Inspiration of JAPANInspiration of JAPAN(いんすぴれーしょんおぶじゃぱん、旧称:Inspiration of Japan)は、全日本空輸(ANA)が2009年11月10日に発表したプロダクト・サービスブランド。また、同コンセプトを取り入れたシートデザインも2010年2月20日から導入している。1991年から2010年においてはサービスブランドとしてCLUB ANAを使用していた。 沿革Inspiration of Japanの導入2009年11月10日、東京都内で新ブランド「Inspiration of Japan」を発表した。その名前には、イノベーション(新しい発見やワクワクする体験)、際立つ個性(期待を超えた歓び)、モダンジャパン(日本発の技術・細やかな心遣いや細部へのこだわり)の3つの価値が含まれていると説明した。2010年2月導入予定[注釈 1]のB777-300ER新造機に新ブランドのシートを導入し(後述)、随時リニューアルを進めていくとし、同イベント内で新シートを公開した[1]。また、この他に機内食やオンデマンド機能、機内販売の改良や温水洗浄便座、上位顧客を対象にしたチェックインサービスの導入、成田空港のファーストクラスラウンジ内でのパーソナルルームの設置なども行うとした[2][3]。 ANAは海外における知名度が低いことに問題意識を抱えており[4]、新ブランドのイメージキャラクターにはアカデミー賞受賞の経歴を持つ俳優である本木雅弘を起用し、外国人にも分かるグローバルな視点で見た日本の価値をつくっていくとした[1]。 同社は新ブランドの展開に伴う航空機材の開発費として150〜170億円を拠出する一方、新ブランドによる増収を年50億円見込んでいるとした[3]。 機体への表記2013年7月29日、従来機内サービスで使用していた「Inspiration of JAPAN」の文字をタグラインとしてANAロゴともに機体に表記すると発表し、新たなロゴをお披露目した[5][6][7]。 また、これと同時にサービス向上を図るため新サービスの導入を発表した。2013年9月1日より15名のパートナーと9名のANAシェフが国際線の機内食と飲み物、国内線プレミアムクラスの一部の食事をプロデュースする「THE CONNOISSEURS」(ザ・コノシュアーズ)の開始、同日からの国内線プレミアムクラスの食事サービス「プレミアム御膳」と茶菓サービス「プレミアム茶房」においての有名店の提供、欧米路線[注釈 2]はファーストクラスとビジネスクラスにおいての東京西川の寝具の導入、欧米路線[注釈 2]ビジネスクラスにおいてのアメニティサービスの導入を行う[7]。 同年8月24日からInspiration of JAPANの表記がなされた1号機が営業を開始した[7]。運行当初から特別塗装や特別ロゴが塗装されていたボーイング787型機においても、2014年2月6日に引き渡され25機目(登録番号JA827A)からは787のロゴを排された状態で、Inspiration of JAPANのタグラインを表記されて登場している[8]。 2015年3月には、2011年4月25日から続けられていたB777-300ERのInspiration of JAPAN(IOJ)仕様への改修が完了した。改修完了時点でANAが保有している19機のB777-300ERのうち、最初からIOJ使用で導入された機体は6機、前仕様のCLUB ANAから改修された機体は13機だった[9]。 2018年8月以降、日本の政府専用機の置き換えに伴い整備が日本航空からANAに移行することに伴って、Inspiration of JAPAN仕様のビジネスクラスとエコノミークラスと同型の座席が新型機に設置されている[10]。 Inspiration of JAPANに次ぐ新シート2019年7月、ANAは「利用者からは好評を博したものの、9年経ってデザインも古くなり、技術革新などで取り巻く環境も変わった」としてInspiration of JAPANに次ぐシートデザインが導入することを発表した。新シートは建築家の隈研吾氏とイギリスのデザイン会社Acumenによってデザインされている。ファーストクラスは”THE Suite”、ビジネスクラスは”THE Room”と名付け、両クラスともにドア付きの個室型ワイドシート、世界初の4Kモニターを導入した。新仕様機はJA795Aを筆頭に6機を年内に導入し、同年8月2日の羽田〜ロンドン線で運航を開始する。Inspiration of JAPAN仕様機からも6機が新仕様に改修され、最終的に12機が導入予定[11]。 シートタイプファーストクラス
ビジネスクラス
プレミアムエコノミークラス
エコノミークラス
脚注注釈出典
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