのが定例となっている。
内容
2013年10月21日実施の秋改編で従前に比べがらりと変わったため、その対比を含めて解説する。
オープニング
2013年秋改編以前は、ある種の“フライングスタート”を長らく導入していたため開始時間は一定ではなく、20:58になると時間調整をした上でヘッドラインとオープニンググラフィックを流し、『ニュース広場』『ニュース12』とは違い、21時になるところで、男性キャスターが「ヨロブン・アニョハシムニカ!!(皆さんこんばんは!!)」と挨拶した後、タイトルを述べないで最初のニュース項目にいきなり入っていた。
この様に、21時きっかりに最初のニュース項目が始まるようになっていたため、同時放送のラジオでは『58分天気』終了後「今から『KBSニュース9』を、KBS第1テレビジョンとKBSインターネットと同時に放送いたします。KBS第1ラジオです」という女性アナウンサーの告知が入り、時報まで時間調整の音楽が流れ、21時になった所で、最初のニュース項目を伝えていた。オープニングテーマにフェードしていた時期もあった。
ところが、2013年秋改編で先ずタイトルから入って、ヘッドラインを伝える嘗てのスタイルに戻り、2週目になった10月28日に、フライングスタートが数十年ぶりに廃止され、テレビ・ラジオ・インターネット配信の全てが、正時スタート体制に移行した。
映像では、10月中は時計による時報が現れて、字幕に時計のカウントダウンを表示させ、21時の2秒前から時報音を流し、21時の時報を鳴らしてからタイトルに入り、11月からは、番組開始前に流すロゴソング映像に、デジタル時計の時報を被せる民放と同じスタイルに変わった。
ソルラル・秋夕時の放送は「ヨロブン・アニョハシムニカ!!」の前に「賀詞」を述べ、着用する衣装も、普段のスーツ姿ではなく、朝鮮の民族衣装であるチマチョゴリを着用するのが定例となっている。
地域ニュースの扱い
『KBSニュース9』では同時間帯の全国ニュースと地域ニュースを別番組として区別せず同じ番組の枠内で地域ニュースの時間を設けている。ローカル枠は平日は21時30分前後からスポーツニュース放送前まで、週末はスポーツニュース途中の21時25分前後から終了時刻の21:30まで放送されている。なお、ラジオの同時放送はローカル枠に入る前で終わり、ラジオ情報センターからスポットニュースを流して平日は21時30分に、週末は21時20分に終了。ラジオの同時放送は第1ラジオに加え、第3ラジオと韓民族放送でも実施され、当番組が放送されていない部分も含め、21時台は全て第1ラジオとの同時放送を実施されている。
- 本部の一部署扱いである京仁センターでもソウル市以外の首都圏向けニュースを「ニュース9 京畿・仁川」として制作しており、本部レベルで全国ニュースと共に動画配信している。首都圏以外の地域における動画配信については各放送局の判断による。
- キャスターは放送総局と広域市にある蔚山局が全国版同様男女ペア、京仁とその他放送局が1人。土日祝日については蔚山を除きNHK同様ブロック単位の放送になる。
その他
歴史
1980年5月の光州事件発生時は軍事政権側に配慮した報道を行い[3][4][5][6][7][8][9][10][11][12][13]、総選挙の際、野党に対して露骨とも取れる偏向報道を行ったことで、視聴者から猛反発を受けて、一時KBSの受信料収入が半分近くまで減少するきっかけとなった。しかし、1980年代後半から民主化宣言が進んだこと、KBSの労働組合が、報道の自由を求めてストライキを起こしたりしたことで、報道の自由度は、大幅に改善されることとなった。また、大韓航空機爆破事件や湾岸戦争の際に、現地から中継報道を行うなど、キャスターによるニュース報道にも力を入れるようになった。
番組の変遷
- KBS 9時ニュース(KBS 9시 뉴스<第1期>、1979年11月15日 - 1984年10月)
- NHK『ニュースセンター9時』を参考にしたものとみられており、当初のオープニングは9の文字をモチーフにした時計付のオブジェ。約10年ほど使われた9の文字が『NC9』の『9』に似ていただけでなく、時計も同様にクロマキー合成システムとなっており、その日のトップ項目やスタジオの風景が映されるものを使用。1981年代にはKBSでもニュースセンターが簡素ながらも整備されたということもあってか、9を大きくかたどった黄色い文字が回転し、画面中央に消えた後もう一度9の文字がズームインするオープニングに変わった。テーマソングはいずれもファンファーレ調。
