Grok
Grok(グロック[3])は、xAIによって開発された、大規模言語モデル(LLM)に基づいた対話型の生成的人工知能チャットボットである。Xの全投稿データをリアルタイムに学習しており、イラストなどの画像生成機能に加え、最新のトピックに関する質問に回答できる[4][5][6]。 概要「Grok」という名称は、ロバート・A・ハインラインが1961年に書いたSF小説『異星の客』で用いた造語であり、火星語で「理解する」「認識する」という意味に由来する[7]。 xAIによるとGrokは『銀河ヒッチハイク・ガイド』をモデルにしたAIであると述べ[7]、「質問に対して少しウィットに富んだ答え方をするように設計されており、ユーモアが嫌いなユーザーは手を出さないように」と述べた[8]。また、xAIを立ち上げたイーロン・マスクはChatGPT等の他のAIモデルに比べると、Xへのリアルタイムアクセスを有すことが大きな利点であると述べた[8]。 歴史2023年11月3日、マスクはBard(Google。現:Gemini)やChatGPT(OpenAI)に対抗するため、同社の最初の製品として[8]独自の人工知能(AI)チャットボット「Grok」を開発していることを発表し、XのサブスクリプションプランであるX Premium+に提供すると発表した[7]。同月にxAIは一部ユーザーを対象に大規模言語モデル(LLM)に基づいたチャットボットのプレビューを開始したが[9]、早期アクセスプログラムへの参加は認証済みユーザーに限定されていた[10]。Grokの開発期間は2か月で、テスト段階終了後にX Premium+の全ユーザーに提供すると発表した[11]。 2023年12月7日、マスクはGrokをX Premium+ユーザー向けに本格提供すると明らかにした[12]。 2023年12月8日、マスクはGrokが日本語対応になると共に、2024年初頭には全ての言語に対応すると発表した[13]。 2024年3月11日、マスクはGrokをオープンソース化すると発表した[14]。 2024年3月17日、マスクはGrokをGitHubでApache License 2.0で公開した[15][2]。 2024年4月12日、Grok-1.5 Vision(Grok-1.5V)を発表した。Grok-1.5Vは、文書や図、グラフ、スクリーンショット、写真などの様々な視覚情報が処理可能となった[16]。 2024年8月14日、Grok 2 mini(beta)を発表した[5]。Xの投稿データを元にした画像生成機能が初めて搭載された[5]。 2024年12月6日、Grokが無料ユーザー向けに条件付き(メッセージ送信は2時間ごとに最大10回まで)ではあるが開放された[17]。 トレーニングGrokは独自開発の大規模言語モデル「Grok-1」が使用され、2か月にわたってトレーニングが行われる。330億のパラメータからトレーニングしたプロトタイプ「Grok-0」より推論およびコーディング能力を強化させ、「HumanEval」等のいくつかのLLM評価指標でベンチマークが行われた結果から、GPT-3.5やLLaMa 2を上回る結果を達成した[18]。 脚注
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