HD 4628あるいはグリーゼ33は、うお座にある主系列星である。年周視差を基に計算した太陽からの距離は、約24光年である[2]。見かけの等級は5.74と、辛うじて肉眼でみえる明るさである[1]。
特徴
大きさの比較
太陽
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HD 4628
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HD 4628は、スペクトル型がK2.5 Vと分類される、橙色主系列星である[5]。有効温度は5,000 K程度で、質量、半径は太陽の8割に満たない太陽よりやや小ぶりの恒星である[4][3]。カルシウムイオンのH線・K線の強度から推定したHD 4628の活動性は、低調とみられる[6]。紫外線天文衛星EUVEによって検出された極端紫外線と、X線天文衛星ROSATによる観測結果とから、HD 4628の周囲には、典型的な温度である100万Kよりも低温のコロナが広がっていると考えられ、その温度は理論にもよるがおよそ60万Kと推定される[6]。
ファン・マーネンは、HD 4628を観測している時に、太陽から最も近い既知の白色矮星であるファン・マーネン星を発見した[7]。
伴星
HD 4628は、ハインツによって伴星の発見が報告されたことがある。ハインツは、2回その伴星を検出し、その2回で明るさが変化したことから、伴星は変光星(閃光星)ではないかとした。しかし、ハインツ自身伴星を検出できたのはその2回だけで、他の観測では検出されず、別の追観測でも検出されたことがない。補償光学やスペックル干渉法を用いたより詳細な観測でも発見できておらず、視線速度にも伴星の存在を示唆する変化はみられないことから、伴星が実在する可能性は低いとみられている[8]。
なお、ワシントン重星カタログには、ハインツが報告したB星の他に別のC星が収録されているが、こちらは見かけだけの関係であることがわかっている[8]。
脚注
注釈
- ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
- ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記
- ^ 出典での表記は、
出典
- ^ a b c d ESA (1997), The HIPPARCOS and TYCHO catalogues. Astrometric and photometric star catalogues derived from the ESA HIPPARCOS Space Astrometry Mission, ESA SP Series, 1200, Noordwijk, Netherlands: ESA Publications Division, Bibcode: 1997ESASP1200.....E, ISBN 9290923997
- ^ a b c d e f g h “HD 4628 -- High proper-motion Star”. SIMBAD. CDS. 2021年2月25日閲覧。
- ^ a b c d e f Marsden, S. C.; et al. (2014-11), “A BCool magnetic snapshot survey of solar-type stars”, Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 444 (4): 3517-3536, Bibcode: 2014MNRAS.444.3517M, doi:10.1093/mnras/stu1663
- ^ a b c d e Hinkel, Natalie R.; Unterborn, Cayman T. (2018-01), “The Star-Planet Connection. I. Using Stellar Composition to Observationally Constrain Planetary Mineralogy for the 10 Closest Stars”, Astrophysical Journal 853 (1): 14, Bibcode: 2018ApJ...853...83H, doi:10.3847/1538-4357/aaa5b4
- ^ a b Gray, R. O.; et al. (2006-07), “Contributions to the Nearby Stars (NStars) Project: spectroscopy of stars earlier than M0 within 40 pc-The Southern Sample”, Astronomical Journal 132 (1): 161-170, Bibcode: 2006AJ....132..161G, doi:10.1086/504637
- ^ a b Mathioudakis, M.; et al. (November 1994-11), “Detection of EUV emission from the low activity dwarf HD 4628: Evidence for a cool corona”, Astronomy & Astrophysics 291 (2): 517-520, Bibcode: 1994A&A...291..517M
- ^ van Maanen, A. (1917-12), “Two Faint Stars with Large Proper Motion”, Publications of the Astronomical Society of the Pacific 29 (172): 258-259, Bibcode: 1917PASP...29..258V, doi:10.1086/122654
- ^ a b Raghavan, Deepak; et al. (2010-09), “A Survey of Stellar Families: Multiplicity of Solar-type Stars”, Astrophysical Journal Supplement Series 190 (1): 1-42, Bibcode: 2010ApJS..190....1R
参考文献
関連項目
外部リンク
座標: 00h 48m 22.9763438736s, +05° 16′ 50.209562003″
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