- KBS ニュースセンター9(KBS 뉴스센터9、1984年10月29日 - 1988年11月2日)
- KBS 9時ニュース(KBS 9시 뉴스<第2期>、1986年11月3日 - 1992年4月4日)
- 1986年~1987年10月にかけてオープニングでは「KBS 9時 뉴스」と一部漢字表記していた[14][15][16]。
- 1988年3月[17]~1990年12月31日[18]のオープニングではKBSのマークが登場。ニュースセンターからの放送のためセットには「KBS뉴스센터」と文字が入っていた時期がある。
- 1991年1月1日[19]は地球をイメージしたグラフィックで「NEWS→(回転して)뉴스」と出した後、9の文字を大きめに出して「KBS9」と表記されていた。
- 1992年頃から20時の数十秒前ぐらいから時報スーパーが画面下部中央に表示されるようになる。
- KBS 9時ニュース現場(KBS 9시 뉴스현장、1992年4月6日 - 1993年4月30日)
- 1992年10月5日[20]から使われるようになったテーマソングは、2018年までの長期に渡って使用された。
- KBSニュース(KBS 뉴스、1993年5月1日 - 1993年10月17日)
- KBSニュース9(KBS 뉴스 9、1993年10月18日 - )
キャスター
長らく男性アンカーは報道記者、女性アンカーはアナウンサーが務めてきたが、2019年の秋改編で全キャスターが変えられた際に平日枠で女性記者と男性アナウンサーが登用された[56]。なお2017年度にはKBSの労働組合がストライキを行った[57]ため、放送時間の短縮、非組合員による進行などの影響が出た。2023年11月にKBSの社長に就任した朴敏新社長は、就任直後に主要ニュースのキャスターを全員交代する人事を断行した。そのため、前任キャスターが最後のコメントをせずに降板することになった。また、従来の男性アンカーが報道記者、女性アンカーがアナウンサーの体制に戻った。
アンカー
2023年11月13日より
スポーツコーナー
- アナウンサーが務めている。
気象情報
- KBS所属の気象キャスターが務めている。2023年の刷新人事以降、カン・アランは土曜日の担当から外れた。
備考
| この節には独自研究が含まれているおそれがあります。 問題箇所を検証し出典を追加して、記事の改善にご協力ください。議論はノートを参照してください。(2012年4月) |
- 韓国のTV局において、ニュース番組は放送局のレベルとイメージを決定付ける、いわば「顔」としての役割を果たしている。日本や欧米のニュース番組では、ニュースの合間に雑談やジョークを交えて、番組を和やかにするよう演出するが、韓国では「キャスターはあくまでニュースを読むこと徹するべき」と考えられている。そのため、キャスターがふざけたり、長々とフリートークを行えば、視聴者から苦情が殺到する。特に、公共放送であるKBSなら尚更である。
- 韓国では、鄭東泳のように報道番組でキャスターを務めた後に、政治家として転出するケースが多いのも特徴である。これは、「KBSニュース9」も例外ではなく、90年代前半には、同番組のキャスター経験者が相次いで政治家に転出し話題を集めた。こうした傾向に対し、韓国の新聞東亜日報は、ピーター・ジェニングス、トム・ブロコウ、ダン・ラザーが、ジャーナリズムの最前線で活躍していたことを例に挙げた上で、キャスターという地位を国政進出の踏み台にする韓国の一部キャスターを批判する論説を掲載したほどである。
- 日本でも、スカパー!プレミアムサービスやスカパー!、全国のケーブルテレビ局の「KBS WORLD」にて、韓国と同時刻での視聴が可能である(但し、日本語同時通訳サービスは無し)。
参考文献
- 韓国のマス・メディア/彭元順著/電通/1991.11
脚注
注釈
- ^ 但し2019年12月27日・31日の放送は、「生放送!2019KBS芸能大賞・歌謡祭・演技大賞」のため休止した。
- ^ KBS2とKBSワールドの同時放送番組は、『ミュージックバンク』や、『KBS歌謡祭』などの生放送音楽番組が該当。
- ^ KNテレビジョンで放送されていた頃から持続されており、後述の『ワールドニュース』との兼ね合いによる。同様の措置を行っている中国中央電視台の『新聞聯播』がCCTV大富で同時放送される際も日本語同時通訳とすることで同番組との整合性が図られている。なお、CCTV大富版が「CCTV-1」の映像素材で、ワールドニュース版が「CCTV-新聞」の映像素材であり、兼ね合いは避けられている。
出典
関連項目
外部リンク